(5)
新学期が始まり、学科の筆記試験も終り……。
「どうだ?」
「判んね〜なぁ……」
牧田に実技試験の練習に付き合ってもらってはいるが……。
真佐木に指摘された「強い『気』を持つ代りに、『気』を隠すのは苦手」と言う俺の弱点を何とか改善しようとしてはいるが……。
「俺さ……お前らみたいな優等生じゃないから、何て言うか……『気』を感じる能力も、そんなに高い訳じゃないみて〜だけど……」
「そうか……」
「いやさぁ……俺達の学年のトップ2人が、化物だからさ……何か、俺ぐらいじゃ、どんだけ努力してもさ……」
「それ……流石に自信無さ過ぎじゃないか?」
「俺、後方支援でいいよ。その為に、学科だけは、しっかり頑張った」
「でも、最後の実技試験は……気を引き締めていかないと……噂だけど、毎年、死人が出るそうだぞ」
「噂だけだろ?」
「噂じゃない。兄貴達の葬式の時に実際に聞いた」
声の主は……真佐木だった。
「一番上の兄貴の時は……3人、二番目の兄貴の時は5人、一番下の兄貴の時は6人だそうだ」
「年々増えてね?」
牧田が、そう言った。
「あくまで噂だけど……」
「何?」
「その傾向は有るってさ」
「一番下のお兄さんの卒業って……その……」
「8年前だ」
「それから、ずっと、死人が増え続けたら……その……」
「初任給は同級生への香典で消えてなくなるかも知れないな」
「いや、そういう事じゃなくて……」
「でも……」
思わず……構える。
真佐木は、わざと、殺気を放った。
俺は気付いたが……牧田は気付いてない。
「私も戦士には成りたくない。実技試験はサボる……でも、『気』を読むのが苦手な奴は……」
「え……えっと……」
「サボる事さえ出来んぞ、多分。羅刹から逃げ続ける事さえ難しいな……」
「あ……あのさ……お前に付いてきゃ大丈夫……かな? お前、『気』を読むのは得意だろ? 羅刹が隠れてる場所とか……」
真佐木は、少し考え……。
「そうそう上手く行く気がしないが……他にもっと良い手も思い付かないな……どうしたもんか……」
「気になる事でも有るのか?」
「お前が組織の上層部だとしてだ……実技試験で卒業生の何を見極めたい?」
「そりゃ……いや、待て……単純な戦闘能力以外も試されるのか?」
「多分……」
「だから……何が……」
「予想が付いてるから、逆に予想出来ない」
「何、意味不明な事を言って……」
いや……待て……おい……。
「だからな……お前が組織の上層部だったら……、卒業生が予想もしてなかった事態に対応出来るかをテストするとしたら、どんなテストをやる?」




