持たざる者から搾取するの?
でっぷりは院の監督者の院長をニヘラと馬鹿にした笑いで見下してきた。
わかっているのだろうなお前!って感じ?脅し?パワハラじゃん。
どう言えば支援者のパパンとか、院に迷惑かけずに済むか考えていたんだけど、その視線が余りにバカにしたものだったので、子供達の事なんて何も考えていないのが丸わかりじゃん。 と怒りに震えるイグサです。
院長先生やパパンが沢山の人が、子供を助けるためにどうにかしようと必死なのに何コイツら‥当事者でなければならない奴らなのに何?子供たちが生きる為に頑張っている労働の賃金をハネるとかどういうこと?
私の沸点はご存知の通りかなり低い。そこにあまりの物言いだったので急速沸騰した。
『ヘンタイギゼンシャドモ イッカイホロビナ イカズチノテッツイ』
雷の鉄槌とか言っちゃったよ。
厨二病って言ったの誰?ほっといて!語彙が無いんだよ‥サンダーナントカの方が良かった?それこそ持ち合わせの語彙無いわ〜
まぁ彼らには私の言葉なんて通じなさそうだから、何を言っても同じみたいだけど。
クソどもにせめて一言ぶつけたかっただけなんで気にしないでください。
冷たい視線を送り、パパンの背後で小声でそれを口にした。小娘の私のことなど誰も気にしていないだろうと思っての私の発散法です。
晴天だった。いつもの事だが見事な天気で雲一つ無い晴天だった。
睨み合う険悪な空気が流れていなかったら、ピクニックにでも行こうかなんて言いたくなる心地よい小春日和的な(冬では無さげですが昨日は結構
肌寒かったから小春で良いよね?)まったりした昼前のひと時、
極悪なキモい神官の真上にいつのまにか白い閃光が走った。
それに気がついたのは接地寸前、空気を切り裂いたその瞬間。私は飛んだ。
ドババババーーン
ひぃーー!ビビったってば!ビビったってば!ビビったってば!
デカイ音に振動までピリピリと肌で感じるほど、何が起こった?
細い光の筋が幾重か目の前に見えたと思ったら、パキパキと空気が裂ける音がして辺りが真っ白になった。光が目に見えた一瞬、何も無い何も感じない時間があった‥
まだピリピリと肌が痺れる感触がして白いモヤが消えた後に、神官がさっきまで立って居た場所に黒く窪んだ箇所がいくつかあった。
「ビックリした〜」
雷が落ちたみたいだね。狙って落ちたみたいな?まだピリピリしてる。
あっ
「皆!大丈夫?」
「「大丈夫です」」
「だ、大丈夫です」
アンナちゃんは少し後ろで護衛の一人に抱き込まれていて、二人一斉に声がした。よし!良い護衛だね。
パパンも声が震えているけど身体的には何もゲガして無いね。
エリオット君は‥姿が見えないと思ったらお怪我は?と頭の上から声がする。上?
いつのまにかエリオット君に後ろからガッツリ抱き込まれてる私。
エリオット君のちょっと早い呼吸が私の髪の毛にかかり、バクバクの鼓動が背後から響いてきた。
私抱き込まれてる?いつの間に?
ちょ、超至近距離すぎてチョット恥ずかしいです。やだもう、照れる。
年下なのに中々‥しっかりしてて、頼れそうな筋肉だわ。最近また背が伸びたよね〜。
あ、大丈夫勘違いしてないよ。
守ってくれたんだよね。
「エリオット君、有難う」
テヘヘ。わかってはいるけど、なんか
久しぶりの人肌って事で恥ずかしい〜。
「お体は?」
「あーうん、私は大丈夫だよ。君は何ともない?パパン は?」
「はい。院の子達にも‥被害は無いようです。父も平気みたいです」
遠目で護衛の1人が園舎から手を上げ、こちらに合図をしてきたのが見えた。子供を退避させてくれた1人だね。付いていてくれたのか良かった。泣き声とか聞こえないから子供達は混乱してはいないか‥良かった。
院長は‥大丈夫か?パパンが咄嗟に院長を引っ張ってくれたみたい。
呆然として尻餅ついているけど‥お目々が見開いてますよー。
えっとゆっくりと此方を問う様に見つめてきても、私に今の雷の説明はできませんよ。
何でそんなに見つめてきます?
パパンも私を見て、雷の落ちた辺りを見てを繰り返しているわね。
私は余りに雷の近距離にいたからエリオット君が後ろに引っ張ってくれたらしい。すみませんねぇボーとしていて。それを思えば院長先生とパパンも近かったから耳とか大丈夫かな?
あっ、父より私を優先させてしまって申し訳ない事をしたわエリオット君。
「ごめんねお父さんの方を‥」
「何の事でしょうか?護衛として当然の事ですが?‥父もそれなりに自身を守る術は有してますので心配は要りません」
おう!それは失礼いたしました。バカにしたわけじゃ無いよ。心情的な事で気になったからなので…すみません。
*** ***
黒い煤の所、雷落ちた跡だよね?
直撃5発?いやもっとかな?たくさん破裂音がしたわ、凄かった〜。
この近距離で私、良く助かったわ。
地面も電気通すって聞いた事あるから危なかったよ…あれは雨が降った地面だっけか?
