第3話 使い魔と契約しよう
「先生に使い魔との契約方法聞いてくるわ」
そう言ってフェルナンドは立ち上がった。小竜はバサバサと羽ばたいて、彼の頭に乗る。
「きゅいっ」
「お前な。我が物顔で」
「きゅいきゅい」
「高いから楽しい? ……まあ、いいけどよ。生命力、取んなよ」
「きゅい?」
「……こいつ、分かってねえか」
彼はあきれたように肩をすくめる。ルミは笑った。
「……しまちゃん、貸そうか? 抑止力になるかも」
「……そうするわ」
しまちゃんは羽ばたいて彼の肩に乗る。その瞬間、小竜はフェルナンドの頭にしがみついた。
「痛え痛え! 爪立てんな!」
「きゅい! きゅいきゅい!」
「怖い、じゃねえよ!」
「ふふっ」
「ルミも笑うな! はぁー、行ってくる!」
「いってえ! 血が出る!」と騒ぎながら、彼は職員室へと駆け出した。
「……魔獣学のエミリオ先生、いますか」
げっそりした顔で職員室の扉を開けたフェルナンドに、教師たちは一斉に顔を上げた。
「フェルナンド殿下!?」
「どうされたんです、その頭」
「いや、ちょっと竜に……」
「きゅいぃ」
彼らはぽかんとした顔でフェルナンドを見る。
「……エミリオ先生なら奥ですが」
「……ありがとうございます」
「きゅい」
「……もう怒る気力もなくなってきたわ……」
重いため息をつきながら奥へと進んだ。
「……殿下、とにかく座ってください」
「……ありがとうございます」
先生に勧められ、フェルナンドはソファにどかっと腰を下ろす。
「その……ご要件は」
「使い魔との契約方法、教えてほしくて」
「……使い魔の?」
「……はい」
彼はじっとフェルナンドを見る。
「事情、話せます?」
「……あー。なんか、懐かれたらしくて」
「懐かれた」
先生はそのまま繰り返す。フェルナンドは「……はい」と続けた。
「……このままだと……生命力を際限なく取られるって、ルミが……」
「今も取られてますね」
「ですよね……。ルミにしまちゃん借りたのに……」
「ぴちぴ……」
しまちゃんはしょぼんと肩を落とす。
「……子どもの火竜ですかね」
「……火竜なんですね」
「はい。……この年代だと親がいるはずですが……」
「きゅい」
「……死んだ? ……苦労してるんだな……」
フェルナンドは背もたれに体を預け、小さく笑った。
「分かるんですか? 使い魔でもないのに?」
「……ニュアンスだけなんで……」
「いやいや。ニュアンスが分かるだけでもすごいですよ」
「……そうですか……。……とにかく、生命力取られ放題なんで……とっとと契約したいです……」
「そうですね。もたもたしていると、殿下が干からびそうです」
彼は笑って「特別授業です。すぐに準備をしてきますね」と立ち上がった。
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