町興しならぬ院興し
孤児院の子供たちのひもじさはラスクを持っていった時のガツガツ感でもわかったけど、いかんせんパン自体を食べれないのが痛い所である。主食が無いのだから!あっどうもお悩み中のイグサです。
所詮ラスクは菓子で、カサカサの軽い物だ、腹一杯にはならない。
カロリーは有るけどね。
神の信徒である神官が国のと言うかこの世界の次代(子供達)を助けないのはこれいかに?
国の最高権力者が弱者を助けないこともコレいかに?
何の地位もカネもない私に何ができるのでしょうか?私は異世界から呼ばれて来ただけの只の客‥でもないな、オマケ・異分子‥邪魔者‥どこの馬の骨ですよ。なんの力も権力もありません。
確か宰相様の所にあった書類には‥
「神殿も国もかなりの援助金を出しているのになんで困窮してる‥ですか?」
「んー困窮‥そうなんですよ。なんでかな?」
のほほんと言っちゃうパパンだけど目が笑ってないですね。おや?知ってるくせに私に考えろとおっしゃってますか?目が悪戯企んでるガキの様(あっ失礼)ですが、部外者もいいとこな私なのにヒントもなしですか?
宰相様の書類にはたしか、最近一部の層からの寄進が神殿に集まりすぎる?とか、国から一旦神殿に渡る支援金の使い道が不明瞭とか書いてあったような‥それが孤児院の金か?走り書きされたものだから内容をガッツリは見れなかったんだよね。でも関係あるかな
神殿が私の世界の宗教団体あるあるならば、集まる金は恵まれない人へ還元されるなんて‥無いだろうな。そんなの当たり前だろうって?
つまりそういう事なのかな?
パパンは苦しい台所事情の孤児院の事を悩んでいる時に、土産としてエリオット君が持ち帰ったラスクに出会い、息子である彼から護衛対象である私の話を聞いたそうだ。話せる事は人となり?隠されてる人なんで容姿や名前は伏せられているがパパンが興味を持ったのは私の行いで、見慣れない菓子を孤児に与えた事に大変興味を惹かれたのは当然の流れ‥?
エリオット君、私の事何と言ったのかな?
一応私の存在ってマル秘なのに、エリオット君ったら、家族にリークしたね。本当は何も話してはいけないらしいのに…
普通の貴族のお坊ちゃんかと思ったら孤児院にラスクを持って行かせる案を出すとか、親を私に会わせるとか中々やるわね。
そういえば商人の伝手も持っているんだった。(バンダナもカチューシャもバカ売れで未だちゃんとお金が私に届くのよ。現金でありがたいことです)
まぁこんな謀ならば巻き込まれてみても良いけどね。で、パパンの提案は?
「私が作ったラスクを孤児院で作って売る?」
そんな事が可能か?というモノだった。
どんな難しい事を頼まれるかと思ったけど、でもその前に食糧としてパンを届ける方が先じゃ無い?
「勿論、食糧としてのパンも欲しいですが、不味くて廃棄するパンなのですよね?」
あっ!それも話してるのか!
通常食としては不適切だった、だからラスクに加工したんだけどね。
私が孤児達にラスクの作りかたを教え、それを街で売る事が出来ればとの事だ。
もちろん宰相様の許可を貰って責任者はあくまでパパンで、私が表立っては無理なのは知っているとの事でした。
初期投資はパパンがしてくれるそうで
販売の手続きやパン以外の材料は準備するとの事。一番面倒なパン作りは城のパンだし、廃棄分を横流しですから、一応タダ。
えぇ、横流品ですしね。
パパンは売れた分から食料を買い、残った分を初期投資分として回収してもらうという事にすればいけるか?
