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閑話 2


"隠せばいいだろうが!"


この国の女性は長髪命で、未婚は腰まで既婚者は背中まで伸ばしてまとめ髪しているのがスタンダード。(平民は未婚既婚共に肩より少し長いくらい)だから私のようなガッツリ耳や襟足が見えちゃうショートカット は女として論外で、罪人か病人か修道女しかショートにしないらしい。

王子が私を疎外したのはそれもあったんだろうね。

罪人とか思われたのかな?自分の国の常識を当てはめるなって言いたいよね。この世界に私の世界のおばちゃん達呼ばれたらそりゃ大変!ショート率高いよ〜

年齢制限?あー

(高校生も部活命の子はショート率高いよね?種類による?まぁそうだけど球技は短髪率高いじゃん!)


こちらは、男でも貴族は肩より長いのが当たり前で騎士といえど後ろリボンで一本結びしてんだよ。

(あー武士も長髪だわ、チョンマゲだ、アレも所謂一本結びじゃん、ひっつめて折り曲げて頭に乗せてるけど 戦の時はパサリと下ろしてロングだよね、天辺ハゲにしてんのに態々長髪なんて誰が考えたんだよめんどくさ〜笑 )


皆が此方をジロジロ見ていたわけだ。

理由がわかってスッキリしたが、この国の常識では短髪は訳あり女(私を見て病人とは思わないでしょうから罪人?)な訳で、知りもしないのに勝手に決めつけて陰口叩かれるのも疲れるのよね〜

何故そこで神に支えるシスターと思わないのかね?失礼よね、ほんと。


で、そんな視線が面倒なので、アンナちゃんに伸縮性のある布を用意してもらった。

部屋にあった鉄だかわからないのだけど、金属で出来た櫛(男性用みたいな平べったい櫛)をしならせてみたら私でも曲げられそうだったので、ひん曲げてカチューシャの様にしたら跳ね戻らず、曲げたそのままだった。

ラッキー

その櫛に布を縫い付け後頭部まで隠せる位の布の長さで、その端を緩く縫い絞ってギャザーを入れてみたらあら不思議!後頭部を髪ごと布で覆い隠せるヘアアクセになった!裾を絞った簡易ほっかむりなんだけどね。

何年か前に日本で流行った物を参考にしたけど、こっちでも変では無いとアンナちゃんに確認済み。


何せ私は縛るほど髪の長さがないから、隠すくらいしか思いつかなかったの。普通にバンダナを被るのも考えたけど襟足がヒラヒラ見えちゃうんだよ。すこし布を大きくして全体を隠すように裾を絞ればあら!女性らしいシルエットになったよ。ネットにすれば中世の女性たちが付けていたヘッドカバー?ぽい。


ゴムが有れば伸縮性を利用して毛先を簡単に覆ってしまえるのだけど、流石にミニ裁縫セットは持っているがパンツゴムも無きゃ髪ゴムももって無かった(私必要無かったので‥)

で、裾をギャザーを寄せて絞り、袋状にしそこに髪が有りますと見せる為のボリュームのカモフラージュ用の軽い布をその中に納めれば、髪を纏めていると見えておかしくは無いはず。櫛部が留め具となってずり落ちはしないだろう。

見た目は食品加工している工場の人が被る髪の毛落下防止の帽子に近いが(帽子にメッシュ袋付の物)後ろ髪を出さない様に見せるならこれが限界かな?

せめて布を服に合わせて可愛らしさや目立たないモノとかアレンジでもしましょうと思ったので幾つか作った。

付け三つ編みを左右に付ければ可愛いぞ。こんなの売っていたな〜とか思い出しながら作っていたら楽しくなったので数パターン作りました。


髪を隠す目的で作ったのだけど、下女さんや下位の貴族お嬢様侍女さんに何故か受けて作りかたを聞かれたりしました。私ではなくアンナちゃんが。

捕まっては根ほり葉ほりね。

髪を扱うのは侍女だからアレンジの一つと思ったかのかな?

ただのまとめ髪より布次第で遊べるので服とコーデしたり、簡単に付け替える事が出来る。付け三つ編みが面倒なまとめ髪をしなくとも体裁が良い等で女子の心を掴んだみたい。お洒落はどの世界も女の子の興味をガッツリ掴むよね。


目から鱗だったのは、一日中引っ詰め髪で頭痛の人も結構いるんだって毛量があるし重さもあるからだろうね。

あと生え際が後退したとかで、緩く纏めても下品にならないで見えるとか、纏めるのが簡単な事とか。それで凄い勢いで噂が広まっちゃったらしい。


皆さん実は朝一で髪を綺麗に纏めるのが面倒だったのもあるらしく、これつけたらまとめ髪の処理を気にしないでいいものね。一本結びも布で覆い被せちゃうからね。

で是非欲しいとアンナちゃんが追いかけまわされたので、男性用櫛と好みの布を用意してきた人にはアンナちゃんが作り方を説明してとりあえずは治った。(作った人が次から次と教え回った様です)


