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パンは美味しい方が良いな

次の章となります

宜しくお願いします

"無駄な廃棄は許しません"


先日の菓子作りで城の料理人さんと仲良くなり、日頃の城飯からは見たこともない食材を料理本や実物で色々教えてくれた。


此方の超高級材料は、希少動物らしく王族でさえ年一回口に出来ればラッキーと言われるポルル!

その形態は私にはただの模様が白黒の牛模様パンダともいうのでっかい豚…にしか見えなかったけど。

逆にこちらの定番肉はカウビーという肉の味は牛で、見た目大きな黒いカバどう見てもカバ。そしてダチョウをもう少し大きくした様なのは味が鶏肉のブート。(首が長いのでそこの肉が美味いらしい、さえずりってやつ?いやこっちの言い方は知らんけど)

見た目牛なのは乳牛のみらしいって

いうか居るんだ牛!

それはダージーといって茶牛なんだって。乳牛と食肉になるカウビーは別モノなんだよ!ライオンと猫な感じ、同じ種目だけど進化が違う的な?らしいわ。方や食肉方や乳だけ搾取される可哀想な進化だけどね。


私の世界と姿形が同じものがあったり違ったりで、特にある料理人さんの出身地にいる蜂蜜の話しはびっくりした。


蜂はビンビーという。極デカで鴨位の大きさ(羽を広げた大きさほぼ鴨と同じ)形は私の世界と同じだが、針で此方を攻撃はしないで人を見ると逃げるくらい臆病。巣に蜂蜜は無くて蜂本体に蜜袋と言うものがあって花から得た蜜を袋に貯める(人に捕まると蜜を絞り取られるので人を見ると逃げるらしいが、やはり針は攻撃用ではあるらしいが滅多に刺さないらしいので退化し始めていて蜂の体に比べてちっさいらしい)因みに蜜を搾り取られても死なないので、取り放題(笑)採取方法は、毒ヘビの牙から毒を出すみたいな??首根っこ押さえて蜜袋を容器に当て袋に針穴開けて蜜を押し出すらしい。蜂側は皮膚が変化してできた蜜袋(喉あたりにある)から蜜を直接吸収するそうで、人に蜜を取られても後に花から蜜を吸えばいいのでそうそうは死なない。採取用の穴も直ぐにふさがるんだってさ(なんか針を刺しても潰れない風船とか想像しちゃったよ)

だから一応共存できていて、一家に10匹ほど飼っていて細々と蜂蜜を売ってそれを生計にしている人もいる。

うわっ養蜂家だー!いるんだー家で鶏を放し飼いして玉子売ってます的な?

勿論野生のビンビーもいて空気と水が綺麗な所にいるらしい。この王都でも少し街中から離れた農村に差し掛かるあたりには幼いビンビーを体の小ささを利用して受粉作業をさせている人もいるらしい。まさに養蜂家だわ。


そんな話しでビックリしたりと盛り上がった。異世界動植物アルアルは楽しかった〜。


話してみないと得られない事柄もあるね〜。珍しい動植物はまだまだいそう

で、人と会話するのも大事だわね。それが楽しいとまた今度も話したいと思える。


今日は、何故城の厨房にいるかというと先日の厨房を使用させてもらった礼として昼の賄いを私が作って皆で食べようと思ったの。天板とか洗い物とかやってもらっていたのと、もう少しこちらの料理事情を知りたかったからが本心だけどね。


コチラのイースト菌とかは料理長が管理してて使わせてはもらえないそうでピザは断念したが、小麦は使えたのでネギと牛乳で簡単ホワイトソースを作り、トマトのような見た目で中身がカボチャな野菜と青物野菜やジャガイモもあってそれらを茹でたり焼いたりして、パンを賽の目に切りチーズもあったからパングラタンを作った。

大変好評でした。

それで他の料理もまた教える約束までしちゃった。


それと職業柄腰痛者が多かったのでマッサージもしてあげました。

あんなデカイ寸胴持って暑いし寒いしの所で立ちっぱなし仕事だものね。とても感謝されました。ありがとうの一言って人の原動力になるね。

だからセルフで出来るツボ押しやストレッチも教えてみんなでワイワイ食べて話して楽しいひと時だった。久しぶりに大声で笑った気がする。

城の中では貴重な好きな場所の一つになったよ。


***  ***


バカ騎士の処分や諸々の対処の仕方は当然納得出来なかったけど、今回の交流で鬱々した気分はかなり晴れたと思う。目障りな奴は一応は退治したも同然だからね。

それにこれからも厨房に来て欲しいと言われたので定期的にはお邪魔したい。

よし、宰相様に外出許可をまたお願いしよう。


気分良く邸に帰る道すがら、荷車を引いた下男が私達の横を通り抜けて行った。ここは厨房近くなので他所より荷を運ぶ作業は当然多く見かけるのだけど、どうにもその下男の運ぶ物が気になり追跡する事にした。

(単に暇だったのもあるのだけど)


人目を気にしてキョロキョロしているし、荷台に載る麻袋の口を何度も確かめてまたキョロキョロ。中身を見られたく無い感じがアリアリ‥凄く気になるでしょ?!怪しいって。


警備の点からみても、城内の荷運びは口を開けて中身を晒して移動するが決まりらしいのでエリオット君も変なもの運んでいるのか?と厳しい視線を向けた。盗み?いけないものを運んでるのかも?すわっ事件か!