ザル勘定ではあるけどやってみなければどうなるかなんてわからない。
国側の宰相様はGOらしい。園側はどう思っているかの確認為にラスクの配達に同行して話をしに行くと(これには外出許可がおりたよ)それで私に面会に来たのは既に宰相様と話がついていたからなのね)
今迄もかなりパパンには援助してもらったしこれ以上は心苦しいと、院長先生がパパンに申し訳ない気持ちしか無いと我神の御使として情け無いと落涙で‥神殿側が何もしないのはよくわかった。
これはやるしか無さそうだね。
パパンのおうちも領地の出来高が振るわず結構火の車一歩手前らしいのに、(アンナちゃんの情報)子供を飢え死にさせるわけにはいかないと立ち上がった貴族だったそうだ。
院長は本来の所属先である神殿からの援助が芳しくない事の歯がゆさもあるのだろう。子供達の先行きが不安でたまらないと悔しそうだった。助ける筈の金が回らないのだものね‥。ご自分もガリガリで、漸く青白い顔に血が通った感じなんだけど‥(とりあえずラスクは絶対に食べてねと念を押す)
「だからこそ頑張りましょう、頼るのではなく自力で立ち上がれる様に。」
パパンはこのラスク販売の儲け回収分で子供の治療費や、院の修繕とかしちゃう気でいるのだとエリオット君から聞いた。我が家の懐に入れるつもりはありませんと胸を張って宣言されたわ。流石親子!
そう言えば、院の施設の隙間風が気になるとか言っていたからな‥。施設を整えれば、最低限風邪をひく子は減るだろうって?
パパンこそ真の貴族だな〜って思うわ。この世界で初めて真っ当な優しい大人にあった気がして嬉しいよ、(良い人でも腹黒だったり、クズはホントクズなやつばっかで)だから
「協力は惜しみません、いえ手伝わせて下さい。」
って言っちゃったよね。
それになんだか宰相様への話がスムーズ過ぎて、これは裏で何やら既に談合がされていたのではなんて感じる。パパンとの面談もすぐに決まったしね。
国の事業の一つであるはずの孤児院の件を一貴族であるパパンに何故にお任せなのか、気にはなるけど宰相様から今は聞くなって感じヒシヒシするので黙っておいてあげましょう。(これは絶対談合しているな)
国会的な貴族の集まりが機能していないって事だと勝手に推測(アンナちゃんによると、クイーンのせいで政務が滞り会議さえ開けていないとか)それと神殿に関してはこの国はチェック機能を要していない、いや全く無い。
ってか出来ないそうだ。
神様を祀る神殿治外法権とやらで守られていて、どの国であっても手出し出来ないとか‥やりたい放題か!それだけ信仰で国の中枢まで入り込んでいるんだね。恐ろしい…
しかしつくづくだな王様。
何か対策しようよ、また私に丸投げな冷気大魔王宰相様。
まぁそっちか動けないならばこちらで動くまで!丸投げしたんだから後から文句言わないでね〜
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ラスクで肝心な乾燥なんだけど、孤児院の中でも魔力のある子が居るか確認をと聞けば、二人ほど有しているので大丈夫だろうとの事だった。
居なかったらアンナちゃんが手伝いますと言ってくれたが、大丈夫そうね。
パパンはなるべく自力でって言っていたからね。
結構力使っちゃうみたいで、ラスク作りの初日は夜まで持たなくてアンナちゃんは夕食前に寝ちゃったのよね。
倒れたとも言うか?
(あの時は量がかなりあったから、飛ばしすぎたと反省してます。いい気になって連続で作った私のせいです。
めちゃ反省してます。)
なのでアンナちゃんには後でプリンを作ってあげました。材料は勿論お城の厨房から掻っ払い(コホン)頂きました。今迄の私の平民食の件はまだ片付いてはいないのですよ。私に使われるはずだった材料代としての後払いだコノヤロ〜ってつもりで罪悪感を吹っ飛ばして勝手に使っています。
この件でアンナちゃんに頼りすぎるのは違うなと思っていたので、孤児院での魔力は自給自足でできそうなので安心しました。




