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1部 12芒星魔方陣 編  10章 能力の前兆 1話

 翌日、学校の教室、朝からちょっと疲れた俺は机の上で付せていた。今日も朝から綾香と瞳のせいだ。

「今日も朝からモテモテじゃん」

 渡邊が茶化した。

「見てたのかよ」

「窓からよく見えるからな」

「ああ、そう」

「昨日も中野とデートだったんだろう」

「デート?いやいや、買い物につき合っただけだよ」

「そうなのか?随分楽しそうだったぞ」

「お前も見ただろ、綾香の奴、喧嘩に首突っ込んであんな騒ぎ起こすし、俺がブルーバンドだって事が、あの時渡邊が居なかったら誤魔化す大変だったしな」

 俺は椅子の背もたれにもたれかかった。渡邊は寄ってきて聞いて来た。

「それでデートの続きはどうなった?」

「デートじゃねえよ、それに昨日はそれだけじゃ無いんだよ、ほんとに」

「なになに、何があったんだよ」

「ひき逃げに遭った」

「誰が?」

「俺が」

「ええ?」

 渡邊は驚いた声を出した。それを聞いた他の生徒もこっちに視線が集まった。

「なになに、何が有ったの」

 真紗美がやってきて聞いた。

「朝倉がひき逃げに遭ったんだって」

 渡邊が思わず大声を出した。それを聞いた真紗美がこっちに来た。

「嘘、それで怪我無かったの」

「かなりの大怪我したよ」

 真紗美の後ろで翼が心配そうに寄ってきた。

「怪我ってどんな?」

 渡邊が何処も悪い所無いじゃない?と言いたげに聞いてきた。

「えーと確か、右手の甲と指の骨が砕けて、肘と肩の靱帯が切れた」

「嘘でしょ、そんな大怪我してるのにどうしてギブスも何もしてないの」

 当然の反応だ。真紗美は予想通りの事柄を聞いてた。

「そんな大怪我して、病院は行ったの裕貴君」

 橋本も心配そうに聞いた。

「ああ、偶然居合わせた常徳学園の生徒に応急治療して貰ったから、それに治癒したらしい」

「常徳学園って魔法教えてるあの学校か?女?」

「そうだよ」

 渡邊は俺の言った「治癒したらしい」より「常徳学園」に興味を示した。

 常徳学園はデジタル魔法を教えるカリキュラムのせいか何故か女子生徒の割合が多いらしく橋本も聞いていた。

「それよりさっき『治癒』って言ったよね」

「そう、はっきりとは分からないけど、どうも俺に治癒能力が有るらしい」

「治癒能力?ってマジか」

 渡邊が驚いて聞き返してきた。

「らしいよ」

「それじゃあ、とうとう裕貴君も能力者になったんだね」

 橋本は何だか嬉しそうに讃えてくれた。

「だから疲れたんだよ」

「能力の副作用?」

 真紗美は不思議そうに聞いた。

「どうなんだろう」

 後ろでひたすらノートパソコンを触っていた博詩が

「昨日のアメリカの軍事企業が襲撃事件の真相が分かったぞ」

「なになに?真相って何?」

 真紗美は何にでも話に首を突っ込む性格だからか男友達も多い。

「デジタル魔法の基幹プログラムだったみたいだ」

 昨日はタブレットだったなって思いつつ俺は聞いた。

「デジタル魔法の基幹プログラム?」

「どういう事、デジタル魔法って一応、誰でも使えるのでしょ」

 真紗美も聞いた。

「デジタル魔法って言うのは、古代魔法をデジタル化した技術でキングローズ社が基幹プログラムを公開していないんだ」

「じゃあ、何故、アメリカの軍事企業が襲われるの」

 真紗美の疑問はもっともだと思う。

「クラッキングに遭ってプログラムが流出したって事か」

 俺は可能性を示した。博詩はパソコンの画面をたたんで。

「根拠は無いけどそういう事じゃないか」

「でも、この情報化社会で一箇所だけにプログラムを置いておく事は無いだろう、バックアップとか取ってるのじゃないか?」

「だろうね、しばらく世界情勢が慌ただしくなるかも、キングローズ社はこの事件は関係無いと否定しているけどな」

「もし、そうだとすると、ここも危ないのじゃない?」

 橋本は突然そんな事を言い出す。

「なんで?」

 多分、真紗美は橋本が考えている様な事は全く考えていない。

「だって、この学研都市にもデジタル魔法教えてる学校が有るじゃない」

「それは大丈夫だよ、常徳学園はキングローズ社から事業協力を受けているから安全だよ」 井上はハッカーでも有るから一般公開されている情報位は十分に持っているみたいだ。

「それなら、ここは問題ないな」

「さあそれはどうかな、この学研都市は様々な研究施設が有るから、そうとも言えないかもな」

 安心した俺を博詩は煽った。

「どういう事だよ」

「学研都市で一番有名な研究成果が再生医療だろ、多分、他にも俺達の知らない研究とか実験とか在って、その資料が狙われるかも知れないよ」

 その可能性は否定出来ない。学研都市には多くの企業や学者も在籍している。非合法な研究を行っている学者はいない。とは言えない。

「怖いねぇ、朝倉君」

 橋本は心配そうに言った。冷やかしで言っているのだと思う。博司の顔は邪気にしたような笑い顔だった。

「はーい、みんな席に着いて」

 そしていつものように百合子先生のかけ声から今日の授業が始まった。


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