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1部 12芒星魔方陣 編  11章 ブルーバンド 1話

 放課後、裕貴は手早く鞄に荷物を詰めて学校を飛び出し、ブルーバンド第15支部に向かった。

「おつかれさん」

 俺は事務所に入ると浅野と久田が部屋の整理をしていた。

 浅野は俺の声に振り返って。

「ああ、先輩お疲れ様です」

「あれ?朝倉先輩今日は早いのですね」

 久田の質問に俺は机に鞄を置きながら

「ちょっと逃げてきた」

「一体何からです」

 苦笑いしながら聞いてくる久田、おおよその見当が付いている様子で俺を見た。

「色々とな、所で何してる?随分お菓子で散らかってるけど」

 そう言って誤魔化した。2人の机の上にはお菓子やジュースが並んでいる。

「学研警備隊から今月の活動記録の提出するように言われて今までの警備記録を整理していた所なんです」

 浅野は声を裏返しながら重たそうに幾つものファイルを両手で持って机やテーブルに並べている。

「またか?俺の分は出来てるぞ」

 俺は自分の机に有るパソコンの電源を入れた。やっぱり2人はパトロールや出動が有ると直ぐ飛んでいくがその後の報告書やデータ入力は苦手らしい。

「よく先輩あの報告書が出来ましたね、ロボットに襲われたんでしょ?」

 久田は不思議そうに訊いた。

 俺は前回、綾香と買い物に行った時にロボットに襲われた。何とか倒したがあの時の怪我は何故か病院に搬送された時は軽く済んで良かったと思っている。

 右足首の骨折だと思っていた怪我は少し重い打撲で済んでいるし、肋骨に入ったと思った罅は無く、綾香をかばって背中に受けた怪我や出血は見事なまでに止まっていた。

 精々献血をした程度だ。

 そうそう、あれから俺もノートパソコンを買った。まだワープロと表計算しか出来ないがそれでも全く出来ないよりはずっとましだろう。

「治癒能力だったのかも知れないな」

「治癒能力って誰がです?」

「ああ、いや、何でも無い」

「そうですか」

 久田はそれ以上訊かなかった。

「仕方無いな」

 俺は机にファイルの1冊を持ってパソコンのデータの照合を始めた。幾つか抜けているファイルの内容をパソコンに打ち込んでいった。

「お疲れ様」

「お疲れ様です」

 事務所のドアからしてくる声に俺は挨拶した。

「麻未先輩おつかれさまです」

 浅野も書類を両手に抱えながら挨拶した。

「こんなに散らかして、何してるの?」

「ええ、これは・・・」

 俺にした説明と全く同じ事をもう一度説明していた。パソコンに向かって処理をしている俺は思わず笑いそうになった。

「そう、じゃあどれからやってるの?それになーにこれ?」

 藤井先輩がそういう方向に俺も目を向けた。俺も気が付いていた明かにそこには食べかけのお菓子やジュースで散らかっている。

「これは、その・・・」

 久田は必至に何か良い答えを探している。

「素直に『食べてました』って言っちゃえ」

「朝倉先輩の意地悪」

 そう言ってふくれた。

「でも、もうそろそろパトロールの時間でしょ?ここは私に任せて朝倉君、まあちゃんと一緒にパトロール行ってきてくれる?」

 藤井先輩は腕まくりをしてお菓子の下に隠れていた書類の束に手を付けながら促した。

「ええ、それじゃあパトロールに行ってきます」

 俺は腕章とH&K VP70のカートリッジに麻酔弾を装填した。久田はまだ中学生だと言うことで銃の携帯は禁止されている。

「それでは行ってきます」

 俺は入り口のボックスから対能力者用の手錠2本を持って事務所の扉を開けた。

「あ、先輩待って」

 久田も慌てて手錠を持って俺の後に続いた。

「朝倉先輩って昨日、喧嘩に巻き込まれたって聞いたんですけど」

 事務所を出てパトロールコースを歩いている途中で久田が聞いた。

「まあ、喧嘩やひき逃げや本当に色々あったよ」

 それを聞いた久田はその場に立ち止まって聞き返した。

「え?喧嘩の事はブルーバンドの報告書が回ってきたので知ってましたけどひき逃げって何ですか?」

「車に猫がひき逃げされて、それを助けようとして車のバンパーに接触したんだ」

 俺はそう良いながら右手を見ていた。久田はその手を見て

「それでどうなったんですか」

「猫は死んで俺の手も折れた」

「手が折れたって骨が?それに猫も死んじゃったの」

「うん、まあね」

「それで、手はどうなったの?何とも無いようですけど」

 久田は俺の右手をまじまじと眺めながら質問した。

「偶然通りがかった常徳学園の人に治癒魔法掛けて貰ったからおかげさまで」

「魔法ってデジタル魔法ですか、それで手は完治したのですか?」

「そうでなきゃ今もギブスしてるだろ」

 驚いた様子の久田に俺はあっけらかんと笑った。久田はまだ俺の右腕を見ながら「確かに」と頷いた。


誤字発見!修正しました。

「輸血」→「献血」

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