でもカチューシャ部が当たって痛くなる人も居て100均で買った、出来てるバンダナ(バンダナ三角巾の形に出来上がってて襟足あたりでひと結びする物)バージョンも作って、布を大きめにし後頭部は勿論ギャザー寄せて髪を包むのは一緒で、襟足辺りを布で縛るだけ、締める加減が出来るとこれも引き合いが凄かった。

こちらはあらかじめ布を縫う場所が増えるので縫い方をアンナちゃんに教え、また皆様に伝えてもらう事にした。


これなら男性も使えるなとお世話になった優しい下男さんにバンダナ三角巾バージョンをさしあげたら、仕事時に髪が汚れない(掃除してるとクモの巣やら枯れ枝・葉・埃被る・汗も吸い取る)便利さと、布次第でオシャレが出来ると下男さんの息子さんとかの若い子も感じてくれたらしく、作ってくれと頼まれて渡すと街でも欲しいと下男さんの息子さんを見かけた商人の友達から話が舞い込んだらしい。

何故だかエリオット君がこの話は俺がやりますと窓口になってくれた。


私外部の人と会えないし、商人さんが男性だからだね、悪いことされても女だと馬鹿にされて犯罪に遭う確率も結構あるらしいので有難いです。私は矢面に立たない、いや立てない?からね。


契約とか作り方の登録用?カチューシャもついでにとか何やら色々書かされたけど面倒な所は全部警護のお休みの時にエリオット君がやってくれたみたい。私はサンプル作りだけ。

なのでアンナちゃんとエリオット君には後でクッキーでも作ってお部屋で食べてもらおうかと思ってます。アンナちゃんも追いかけ回されて大変だったしね。


予想外の人気でバンダナもカチューシャもかなり売れた…らしい。

髪飾りと言ったら宝石やリボンだけのこの世界で、何か出来るかもなんてムラっけ出してマジェステ付きシニヨンも同時に提案して作ったの!

編み込んだ髪がほつれてくるし、毎日編み込む時間が掛かって腕が疲れるのが悩みだとアンナちゃんが前に言っていて、実はカチューシャ付きほっかむりは城では中に何が隠されているか分からないからとかで禁止になっちゃったんだよね。で元に戻った侍女さん達はまた朝も早いうちから自分の編み込みに時間をかける事になったのよ。

ならばシニヨンの中に入れちゃえばほつれても気にしないで居られるよと。言ったが最後是非と言われて作ってみた。 

バレッタは流石に作れなかったので木を用意してもらって型通りに切ってもらい平べったい楕円の穴あき板と箸のような棒を作り、ヤスリを掛けて板にあらかじめ付けていた穴にレースで作ったネットを縫付けた。

アンナちゃんの髪を三つ編みにしてクルクル纏めて止めマジェステで留める。布で見えないのがよくないならネットだよね。(レース編みはこちらにもあったのでこれ位の大きさの網目の粗いレース編み黒色の糸で作ってとアンナちゃんに依頼したもの)ネットに髪を入れたらスッキリ見えるぞ!

そもそも髪を纏めていたら飴でも小型ナイフ位でも仕込むの出来るよ?カチューシャで無くてもいろいろ仕込めるじゃん‥まぁ細かい事は言わないよ。言いがかりなんだろうけどさ。


で、飾りは地味に(城内では派手な飾りは付けられない)黒塗りにしたがニスぽい物はこちらにもあったのでそれを塗ってテリを出したら結構高級感が出た。

その試作を付けたアンナちゃんはその日に侍女どころか女官さんにまで捕まり、何処で買った誰が作った?とそりゃ〜怖い目で問い詰められたそうだ。なんとかその包囲網をかい潜り逃げ出してきたそうだがあれだけ動いたのに髪が乱れていないとアンナちゃんの感想も上々で(いやどんだけ動いたの?)直すのも簡単だと好評を得られた。


で版権(私の発案ではないけど世界違うからいいかな〜って)を貰えるようにと何故かエリオット君が再び動いてくれて、ちゃんとした商店で委託販売となりました。城の外なら板部を金属にしたり安い宝石つけたり派手に作れたのでお陰様で少しばかりの現金が更に手に入ることになりました。

特に貴族のお屋敷の侍女さん達にはマジェステシニヨンはバカ売れで、どこのお屋敷でも見かける様になり、とうとう城の侍女にも採用されて統一デザインの要請が商会に来たらしい。でも棒がね武器になり得るとの事で他のアイデアが無いかって言われまして‥


バレッタしか思いつかん!


