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2部 スペルブースト 編  6章 覚醒 3話

7月30日夜、最後の1行を追加しました。

――助かったよ――

 俺はアネットに感謝を示した。

『何言ってるの?これは元々、裕貴の能力(ちから)でしょ?』

――これ・・・俺の能力――

『ええ、今朝言ったでしょ?』

――肉体強化ってやつか?――

『だったら今の姿をどうやって説明するつもり?』

 アネットはそう言うと自分の胸を下からつかみ持ち上げ揺らした。確かに今はアネットの人格が表に出ていて姿も女になっている。

 鏡の様に黒かった身体は元の綺麗な白い肌に戻り小さな胸の柔らかな感触を感じた。

『エロい事考えていたでしょ?』

――なっ!――

『また、今朝みたいな事してあげようか?』

――お前、そのせいで綾香にどんな目に遭った分かっているんだろ――

『さあね~』

 身体が徐々に俺の姿に戻っていく。

「元の姿に戻ったのか?」

 俺は自分の両手を見つめながら言った。

――見ての通りよ――

「結局、俺の能力がなんなのか分からずじまいだ」

――鈍いわねー――

 それにしても俺の記憶力は凄いと思う。実際、事件後の調書で写真を見ただけなのに高倉の顔を覚えていたのだから。

「そこに居るのは分かっている。大人しく投降しろ!」

 シティー・フォークの隊員の声が聞こえる。通報してから約3分の出来事だった。

「あ、はい」

 俺は安心してビルから出て行った。

「オラ!大人しくしろ!」

 いきなり隊員2人に腕を掴まれ膝を着き、右腕を後ろ手に押さえつけられた。

「イタタタ、何?何なんですか!」

「オラ!静かにしろ!」

 不良グループを思われているみたいだ。どうにかしないと。

「俺はブルーバンドですって!離してください」

「そういうのは署で聞こう。立て!」

「朝倉君!」

 藤井先輩が俺に気が付いた。先輩は倒れて居た場所で隊員に支えられながらその場に座り毛布を被っている。その側には浅野も先輩の顔にタオルを当てて顔に付いている血を拭き取っていた。

「すみません。彼もブルーバンドの隊員です」

 藤井先輩が俺を押さえている隊員に向かって声を上げた。

「本当ですか?」

「朝倉先輩、大丈夫ですか!」

 浅野が俺に駆け寄ってくると隊員が腕を放した。

「イタタタ・・・。有り難う、みんな大丈夫か?」

「はい、みんな大きな怪我は有りません」

 浅野は嬉しそうに声を上げた。

「そうでしたか?服がボロボロになっているけど何処か怪我はありませんか?」

 隊員が俺に手を差し伸べたので手を借り立ち上がった。藤井先輩はずっと俺の顔を見ている。

「先輩、大丈夫ですか?」

「朝倉君こそ大丈夫なの?さっき全身が・・・」

「もう、治ってますからね」

「でも、この血って・・・」

「すみません。先輩が倒れそうになったのを支えたので俺の血が付いてしまいました」

「これって朝倉先輩の血ですか!?この出血量で?」

 浅野が驚くのも無理も無い。普通に考えても致死量の血液が藤井先輩の制服に付いているのだから。

「この血は君のか?」

 俺の腕を掴んでいたシティー・フォークの隊員が訪ねる。

「はい、でも大丈夫です」

「大丈夫な訳が無いだろ?これ、君の血なんだろ?」

「ええ、でも大丈夫です」

 俺は大丈夫だと言う事を見せる為、飛び跳ねて見せた。

「病院に行きなさい」

 藤井先輩が強く言った。

「はい・・・」

 さすがに従わないと後が怖そうだ。


 病院へは藤井先輩も行く事になり、シティー・フォークの車に乗って病院へ向い、浅野は一度事務所へ戻って留守番をしている久田へ状況の報告に行って貰った。

 そして診察を受け異常が無い事から少し詳しく検査する事になったが結果はやはり異常無し、だが藤井先輩の制服に付いていた血のDNAと採血したDNAが一致したことから貧血と判断され輸血400mLを受ける事になってしまった。

