↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/64

ゲットだぜ"

あたりを伺う不自然な態度を見咎める者はおらず、大きな荷車は森の奥へと向かうべく方向を変えしばらく進む。

今だ!!人目はもう気にしないで良い場所だ。

どうも尾行中のイグサです。




さてとそろそろ行こうかね。

こっそり接近して、荷車を曳く馬に素早く乗り込み手綱を奪いニッコリと微笑む。


「おわっ」

「それ捨てるくらいなら、そのパンが欲しいのだけど、これからもず〜と上の人には内緒で貰って良い?」

「ひいいい」

「やっ、うそ‥大丈夫?」


馭者台にどかりと乗り込み下男に頂戴と頼めば(脅してるとか言わないで)馭者台から崩れ落ち、ガタガタと震えだすからこっちがびびったわ。物取りでは無いのよ‥いや荷は貰うけどね。

口を閉じた袋の中身を知っている事、捨てていた事を知られているなら歯向かうなど何もなく、呆気なくパンを貰えました。


最終的には宰相様の印籠(命令書)を高らかに宣言しようと思っていたのにオモロくないわ。こうくるくるしてある書面をジャーンと開いて


“ひかえおろう〜っ”って


一度言ってみたかったのに。


下男さんにこれは内緒だよ、喋ったら〜わかるよね?とチョット悪っぽく言えば汗だくで激しく首を縦に降るので、私そんなに怖い?

とアンナちゃんに聞くと微妙な作り笑いだし…

ちょっとショックだわ〜


まだ激しく頷いている下男さんにムチウチになるよと注意しそうになって私の背後を見て今度は横に首を振るのは何故さ…恐怖する下男さん?

ふっとエリオット君に視線を送る。

殺気が漏れ出ててひゃっと冷たくて怖すぎるから平民に威圧出したら死んじゃうよ〜


「ステイ‥エリッ」


おっと名はまずいな。

今日は皆お揃いのフード付きコートで身分のわかる様な服を隠しているのに

エリオット君の伊達に騎士やってませんからねの威圧が凄いのがわかったし頼もしいが‥今は怖すぎだわ。これだけ脅せば大丈夫じゃない?多分、上から命令されただけの下男さんだしね。口止めの一言をこれ以上言わなくとも大丈夫そうよ。


「あなたには約束をしてもらいます。これの廃棄を貴方に命じた者に何も言わない事、今後この廃棄物を持ってくるのはこの捨て場所ではなくてあの先にある離れの旧側妃の住居棟です。守らないときは‥わかりますね。出来ますか?」


アンナちゃん貴方、お貴族のお嬢様よね?私のセリフを言っちゃったよ。

下男さんはまた激しく首を縦に頷いた。そして私の背後にまた視線がいって顳顬から玉の様な汗が流れ落ちたけどそれ冷汗かしら?緊張の汗よね?

エリオット君がよっぽど怖いのね。

え?アンナちゃんにも視線を送ってガクガク震えてますが‥


貴族のお嬢が脅しちゃダメ!


また大きく頷きそそくさと逃げるように去ろうとする下男の背に、今日は調理場の裏に荷車戻しておくね〜と伝え、早速私が住んでいる住居棟へと荷を運んだ。


パン、ゲットだぜ〜。


彼も自分のしている事に後ろめたさがあったのだろうか?ならば穴に捨てずにこそっと街にいる子供達にあげるとかしてくれても…まぁ不味いものをあげても喜ばないか。

でも生きたい子は不味いパンでも、ネズミを食べるよりかマシだったと思うと‥いや今は文句より行動だね。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。