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両手両腕両肩に花

ありがとうございます 100話目の投稿でございます。

「 なんでこうなったのだろう・・・ 」


呟く僕の右腕にはマーサがしがみついている、左腕にはセオ

右手を握って後ろから嬉しそうについてくるのはユーン、左手側はフェオだ。


まぁこれは比較的最近よくある光景。

多少慣れて来たけれど、視線が痛くもある

あと、良く絡まれる。


 「 よぉよぉ いい女連れてやがんなぁ 貸してくれよ兄ちゃん 」


とか


 「 そんな頼りなさそうな男より 俺らと一緒にもっと楽しいことしようぜ 」


とかね・・・


まぁそんなことを言いながら絡んできた連中の殆どは、セオがゴミを見るような冷たい目で一瞥した後に〈亜神の威圧〉とでもいう魔力行使で腰を抜かすか、場合によっては気絶してしまう。

本当は僕が格好良く追い払えたら良いのだろうけれど、セオが居ればほぼそれで片が付いてしまう。




さっきも絡んできた3人組が、セオの威圧で泣きながら逃げ去ってしまったしね。

1人はなんかちびっていたかも・・・




そう、ここまでは最近よくある光景だ・・・ 何度も言うけどね。


今日はお嫁さん達の他にポルちゃんが一緒だ

以前にレベルアップ?なのか進化なのか とにかく一回り大きくなったけど外見はどう見ても豚さん貯金箱のポルちゃん。

台詞は男前だけれど、声は乙女な、あのポルちゃん。


買い物に行くのを聞きつけて、拗ねまくったから一緒に行くことになり、カバンに入っていくはずだったポルちゃんです。




そのポルちゃんなんだけれど、街へ出かける前に金貨を入れたのですよ。

ノエルの母上であるアグネイシアさんからノエルの嫁入り支度金ですって強引に渡された金貨もあったしね。


アグネイシアさんに渡されたのは当然ながらエルフの国発行の金貨。

しかも大金貨という普通の金貨100枚分のやつ・・・


普通は流通する物では無いそうな。

しかもそれを50枚も渡されてもねぇ、返そうにも本人お帰りになっているし、そもそも嫁入り支度金を返すってことは結婚を断ることになるらしいので返せなくなりました。


だからポルちゃんに預けることにしたのだけれど、例によって魔力を流して一枚づつポルちゃんに投入したのですよ。





当然何が起こるかというと



 「 うほぉぉぉぉぉぉっぉ !! 主殿ぉぉぉぉぉぉ ひやぁぁぁぁぁぁっぁぁ 」


流石はエルフ大金貨・・・

まぁセオ曰くそれだけじゃなくて僕自身の魔力の質的向上もあってポルちゃんに与える影響は色々と増しているらしい。


 「 ポルちゃん 今日はこのくらいにしておく? 辛くない? 」



 「 ぜ じぇん じぇん 平気だじょ・・・  俺は主殿の全てを受け取るんだぁぁぁっぁ さぁ!! バッチこーーーーい 」


まぁポルちゃんがどうしてもと言うし、ユーンにも聞いたけれど基本魔道具なので壊れないしポルちゃん自身に神様の加護もあるので大丈夫とのこと。


 「 じゃあ まだまだあるし どんどん入れてゆくよ 」


 「 おお!!  さぁカモーーーーン !!  ひやぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁ 」


 「 これでぇ 9枚目 あと41枚だよぉ 」


 「 ふぉぉぉ あぁぁぁぁぁ 逝きそう もう・・・  ってあと41枚だとぉ 」


ポルちゃんの予想以上に枚数が多かったのか、驚きの声が聞こえた気がしたけれど


 「 本当に大丈夫? 休憩入れる? 」


 「 あかーーーん 何かが今来てるんだよぉぉぉぉぉぉ お願いだからぁ続けてくれよぉ もっともっと入れて欲しいよぉ 」


ポルちゃんの懇願に負けて、その後も大金貨を休むことなく入れ続けた。


 「 これが 最後の一枚だよぉ 」


 「 ぉぉっぉ ・・・ こぃ やぁ・・・ 」


 最後の一枚に万感の思いと魔力を込めて投入!!


