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71 私、9999です!!

 断崖絶壁を降りて向かった先の橋は、かの忌まわしき暴君の登場で破壊され、現在修理中につき通行禁止となっていた。


「なんです。あれ」


「ああ。ちょっと前に橋がぶっ壊れちまったから直してんだよ」


 ジーカちゃんの父のように肩車して、マックスさんは歩いていた。


「橋? なんでんなモンいるんです」


「えっ? そりゃ橋がないと渡れねぇだろ」


「ぴょーんって飛び越えていけねーですか?」


「いや行けるわけないだろジーカじゃあるまいし。人間様舐めんな」


「つくづく不便な生き物でやがりますね」


「おめーが便利過ぎんだよ」


 橋が封じられたとなると、ここから先にいけるルートは一つ。

 船で西大陸に向かい、魔法都市『マギアージュ』へ訪問するルートだ。

 正直これが一番楽しい。

 なぜかと言うと、この先には空飛ぶ絨毯とか魔法に満ちたさまざまなアイテムと施設が広がっているからだ。

 マギアージュはクロニクルⅥで私が好きな街ベスト4に入るほどだ。

 めちゃくちゃ広大な都市国家であり、魔法で発展した国故か国王は魔法使いなのだ。イケメンの(ここ重要)。

 ちなみに地図によれば同じ西大陸にあのギブラル王国がある。

 そう遠くない地とは仰っていたが、船が無いと超えられない大陸離れの場所は限りなく遠いのではと邪にも思ってしまう。

 もうお姫様も波止場を出てお戻りになられたのだろうか。

 なにやらお礼がしたいと申されていたので、早めに訪問しに行きたいものだ。

 わくわくする。

 船に乗れるだけでもそうだし、世界がまた広がっていくこの感覚。

 憧れの世界と同じ場所に今私は存在しているのだ。

 胸がときめかない訳がない。

 まずはここより北西にある港町『サルトス』を目指して進んでいく。

 ジーカちゃんも船なんて見たことも聞いたこともないそうなので、これは反応がとても楽しみである。

 龍人も酔うのか、酔わないのか。

 酒には強くても揺れには強いのかどうか。

 ちなみにマックスさんはすぐ船酔いする。

 意外にもレイブンさんとかスラッシュくんは慣れているらしい。

 そういえばかくいう私もどうなるのかはわからない。

 ミランダさんの肉体なので、船酔い耐性もミランダさん譲りのものとなるのか、それとも私個人の感覚によるものとなるのかさっぱりだった。

 とりあえずゲロゲロに酔ったら妖精さんに薬出してもらお。


 少し長い旅になるので、私たちは所々でキャンプをした。


「魚獲るですか。任せやがれですよ」


 ジーカちゃんは素手でなんと60匹もの魚を獲り尽くした。

 彼女はとても狩りに向いている人材だった。

 鼻も効くのでキノコや山菜もかぎ分け、安全なものを大量入荷してくれた。

 我が軍きっての期待の新星に相応しい活躍ぶりだ。


 そういやさっき妖精さんで思い出したが、あの農園回収できるんだっけか。


「よーし。出ておいでーお金ちゃーん」


 ゴールド・ウッズ

 【状態:収穫可能】 3/3

 一本:300万G


 ははは。もう笑っちゃうぞ本当に。

 一気に900万G越えの大金持ちになったぞ。

 そうして次は100万、いや一気に300万投入といくか。

 金はいくらあっても困るものではない。

 これで次回回収一本9000万。

 合計で2億7000万Gという前代未聞の数値に跳ね上がる。

 それがあとたったの6時間で可能となるのだ。

 正直こわい。でも笑う。

 そしてもうドーピングアイテムも埋まり切らないほどゲットしたので、早速暴飲暴食タイム。


「うげっ! 何度食べても慣れない〜……」


 だがこれでついにHP・ぼうぎょ力・素早さの三つの値が9999という破格の高さになった。

 これ以上食べても能力変化は起こらなかったので、これが限界値だろう。

 ちょっとそのステータス君の勇姿を確認してみよう。



名前:ミランダ・クロスフィールド

職業:戦士 やり手 ☆4

種族:人間

性別:女

年齢:18


Lv36


HP 9999

MP 300

こうげき力: 250(+125)