となるとエリオット君の範疇なのだが、今は私の警護という仕事中だ。私と共に怪しいヤツを追跡する事にエリオット君は躊躇したけど、無視して追っちゃった。


腹ごなしも兼ねて後を追えば、アンナちゃんは注意事項を聞いてませんねと呆れて、それでも静かについて来てくれている。

エリオット君は警戒して私を背に隠し、ちゃんとした追跡をしてくれました。先に出ないでくださいとか、隠れて!とかウロウロして邪魔ばかりの足手まといですみません、ど素人なのに追跡とかほんとすみません。


荷車はかなりの何かを乗せて城の奥へと進む。出口に行かないので城の食材を盗むのとは違うのか…?

さらに後を追うと城の裏手の森へ入り、しばらく進んで一角で止まった。


私達は木の影に隠れて様子を伺っているが、素人の追跡(プロご指導の元)にも気が付かない所を見るとこの下男も素人だ。

森に入ったらあたりを見回しもしないもんね。しばらく走ると唐突に止まった。荷車のすぐ横にはどうやら大穴があり、運んで来た荷を一つ抱えると口を開けて其れをひっくり返し穴に捨てたぞ…ゴミ捨て場?エ?城のゴミって捨て場はここじゃないぞ。


こぼれ落ちたのは残飯?


イヤイヤそれはゴミではなく私にとっては見慣れた パンの様な?

荷車いっぱいの袋の中身はパンだね。

パンを廃棄してるって、此処に?

こんな森の中に?ここはコンポスト?


その量を見て愕然とする。

確かに、感動する程美味いと思うパンではない。固くてパサパサでバターの風味なんて微塵も感じないけど、他の食事の味を考慮してみれば、この世界ではこんな程度なのだろう(期待してないし、腹が膨れれば良い程度)そんな物だと思えば一日2食(朝・夜)だから、空きっ腹を満たすには十分食べられる主食だと思う。

宰相様の報告書からこの国の現状を鑑みると、私はかなり贅沢な食事が出来ていると感謝さえしている。


なのに凄い量のパン(この国の主食)を捨てていて、それは食べ物の扱いではもう無くて‥かなりの衝撃なんだけど。

捨てるならせめて家畜の餌にしたら?

と言って良いものなのか‥この国では正解がわからないので、言葉を飲み込んだ。だってこの国の事を私は何も知らないわけだからね。


***  ***


日本でもまだ食べられるものを賞味期限を過ぎたとバンバン捨て、流通価格を安定させる為に豊作で出来すぎたモノを捨てるなんて事をしている。

だが、此方の世界は今、そんなに豊じゃ無いよね?

確か雨が降らず、作物の不作で飢饉になっている所があるのに、食べ物を捨てるとか無くない?


下男が去った後、呆けていた私に声を掛けてきたアンナちゃんが心配そうに私を伺ってきた。

ごめん頭の中が真っ白だった。いや正確には怒りでグツグツ脳味噌沸騰直前だったわ。


パンを拾うつもりで近寄った私を制して、シュッタと穴に降りエリオット君がパンを拾ってくれて確認してくれた。

(あ〜踏んづけたね、パンを)

大きく深い穴には、おざなりに木の枝が被されて多少は隠そうとしているみたいだったけど、隠しきれないほどのパンが山となって捨てられている。

まだカビもない、腐ってもいないじゃないの!


「廃棄物なので触らないで下さい。」


そうエリオット君が言うので渋々彼の手に乗る(彼は手袋してます)パンを観察してみた。

(コレが毒なら君が穴に飛び込むのも危険じゃ無いのかな?)

とは思ったけど、大丈夫そうなので守られている身として空気を読み口をつぐみました。


見慣れたパンはコッペパンサイズのハードパンで外見はいつも通りの私の主食だ。割って中を見ても変色も異臭も無くまだ十分食べられる。ちゃんとパンの香りが薄くだけどする。

そうか、パンの匂いがしたんだ!小麦を焼いたあの匂い。

廃棄袋を閉じていた事と、廃棄特有の匂いではなく小麦の香ばしい匂いがほんのりしておかしいと思ったから追いかけてしまったんだわ。


穴から出たエリオット君が周辺に掘った跡があるのに気付いたので、軽く剣の鞘で掘り返してもらうと、まだ原型を保っているが朽ち始めたパンがゴロゴロと掘り出された。周辺にはいくつか穴を掘った形跡があるということは


「この穴もいっぱいになったら土を掛けて埋めるのでしょうね」

「もしかして、この穴は全部パンなの?こんなに食べ残しがあるの?嘘でしょ!」



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