 「 お疲れ様ポルちゃ・・・ え えええええええ? 」


最後の一枚が入った途端にポルちゃんの体が発光しはじめた。

そして、眩しくて何も見えないほどの光が辺りを包んだのだった。











「 主殿ぉ 楽しいなぁ 」


「 そうだねぇ 」


僕の顔のすぐそばには


赤毛のショートカットヘアーにくりくりした大きな目の可愛らしい女の子の顔

年の頃は10代後半位かなぁ。

肌は健康的な小麦色、ショートパンツにシャツとベストを羽織っている元気印の女の子

ボーイッシュなイメージだけれどもシャツとベストを押し上げている女の子の象徴は立派に自己主張している。

推定Dカップ程度。


ただし・・・

身長は30cm程度です。


名前は、そう ポルといいます。

僕が付けた名前です。


眩しいほどの光を放ったあとにポルちゃんが進化した姿だそうです。


ちなみに今の居場所は僕の左肩の上、肩の上に座っています。


「 この姿はさぁ 主殿の好みをリサーチした結果なんだぜ 」


ポルちゃんが嬉しそうに話している。どうやら色々とリサーチしてくれていたようだ。

まぁ確かにね 顔立ちも可愛いしショートカットも似合ってる、胸のサイズも許される限りの最大限だ。

実に絶妙ですよ・・・


どこでどうやってリサーチしたんだろう、すごく不思議なのです。


「 誰から聞いたの? 」


「 それはさぁ 乙女の秘密情報網だよぉ な・い・しょ 」


うーーん、やっぱりはぐらかされたか。 でも可愛いから許してしまう自分もいるなぁ




「 リック さーーーんてばぁ 」


ポルちゃんと話していたら、強引に顔を右側に向けられてしまった。


「 エイシアさん・・・ 痛いよぉ 」


「 だってぇ、ポルとばかっり話していてずるいのですぅ 私が何度呼んでもこっち向いてくれないし 」


右側の肩の上には言わずと知れたエイシアさん、どうもNewポルちゃんに対抗心を燃やしているらしく右肩の上に陣取って動きません。


「 ごめんごめん 別にエイシアさんを無視した訳ではないよぉ 」


「 リックさんわぁ 私の大事な始祖なんだからぁ 新参の貯金箱娘は遠慮して欲しいのぉ 買い物の時以外は出てこなくていいのですぅ 」


「 むっかーーーーー  なんだよ このアホ精霊がぁぁぁ 未熟だからまだそのサイズにしか成れないのに偉そうなこと言ってるんじゃねぇよ 」


「 あんだとぉぉ この豚野郎がぁぁぁ 手前だってそのサイズじゃねぇかぁ しかもついさっきまで豚だった癖に偉そうなこと抜かしているんじゃねぇぞぉ 」


「 俺はなぁ 成長途中なんだよぉ もう一回レベルアップしたら主殿と釣り合うサイズになる予定だしよぉ そうしたらぁ ・・・ あれだ ・・・ 色々としてもらったり、して差し上げるんだよぉぉぉぉ どうだぁ羨ましいだろぉ 」


なんかポルちゃんが途中から真っ赤になって凄いこと言い出してますけど・・・


「 あんだとぉ ごらぁぁぁっぁ 間違ってもおめぇなんかリックの嫁にはしねぇからなぁ お天道様が許してもこのエイシア様の目の黒いうちは絶対ぜえええええええええええったいにぃだめぇぇぇぇぇぇぇぇ 」




この後も聞くに堪えない罵り合いが継続されますので割愛します・・・

僕の頭を挟んでの罵詈雑言はねぇ・・・ 

2人ともサイズは小さいけれど黙っていたら美少女なんだけどなぁ




『 ご主人様へのアピールはやっぱり実体がある方が効果的ですよね・・・ しかしポルがこんなに早く実体を手に入れるなんて これ以上遅れを取れば致命的です。 早く計画を実行に移さないと・・・ 達成率は98.7%まで到達済みですが このまま・・・    いえダメです100%にして初めて土俵に立てるのです。それにご主人様の世界の言葉にあったはずです、真打は遅れてやってくるもの と 』



本日もお読みいただき誠にありがとうございます。 気が付いたら100話目でございます、しかもタイミングよくブックマークも100を超えさせていただきました。本当にありがとうございます。

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