ぼうぎょ力: 9999

すばやさ : 9999

まほう力 : 230

しんこう心: 200

うんのよさ: 0

きようさ : 250


固有スキル :なし


取得済みスキル

『不屈のタフガイ』、『土人形愛好家』、『幸運の女神』、『武器なきものの魂』、『忍耐の心』、『永久の土人形ハンター』、『お色気』、『ジャイアント・キリング』、『筋肉の加護』、『カウンター』、『雷耐性アップ』、『氷雪の戦乙女』、『永久の幽鬼ハンター』、『幽鬼を狩る者』、『クリティカルフォーエバー』、『オートカウンターLvX』、『氷の女王』、『オーバー・ロード』、『剣聖』、『大剣豪』、『ソードガーディアン』、『経験値ジャンキー』、『毒無効』、『炎耐性中』


装備品スキル

『氷属性無効』、『炎属性ダメージ25%軽減』、『自動MP回復(中)』、『魔法攻撃時敵MP吸収(小)』、『アンデッド系ダメージ2倍』、『ドラゴン系特攻(大)』、『毒無効』、『麻痺無効』、『混乱無効』、『炎無効』


習得済み特技:『小回復魔法』、『火魔法』、『筋トレ』、『マッスルサイクロン』、『まねる』、『覚える』、『氷結魔法』、『毒浄化魔法』、『守備力増加魔法』、『闇の雷』、『毒吐息』、『絶対零度』、『ラッキーダイスアタック』、『モードチェンジ』、『ミサイル』、『盗む』、『なぎはらい』、『中回復魔法』



装備

頭防具:花の髪飾り

上半身:ドラゴンアーマー

右 手:マジックバングル+2(雪男の蒼珠)、(毒竜の紫珠)

左 手:日本刀

下半身:ドラゴンアーマー

足防具:皮の靴

装飾品:火龍の加護



 実はこっそり『中回復魔法』を覚えていたのだ。

 中盤では貴重な全体回復魔法だが、回復量はこのレベルの『しんこう心』ならたかが知れたものだ。

 だがやはり注目すべきは他の数値を圧倒する『9999』の魅力的な数値についてだろう!

 マッスルサイクロンやったら最大79992ダメージとなる。

 ラスボス軽く5回死にます。本当にありがとうございました。

 これで全体攻撃とか頭おかしくなるレベルです。

 あの筋肉バカのNPCは即刻地下に封印すべき。

 地獄の帝王、魔界の王、神すら凌駕しかねない恐ろしい筋肉だ。

 そんでこのレベルの素早さにもなれば回避するのが当たり前、先行は毎回貰えます。

 スロウ喰らっても3回くらいまでなら維持できる……かも。

 防御力ももう本当に素っ裸でうろつけるレベル。

 防具は正直耐性モノ以外は必要ない。

 守備力無視の攻撃でもタンクが9999もあるのだ。

 もう滅多なことでは死なんぞ。ここまで一度も死んでないけど。

 しかし、最強究極ミランダさん伝説はここで終わらん。


 ガルガンドラ、そしてここまでの道中で私は更なるドーピングアイテム・パワードリンク、ワイズシードを手に入れたのだ。

 これで攻撃面でも勝つる‼︎

 一つしか無いって? 倍々算倍々算。

 その二つのアイテムを埋めて、未来に希望を託した。

 次回回収で30倍になり、それをまた埋めて30倍に。

 そしたら今度はこうげき力とまほう力が9999だ。

 ははは向かうところ敵はおらんよ!

 愉快な未来を想像し、笑いを堪えながら私はみんなと一緒に今晩のご飯にありついた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] こんにちは!。 一人だけ無双ゲームな状況、面白かったです!。 続きもまた今度読ませて頂きます(*´ω`*) ブクマ、評価、いいねを押させて貰いました。 [一言] 寒暖差が激しく体調が崩れ…
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