上前ハネル聖職者
「ラスクの売り上げをよこせ?」
胡散臭い男がこの聖地(子供たちの楽園)にドーンといる事に超違和感感じていますどうもイグサです。
神殿が国との共同事業で孤児院運営を任されているとは名ばかりで、実情は
手が回らない、金が無い、と言って孤児院の事は放置していた奴らじゃないの!
国からの支援金も有るし、貴族からの寄進だって相当な額あるはずで、神は皆を見守っていますよとか御大層なこと言ってるくせに、いざ食材の資金をくださいと言いに行けばやれ金がないという、お世話人あと少し回してとお願いしにいけば人手は出せないとか言ってきた。
そんなクズ共がなんかおかしな事を言ってきたぞ。
以前、パパンが神殿の出納部門に押しかけたが、けんもほろろと門前払いされたそうだ。
城の鑑査室にも手を回したのか、国からの援助金も今の今迄監査も行われずにいたのも、今思えばびっくりな話だ。それがまかり通っていた事がね。
当然パパンは鑑査室からも門前払いだったんだけどね。
現状を訴えても何もしなかった。
国の救済を待っていたら、子供達が餓死すると私財を投げ打って支援したのがパパンだ。
だからギリギリ子供達は命を繋いでいたが、どんなに頼んでも視察にも来ず放置していたのに、何やら儲けていると知った途端に押し掛けてきた神官に腹がたつ。そのセリフが
「売り上げを寄越せっ!」
えぇ〜巫山戯てるの?
パパンも苦々しい思いだろうが、不可侵の領域である神殿には貴族であっても意見出来ないんだって。
パパンに相談してきた院長先生も国にも神殿にも何度も訴えたが相手にされず、パパンにも神殿の神官長代理だっけ?その人は“貴族は金だけ出せば良い“という閉鎖的で高圧的で一方的な物言いで終わったそうだ。超偉そうね
神殿と国の監査の癒着の腐臭がするも何も出来ないって事は、宰相様も手が出せなかったってこと?
へ〜あの宰相様がねぇ。
そんな中、ラスクが王都で爆発的売り上げを叩き出してしまい、他の王都の孤児院からもお手伝いを出してもらい量産体制を整えて挑んだら更に売れたのよ。
現金が孤児院に入り出したのを、金の亡者が見逃すはずがなかったんだよね。
元々ラスクというお菓子がなかった事で物珍しいくて、美味しい菓子を子供達が作っていると人から人へとどんどん宣伝され、気付けば神殿に観光に来ていた人達は当然の如く、王都に仕事で来ていた人までが日持ちする美味い菓子だとお土産としてこぞって買うような大ヒット菓子となっていた。
元手の、パパンが出した準備金もあと少しで回収出来そうで、嬉しい事に各孤児院の子供達の食卓が少し華やかになったある日。
それは院にやって来たのさ…
*** ***
デカイ宝石を指が折れそうなくらい着けて、だらしない体を神官服で隠し(隠しきれて無いのだけど)威圧感を醸したおっさんと、神経質そうな細目に金縁の眼鏡をかけ、これまたカッコつけのキラキラな眼鏡のチェーンは純金?(重くないの?)更に金の宝石付腕輪(偉大なる女神の使徒として一生を殉ずるとかキモいセリフが書いてある神殿の高位神官のみがつけられるものらしい功績をあげると増えるそうな…)を、ご丁寧に両腕に付けた趣味の悪いおっさんが現れた。
でっぷりの方がベラベラと既得権とか神殿の許可なく神殿の名を使って販売しているのは神がお許しにはならないとか?イチャモンを子供達が居るのに院の庭で垂れ流す。それも酒焼けか?しゃがれた声でとても神の教えを説く声には聞こえん耳障りでザリザリだ。なんか臭いし。神官って風呂入らないのかな?
おっとそれより子供には聞かせたくない大人の事情ですな!皆んなこんな大人になっては駄目だよって例である。
それとコイツらの子供達を見る目が異常にキモかった。
特にでっぷりの方の男子の小児を見る目にはこっちの吐き気が止まらない程にキモイ。
危険を感じて院の先生方に、"神官だ"と言う男たちの視線から子供達の退避を頼んだ。院長他ここの職員は皆神殿から来ているから、ある意味突然の上司視察なんだろけど、文句も言わずにこちらの指示に従ってくれたのは、私と同じ系の危険を感じ取ってくれたからだね。多分それ正解だと思う。
視線を受けるだけで病気になりそうなキモさだわ、臭いし。
でっぷりの周辺ってどよんとしているでしょ?細身の方は黒いベトベトを
纏っていて兎に角近寄りたくない程の危険な感じがするの。
ラスクを作るのだって子供達の労働力があってこそなのよ。変態を近づけて病気になったらどうするの?
明日の糧を自分達で稼ぐぞ〜!と言うやる気に漲っている子供に危険は極力排除の方向でヨロですよ。
子供達が居なくなり少し冷静さを取り戻せたわ、よし。行けパパン!
「この孤児院の援助をしているガジュエ伯爵と申します。神殿からの援助も無く、ギリギリの所で明日の糧を自分達で稼いでいるのですが‥それを寄越せとおっしゃるのですか?なんなら収支をお見せしますが?」
パパンがキレ気味だけど冷静に文句をぶつければ、フンと相手にしてない態度である。
パパンも貴族なのにその態度か?神殿って、治外法権らしいけど、こいつ達ってそんなに偉いの?子供の飯の種をぶんどろうとしているおっさんが偉いの?
「品物は売れてはいるけど、実質経費を考えたら初期投資分まだまだ回収出来てなくて赤字なんですよ。子供達の日々の糧を全員分何とか買えるようになったばかりですがそれでも売り上げを取ると?」
私がそう伝え冷たい視線を送るが、ぶわっははと笑うだけで尊大な態度は変わらずとか、神職としてどうかと思う?品がなさすぎる。
本来あんたらがしなきゃいけない事をパパンがやってるの!
子供たちは草食って生きろってか?
オッサンの指にいくつも付けているエゲツなくでかい宝石の付いている指輪を一つでも売れば、孤児院の一月分の食料(いやもっとか?)が買えると思うけど? 提供する気は‥無いわな。
「失礼ですが伯爵、神殿の名を冠して物を売るならばちゃんと筋を通していただかないとなりませんなー」
いやいやまず筋通すのはそっちだよね?国からの援助金寄越せや。
ポッポしているのはそっちだろう?
それより神殿の名前なんて冠してないし!神殿の前で売ってるだけ!
神官は女神の御使だろが!
女神は民を大切に思っているのでしょ?だからみんな信仰するのでしょ?
民が困っている時に、耳を貸すことも手伝うことも無く、金も出さなかったくせに女神の守りし民を苦しめる使徒なんて聞いたことないぞ〜!
まずお前達が食う前に、小さな子供にその摂取カロリーのほんの一部でも施せよ。何十人も助かると思うけど?
たっぷんとした腹見ればどれだけカロリー摂取しているか想像できるぞメタボ!
私は心の中では罵詈雑言をぶっ放していた。




