第5話 デートいかね?
フェルナンドはアンブルと一緒にルミの下へ戻る。
「おかえり。何とかなった?」
「おう。アンブルになった」
「よろしくね」
ルミが挨拶すると、アンブルはフェルナンドの後ろに隠れる。
「……やっぱ、あんなん見たから怖いのか」
「……きゅい」
「……おー。何言ってるかはっきり分かるわ。……なになに? 氷龍でしょ、怖いよ、か。……凍らされてたしな」
フェルナンドはからからと笑う。
「きゅい」
「……離れないのって? 嫌だ。あきらめろ」
「きゅい!」
「ひどいって? ……安心しろ。このお姉さんは変なことしない限り怒らねえから」
「きゅい……」
「そうだよ。フェルを困らせなかったら怒らないよ」
ルミはアンブルと視線を合わせる。丸い目がきょときょとと動いた。
「きゅい?」
「うん、怒らない」
「きゅい?」
「うん。しまちゃんも怒らない。ね、しまちゃん」
「ぴい」
アンブルはそろそろとフェルナンドの後ろから顔を出した。
「お、偉い偉い」
「きゅい」
「ふふっ、これからよろしくね」
「きゅいきゅい!」
「ぴぴっ!」
ルミとしまちゃんはにこにこと笑う。アンブルは楽しそうにフェルナンドの周りを飛び回った。
「……すっかり仲良し、でいいのか?」
「まだ発展途上かな」
「だよな。……あー」
フェルナンドの視線が泳ぐ。ルミは「ん?」と彼の言葉を待った。
「明日さ」
「うん」
「……デートいかね?」
「いいね。どこ行く?」
「……考えてなかったわ。どこがいい?」
「涼しいところ」
「どこだよ」
彼は笑いながらルミの髪を一房取って遊ぶ。
「……パフェでも食いに行く?」
「いいね。……雑貨屋行きたい」
「何欲しいんだ?」
「ノート」
ルミは短く答える。フェルナンドは呆れたように笑った。
「購買にもあるだろ」
「いつも使ってるの、売ってなくて」
「分かったわ。……何時から行く?」
「10時くらい? 雑貨屋のあとパフェでどう?」
「ん。じゃあそれで。リカルドにも声かけとくわ」
「お願い。護衛の騎士さんにも話通しとくね」
「おう。じゃあ、また明日な」
明日の予定を決める声は、どこか楽しそうだった。
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