そんな事はいい、子供達は屋内に退避させていたのが幸いした。怖い思いをさせずに済んで良かったかな?でも音は大きかったからビックリはしたよね。しまったな〜
あれ?なんでしまったって思った?
ん?
今日晴天だから庭に植えた野菜を収穫しようと皆で出ていたんだよね?空に雷雲なんて全然無かった。
あーほら今も雲一つない綺麗な青い空だ。
今日も雨は降ってないよ、さっきの雷雲は何処に?
「あれ?居ない」
存在感ありありのデブい神官の姿が無かったので雷直撃で蒸発でもしたかと思ったら、孤児院の畑の肥料を作っている穴(腐葉土作ってます暖かだよ)に落ち、アチチと言いながらぼろぼろの服を脱ぎ飛び出してきた。カミナリのスパークで服が焼けたのか?で水槽と思って飛び込んだのがコンポストとかウケるー。更に熱い中に飛び込むとか(笑)
あっそっちはミミズちゃんのプールです。良い土作るんですよ〜、お出迎えはここち良かったですか?
あっミミズちゃんを潰さないで〜その子達凄く育ってて極太優良ミミズちゃんなんだから、潰す前にとっとと出てくれ。
ガガガ ガシャカシャン ヒヒーン
「ん?」
「なんだあれは」
細身の神官もなんとか馬車にたどり着き、仲間を置いて逃げ出した様だが、馬が暴れて繋ぎが外れ、その反動で馬車が傾き放り出された?
院の前の川に半分落ちた馬車、馬が興奮して跳ねてるよ。で細身は何処に‥あぁ川から這い上がってきたから生きてるね。助けは‥いいか!
馬の方が可哀想に怖かったね。
跳ねながら私の方へやってきたので、エリオット君が前に出てどーどーと声掛けて手綱を取ろうとするが其れを避けエリオット君にさえ威嚇の跳ねを喰らわそうとした。
真似っこして、落ち着けの意味で
どう!と私がひと声掛けたら跳ねるのをやめて、頭を下げでトボトボと近付いて頭をなすりつけてきた姿が可愛い過ぎるんだけど、どうしよう。
首をトントンしてあげるとブルルと大人しく、擦り寄り手綱を渡そうとしてきたんだけど、え?馬自ら、これ普通?普通なの?こっちの世界の馬ってこんな感じ?ボルゾイ君達の馬も君の様な感じだったけど、こちらの馬は人懐っこいのか?
馬の扱いはわからないのでエリオット君にヨロしたら、恨みがましくブルルルルとされた。私の方へ来ようとするので、エリオット君が引き止めたが、あー首でイヤイしてて可愛い!
「私、やることあるから待てる?」
「ブルルルル」
ん?答えた? ‥よし。
エリオット君、目が点になってるよ。その子押さえておいてね。
さてとこっちはどうしようか?
デブい神官は葉っぱまみれでミミズにこんにちはしながら自力で穴から這い出したけど、こっちをひと睨みしてぺっと唾を吐き出した。
「私を愚弄するとは神を恐れぬこの所業許すわけには行かないぞ」
え〜私何もしてないよね?
なんで私を睨んでそれ言うの?
ただ、一回滅びろって小声で言っただけで偶然雷が落ちただけでしょ?そんな態度神官としてどう?反省して無いね。私は神を愚弄してはいないよ、アンタにがっかりしてるだけ。
ならば
『ハンセイナイヨモウイッチョ』
バリンバリンと再び凄い音がして、また雷が落ちたようだ。アレは当たったな。
アヒィ〜とか叫んでホラ、ピクピクして倒れたぞ、生きてるかな?
うわっ、その汚いもの見せないようにしてもらえると有難いな。
粗末なモノが垂れ下がったデカイ贅肉腹なんか見せんじゃねぇ。こっちの目が腐るだろうが!脚を閉じろ!!
「誰かそこの枯葉こんもりと被せて隠して下さい、もしも子供の目に映ったら有害物ですので」
慌てて院長先生が枯葉をこんもりと被せて隠してくれました。よしと…
そして川の方向を見ると落ちたメガネでも探しているのか細神官がまだいた。なんか気持ち悪いの纏ってるよほら、何だろうあれは《強欲》って言うモヤかな?
コイツも貴金属身体にいっぱいつけているし、水分添付しちゃったから、電気とは相性が良いよね。左の腕輪から右の腕輪に
『セイショクシャタランゴウヨクシャト タミヲクルシメルアホウハクラエ ミタビノテッツイ』
なんてな!
決め台詞っぽい!ヨッ厨二‼︎
ドドドドーン バキバキ ドーン
あっ
まじで落ちた‥凄いタイミングだわ〜
あれ?神官のモヤが無くなっている。あ〜倒れた…生きて…いた。腹が上下しているから呼吸はしてると。
「ワオっ盛大だねー。あっ城方面でも光ってないかい?それとあっちは何があったっけ?豪勢に稲光っている所があるけど綺麗だね〜。あっあれって神殿の方向じゃないかい?」
パパン呑気だね!
もう動じてないね。さっきは目が点になっていたのに楽しそうなんだけど。リカバー早いなこの人。




