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2部 スペルブースト 編  2章 能力者の少女2 2話

「さて、この魔法陣だけど・・・」

 私は身体を起こし周りを見回しまだ赤く光り続ける魔法陣の前に近づいた。

「!!」

 魔法陣の円字の1歩手前で魔法陣が一瞬大きくなり女の足元に円が入ると赤い光が強くなり魔法陣の中心から爆発を起こした。

 私は後ろ3m程吹き飛ばされた所から立ち上がった。足元を中心に体の正面は全身焼け焦げ皮膚が所々剥がれ肉が見えている。

「トラップが仕掛けられているなんて」

 火傷はこう言っている間に治り元の白い肌が表れた。そういえば私はまだ裸だった。

「裕貴のシャツ1枚ダメにしちゃったね」

 この魔法陣は魔力を持っている。となると私ではこの魔法陣を直接には壊せない。

 私は試しに手前の地面のアスファルトを殴った。アスファルトは紙粘土みたいにひび割れ一点に穴が開き周囲は波を打つみたいに波紋が広がる形になった。

 問題の魔法陣はにひび割れの上に描かれたまま消えなかった。この魔法陣は地面に描かれているのでは無く、この場所のこの座標に描かれていると見た方がいいだろう。

「やっぱり破壊は無理か、困ったわね、残る手は裕貴・・・」

 これだけの爆発が有れば当然周囲も騒がしくなってくる。サイレンも聞こえる早くここから立ち去った方が良さそうだ。

 私は右手を目の前にかざし目を閉じ意識を集中した。体がうっすらと青白く光っているように見える。それとも全身から湯気が立ち上っているのが街の明かりでそう見えるだけなのか?

 意識を右手に集中し魔法陣にかざそうとした。

「シティー・フォークだ!その場を動くな!」

 予想よりも数分シティー・フォークの展開が早い、あっと言う間に私は包囲された。

「裸の少女?」

「確保しろ」

 私は直ぐに大きくしゃがみ込み勢いを付けて倉庫の屋根へ跳躍した。

「止まれ!止まらんと撃つぞ」

 しかし、私は掴まるわけにはいかない。だって私は・・・。私はこの場を離脱しようと屋根の上を走った。シティー・フォークは屋根の上まで上り銃を構え数人追いかけてきた。

「発砲を許可する。女を撃て!」

 屋根の下から大きな声が聞こえる。私の身体も銃弾に備え又黒い鏡のように輝きだした。

 屋根から飛び降り敷地のフェンス迄辿り着いた。

「しまった」

 敵・・・じゃないけどシティー・フォークの気配が全くない。挟み撃ちにする為に誘導された。

「動くな!」

 しかし、そんな言葉を聞いていられる場合では無い。後ろにも前にもシティー・フォークの隊員が集まってきた。ざっと50人は居る。

 左右に展開した 大きな筒を持った2人が私に筒を構え何かを撃ちだした。私は咄嗟に避けたが頭上から広がる大きな網が覆い被さった。

 こういう時はもがけばもがく程網が身体に絡まる。しかし避ける時に手足に網が絡まり転けてしまった。

 その瞬間を見て4~5人が私に飛びかかる。とにかく身体に絡まった網を何とかしないといけない。

 左右の手をナイフ形状にすると腕を振り回して網を切り裂き上半身の拘束を解くと、飛び掛かってくる男を振り払った。

「トランス?」

 誰かが言った。私はそんな事に構わず足に絡まった網を切るとクラッチングスタートの体勢を取り一気に踏み切った。

 踏みきりの勢いはその場で大砲の様にシティー・フォークの包囲網を飛び越えアスファルトの地面は大きく凹んだ。

「待てー、何をしている?追え!」

 私はそのままの勢いでフェンスを越える事が出来た。

「私がやった訳じゃ無いけど、そこの魔法陣壊しといてね」

「止まれ、止まらんと撃つぞ」

 私はフェンスの向こうで叫んでいるシティー・フォークをやり過ごすと道路に待機している護送車飛び越え空が明るくなった街の中へ姿を消していった。


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