下準備
私の部屋がある邸は城の離れみたいな所なので人は来ないし、無駄にダダ広い城の敷地だから匂いが漏れる心配も無いだろう。(人がきたら来たで多分外の警護さんがのしてくれる‥よね?)そんな所に住んでいるイグサです。
パンは固くて粉の風味もバターの香りも何もないボソボソの不味いパン。更に数日不衛生な場所で放置した様なまずさでやはりこのまま配布は出来ない状態だった。
エリオット君とアンナちゃんはパン廃棄の発見時、ガンとして私がこのパンを試食するのを良しとしてくれず、たべられなかったんだよね。
またもや今回もダメって言われて荷を運ぶのも再度の試食も遠くから見守るとかさせられました。
作業するのは私だから触れないのは無理だし、多分何時も食べているパンだから今更なんだけどな。
それにこんな大量のパンを置く場所が無いでしょ?(倉庫にでも隠して置いてあったかな?)場所無いから即廃棄の筈。昨日焼いたもので古い物では無い、最悪一昨日の物だと思うし。袋もできたパンを各棟に運ぶ用のものだからまぁまぁ綺麗?
二人の味見の感想を聞いて顔を見れば今回も間違いなく不味いというのは十分わかりました。
そんな物に何かを加えただけで美味しくなるかといえば、私もわからない。
不安は残るがとにかくやってみよう。あ、勿論二人には試食後即座に問答無用で赤粒薬を飲んでもらいました。
問題ないでしょ、と言っても絶対は無いからね。保管時にネズミがかじっているかもしれないから一応の保全は取らせてよ。
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パンをゲットする前日、大量のパンを切って乾燥するのは作業場がいるので使える物件なのかを下見するべく3人で屋敷内の探索をした。
元々私のあてがわれた住居棟は、数十年も前の後宮に入れない身分の低い側女さん達が居た棟なんだって。
現在、王様は3人迄は妻を持つ事が出来るらしいが(正妃と側妃×2)
数十年か前の女狂いの王様が後宮にさえ入りきらない程に、際限なく城に女を入れ、側女を入れる棟を慌てて用意したそうです、大奥だねー。
で、人が増えれば風紀が乱れに乱れ(殺しとか喧嘩とか盗みとか茶飯事だったて)側女は廃止となり妻は貴族以上の地位の者3人までと決まったそうだ。
側女とはこの世界では貴族位以下の者をさすそうで、視察と称して城外で娼婦でも踊り子でも農民でも、気に入れば城へ連れ去り(連れ去るって国のトップがする事か?と呆れた)飽いたら放置で、愛なんて無くて欲だけのワガママ王だったとか…?ただのエロジジイだったのは間違いない。
中には隣国の暗殺者もいたし、病気持ちだったりとか、王が来ないならと騎士を取り込もうとする人もいて、収拾がつかなくなったので側女廃止になったらしい。あと二つ程側女を押し込んでいた棟があるとか(ここでも20程部屋があるから×3棟分すげ〜人数だわ)
そんなお盛んな王様の末路は閨で刺されて死んだんだって。ほっといてもあっち系の病でお亡くなりにになる寸前だったとか。らしいっちゃらしい最後よね。
因みに、この王には子が一人も出来ず後を継いだのが、王の腹違いの弟(こちらは側姫様腹)ここから側女廃止になったんだって。女狂いではない人を選んだのかもね。
王様は病気だからなのか、種無しだからかわからないけど、王家に不穏な種を残さない系の何かが働いたのか?女性が沢山いたのに誰一人子はなさなかったそうだ。しかも本人も暗殺されてるわけだし、何かが動いた感じするね。それ歴史として残っているのもどう?はっきりではないけど行間から読み取れるよね。穢れた血を排除しましたテイなのがね。
そんな女の園であった私の住居。
続き棟の奥にある建物は今は倉庫に見えるが元々は厨房だった。
昔は何人もの側女さんのご飯を作っていた場所らしいく、施設的にはとても立派なものなのだけど、今や埃に蜘蛛の巣的なものに覆われて見る影もないと言った感じ。
調理器具やオーブンが有る厨房と食材を保管する保管庫も有るそうだとアンナちゃんに案内されたが、煉瓦作りの建物に入ると凄い埃でくしゃみが止まらないし、鼻がムズムズする〜まっ黒ク◯スケが出てきそうなゴミ屋敷の様だ
「パンの運び入れと調理作業をするのはまず掃除しないとね、何日掛かるんだこれ、いや何ヶ月って感じか?」
パンより先にこっちの掃除だったよ。さて何処から手を付けるかと考えていると、私達は急に外に出され’’待て’’をされ、エリオット君一人が再び部屋に入ってしまった。
暫くして中に呼ばれ入ると
「あら?空気が綺麗になってる、換気してくれたの?窓開いてないけど、何で?え?埃も無いけど」
「浄化しておきました。」
「浄化?埃臭かったのに何これ?清々しい〜埃無いしクシャミ出ないよ。浄化ってどうやって?」
空気洗浄機などこの国には無い筈なのに、掃除機の音もしなかったし‥短時間でキレイだよ。何が起きたの?と問うてもニッコリ笑うだけとかないわ〜教えてよ。
「す、すごいです‥」
「ん?」
アンナちゃんが驚きと、ちょっと嫉妬している?
