↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虐げられた無能令嬢ですが、公爵様に甘やかされて溺愛されています。~もふもふと美味しいご飯付きで~  作者: 桜ましろ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/59

第9話 馬車での朝食

 馬車にリオン様と一緒に乗り込み、私は朝食を受け取った。


 朝食は揺れる馬車でも食べやすいように、配慮してくれたのか、新鮮な野菜がたっぷりと挟まれたサンドイッチだった。


 ふわふわのパンに、みずみずしいレタス、トマト、キュウリを見るのも、食べるのも久しぶりで、思わず目が輝いてしまった。


「い、いただきます!」


 勢いよくかぶりつきたいのを我慢して、ゆっくりと口元に運ぶ。


 パンがふんわりと柔らかく、口の中でほどけるように溶ける。


 レタスのシャキシャキした歯ごたえと、トマトのじゅわっとした甘みと酸味が絡み合う。


 キュウリのパリパリした食感がいい、アクセントになって、噛むたびに新鮮な野菜の香りが口いっぱいに広がった。


(んっ⋯⋯、おいしい)


 夢中で食べていると、目の前に座るリオン様と目が合った。


「美味しいか?」


「⋯⋯⋯⋯はい! 」


 口の中の物を慌てて飲み込んで答えると、リオン様は柔らかく微笑んだ。


「喜んで貰えて良かった。私が作ったんだ」


「!?」


 目を丸くしてリオン様を見つめてしまった。


「魔物討伐の遠征では基本自炊だからな、料理もするぞ。口にあったなら嬉しいが」


「こんなに美味しいサンドイッチ⋯⋯久しぶりに食べました!」


「そうか。またいつでも作ってやるよ」


 リオン様は私が馬車に持ち込んだ弓に視線を向けてから、私に視線を戻した。


「アリスは狩りが好きなのか?」


 どう答えるべきか、迷ってしまった。


 狩りは生きるためにしていたこと。


 好きかどうかは、自分でもよく分からない。


「答えたくないなら、無理に答えなくてもいい」


 リオン様が少し寂しげに目を細めたのを見て、私は小さく息を吐いた。


「その⋯⋯食べて、生きていく為に、狩りをしていたんで、好きかどうかは⋯⋯正直、分かりません。すみません⋯⋯」


「謝らなくていい。ちゃんと自分の力で生きる手段を持っているアリスは、素晴らしいと思うよ。弓を扱えるようになるまで、相当努力したんだろ?」


「はい。ありがとうございます」


 誰かに褒めて褒めてもらえるのも、優ししい言葉をかけてもらえるのも久しぶりだった。


 少し頬が熱くなるのを感じながら、残りのサンドイッチも味わいながら食べ続けた。


「アリスは本当に美味しそうに食べてくれるね。北部までは十日程の旅になる。疲れたら遠慮なく言ってくれ。急ぐ必要はないから、途中で立ち寄る村や街でも美味しい物を食べさせてあげるぞ」


「それは⋯⋯楽しみです!」


 私は頬を綻ばせながら答えた。


 馬車の窓から見える景色も新鮮で、まだ行ったことのない場所や、美味しいご飯が食べられることにとてもわくわくした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。