そんな状態だったので、こちらの金属で出来そうだと商会の人には聞いたので設計図出したらなんと貴金属を作る職人に作ってもらえました。有名な職人さんらしいです。

なのでちょい割高になりましたが、統一のお仕着せの付属品として城の侍女さん全てが付ける事になったのです。(アンナちゃんもね)貴金属では無いけどそれなりにお高い金属素材なのに許可が出たのね〜

バレッタがかなり精巧だったのが決め手?宰相様のサインが貰えたのは絶対それだろうって思う。機械オタクめ…絶対一個は自分のために手に入れるつもりだよ…あの長い髪をバレッタでとか思うと腹抱えて笑える。

でも彼は私がその設計をした事を知らないのよ〜

商会通しているから私の事はバレてないのさ。


その後女官さんも依頼が来たので今度は純度がもう少し高い金細工の高級素材と高級レースでバレッタ付きレースシニョンとして納品してもらいました。職人さんはこの仕事が来てとても喜んだそうです。本来の細工師の仕事っぽいものね。

後から聞いたのだけど来訪していた他国の王族がいたく気に入り、奥様が欲しいとと言っているとの事で土産としてつくれと言われ商会側も慌てて純度高い金でバレッタを作り納めたらしい。これこそ職人さんは両手で喜んで気合い入れて作ったそうだ。その後商会に大量注文がその国から来たのはもう少し後の話。

私の懐がかなり肥えたのも後の話。


***  ***


城のお仕着せの侍女服は何処所属でも同じもので正に統一制服だったのだが、(女官とは服の区別がある)髪を包む布の色を変える事で部署を分かるようにしたらと思い城の注文書にはその旨指示を出していたのだけど、ことのほか事務官さん達の好評を得たと宰相様から商会の会頭さんが言われたそうだ。


侍女は城を行き交うので見当違いの部署の侍女に何かしらの依頼をしてしまうと時間が掛かるし、依頼の内容が為されない事が多かったらしい。


実際事務官さんが頼んでくれたお茶がいつまでたっても来ないって事が頻繁にあって私の茶だから?とか卑屈になっていたんだけど、よくある事で私のせいでは無いと宰相様から言われたのが何か区別できるようにすればいいのにと思ったのがきっかけ。

これは効率が悪いと思ったので色別を提案した。

皆同じお仕着せなのでやってほしい仕事を頼むのにシニヨンの色で区別できたら楽だよね?見て直ぐ目当ての部署所属の侍女だとわかりスムーズに事が運ぶことから大いに城の侍従さんたちや使用人に受け入れられた。


騎士様方と同じよ。

制服の色で所属が分かるのは便利でしょ?本当はお仕着せの袖でも色変えたら?と言ったのだけど服の変更は金かかると言われて却下だった。ならタイとかチョーカーとかでと思ったが仕事中は邪魔になるそうで却下だった。

網シニョンもバレッタもお高いのにって言ったら一度作れば付ける人の体のサイズ関係なく使い続けるから初期投資を考えてもいける!との事だった。まぁお仕着せと言ってもかなりのサイズがあるし動くし汚れやすいしで、交換期間はかなり短いらしい。それに対してバレッタは中々の耐久性あるからこの提案はすんなりと受理され納品に至った。


こんなに流行っているのに私がバレッタ・シニヨンを作ったことは知られていない。

でもお金は私に入ってくるのでありがたい事です。

エリオット君は甘いお顔の貴族のボンなのにご商売上手とは恐れ入ったゼィ。

城に出入りする商会さんと懇意な19歳‥凄いね。商会には謎のデザイナーとして私の事は隠してくれているとの事そんな配慮も出来るのよ、彼は!


この世界での初現金は大切にしないとね、いつ此処から追い出されるかわからない不安はいつもつきまとってはいる。いつでも一人で生きていけるように備えるのは大事だからこれは暫くはいけるかも。資金作りの良い手が出来たわ。次は何を作ろうかねぇ〜。


そう言えば慰謝料的な宰相様とか馬鹿の給与の何分の1とかの支払いは未だに私の手元にはありませんので、アレも嘘なんだと、搾取されたのだと思っています。この国は偉い人ほど搾取するのね。ほんと嘘ばっかな国だよ。

だから、手元現金は大事!すごく大事


そんなこんなで私のなんちゃってほっかむりも街で良く売れた。まとめ髪が楽で平民に大人気!ここにも現金収入だよ。そしてちょっとおしゃな金持ちにはマジェステやバレッタが売れている。


男子にはリボン結びであってもパラリと垂れてくる髪が邪魔になっていたがバンダナすればスッキリ収まるとなったらしく(頭に引っ掛けて縛るから髪が解けにくい)こちらも売れ行きが良い。

そのおかげで私が何を被っていても変ではなくなったくらいには流行ったので、何が功をそうするかわからないねー。

私はこれで稼いだ系のサクセス本でも出そうかしらとか思っちゃったわ。まず宰相様に止められるだろうけどね。


宰相様も私の変化にほーって薄い感慨はあったみたいだけど、それで終わったわ。興味ないよね。


それより侍女達のバレッタで次は女官のバレッタだ!やれ他国のお姫様の土産用の金のバレッタ用意だ〜と忙しそうで気にもされていなかったともいう。どんだけ気にされて無いんだよ。わたしはそのバレッタの製作者だよ。それより寄越せ私の慰謝料ーーー



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