憧れとか羨望じゃなくてこんな事出来るんだ、私より上か!チッ的な表情でエリオット君を見ているけどやっぱりこれ凄いんだね。
エリオット君は中々のお力持ちということかい?
これ‥
浄化作業が終わってしまったので塵一つ落ちてないとかありか?
がっつり大掃除的な作業する覚悟していたのに、調理器具は箱から出して洗うだけですぐ使えそうだし、直ぐにでもラスク作りに取りかかれそうじゃない?
そうだ自分の住んでいた所なんだからあるってわかっていたらこの厨房で自炊できたじゃんね?(明日にでも城の厨房から材料かっぱらってきて自炊しようか?そろそろバレないかな?)
*** ***
パンを貰うのには宰相様の確認書を貰っているので堂々と厨房で引き取りでも良いのだけど、ここはこっそり貰
べきと思っていた。
内密になんて指示は出てないけど、厨房側が何処まで腐っているかを確認するにはその方が良いと判断しての事。
悪行はトップだけと私は踏んでいるのだけど、補佐している誰かにチクられたら面倒だし、パン以外の物はこっそり強奪よね!
とりあえずのバターと砂糖は掻っ払って来なきゃと思っていたら、何故だか私の部屋に届いていた。
流血も無くパンも材料も案外あっさりと手には入ったのは拍子抜けではあるけど、宰相様の指示?あの人には欲しいもの言った記憶が無いが‥聞かれたのはエリオット君だったけど‥まっ良いか。彼が用意してくれたと思って使いましょう。
*** ***
「エリオット様は浄化のお力が凄いのですね」
「あ〜これだけは得意なんですよ。浄化は騎士には必須でして」
「必須?」
「武具やら靴やら大汗かいて直ぐ臭くなるで…毎日細々と自室迄も浄化をしていれば自然と経験値が上がります。隊長は訓練の運動棟の全浄化をされますよ」
「え?あの大きな建物のですか?」
「下男を入れることが出来ないので」
「あ〜機密保持とか?」
「はい。なので騎士棟全体の掃除は騎士の仕事だったのですが元々やったこ
とが無い子息ばかりでまともな掃除がなされなかった為に酷いことになった時期がありまして…身の回りや自分自身の浄化は各自で、建物内は力が無いと出来ないので隊長職の者が分担する事になっています。戦時になった場合もこれが出来ると出来ないではかなり違いますのでその訓練でもありますが」
「戦時…そうですね。怪我人を浄化出来へば生存確率が上がると聞いたことがあります。隊長ともなると広域高等浄化は必須となるわけですね」
「え?まぁそうなりますね。ってそれだけではありませんが」
「わかっております。ですが、エリオット様はかなりお上手なので隊長になる素地は十分ですね」
「いや…それは…褒められたということで良いのだろうか?」
「勿論です」
ふふふこんなに二人が話しているのを初めて見た様な気がします
ふふふ‥良いね若いって