 どうやら計算上、出血量が1400mL程有ったらしく本来なら出血性ショックで生命に危険が及ぶ可能性が有ったそうだ。

「朝倉君、大丈夫?」

 普段着に着替えた藤井先輩が処置室へ入ってきた。

「大丈夫ですよ」

「まあ、そんな事言わずに、今は大人しくしてなさい。また前みたいに入院なんて事になったら大変じゃない」

「まあ、確かにそうですね」

 先週まで入院していたのだからそれも仕方無い。しかし、先日と今では状況が違う。

「それで先輩はどうだったのですか?」

「私も軽い貧血が有るって」

「もう大丈夫なんですか?」

「ええ、朝倉君と比べると軽微だって」

「俺も、血圧・心拍・心電図どても異常が無かったんですけどね、先輩の服に付いた血の量からこうやって輸血する事になってしまって」

 点滴の入る速度が遅い。ナースコールを呼び状態を見て貰うと点滴が入らず針から血液が溢れていた。看護士はその状況から輸血を中断して医者を呼びに行った。

「点滴が入らないってそんな事も有るのね」

 点滴針の射した患部の脱脂綿を押さえながらベッドから起き上がり座った。藤井先輩は向かいのベッドに座り俺の顔色を見ている。輸血のパックはまだ半分以上残っていた。

「本当に大丈夫かい?」

 医者がさっきの看護士と共に処置室に入ってきた。

「はい」

 医者は顔色を診たり血圧を測り聴診器を胸や背中にあてた。

「うーん、何とも無いから今日はこれで良いよ、また何か有ったら来て」

「先生、本当朝倉君は大丈夫なんですか?」

「うーん、検査の結果は何処も異常無いし出血量が気になるけど血も殆ど入らなかったし・・・顔色もそんなに悪く無いから大丈夫でしょう。そんなに気になるなら精密検査を受けてみる?」

 医者は顔を傾げながら自分でも半信半疑な表情をしている。

「もしかして、君、何か能力持ってる?」

「え?特には・・・無いと思いますが」

 医者からの唐突な質問に驚き適当な返事をしてしまった。

「でも朝倉君、それじゃああの血の説明が・・・」

「今回はデジタル魔術師が30人も居たのですから誰かが治癒魔法を掛けたのでは無いですか?連中の中にはやり過ぎたって思って居る人も居るでしょうから」

 藤井先輩も俺の返答に納得がいかず問う所を強引に被せ推論っぽく言った。

「警備隊からはそんな話し聞いて無いけどなー」

 さらに医者は首を傾げている。

「とりあえず今日は帰っていいよ、一応薬出しておくからロビーで待ってて」

「はい、有り難うございました」

「ちょっと朝倉君?あっ、有り難うございます」

 処置室から出てロビーへ出ると2人のシティー・フォーク隊員が待機していた。

「朝倉裕貴君だね?ちょっと話しを聞かせて貰えるかな」

「ちょっと朝倉君」

 藤井先輩が追いついてきた。

「あのー、今日はもう疲れているんで明日でも良いですか?それに今日の事なら多分俺だけじゃ無いはずですから」

「うーん」

 隊員はうなりながら2人で相談している。

「分かりました。では明日の午後に話しをして貰いますね、えっと時間と場所は・・・?」

 隊員は「えっと・・・」と言う仕草を見ると・・・。

「それならブルーバンド15支部に午後4時からでどうでしょうか?」

「いけるか?・・・・分かりました。では16時にブルーバンド15支部で話しを聞かせて貰います」

 藤井先輩の出した提案を承諾して隊員達は帰って行った。

「朝倉君?説明して貰いますからね!」

「・・・はい」

 藤井先輩のそのれはまるで蛇に睨まれた蛙になった気分だった。

ある意味、ややこしい部分の章が完成しました。この後の章もややこしくて困っています。

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