表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/117

10 私、戦います!

 数々の苦難を乗り越え、私はついに『カウンター』と『ブリザード』の二枚看板を手に入れた。


 これにて探索は楽になるはずだ。

 というか、この時点では破格過ぎ?

 ふふふっ。もう負け知らずかもしれないなぁ。


 残る回復アイテム調達に向け、南西の洞窟へと歩いていった。


 するとそれを阻もうと、複数の敵がぞろぞろと闇に紛れて現れた。


「おや……あいつらは……」


 マッスル・ボアがあらわれた!

 サンダーバッファローがあらわれた!

 ウイングホークがあらわれた!

 グリーンタイガーがあらわれた!


 予想された通り魔物の群れが襲い掛かってきた。

 どいつもこいつもやる気に満ちた表情をしている。

 ははは。私と戦うつもりかね?


 今の私にはカウンターに加えて、一度だけならあらゆる攻撃も無効にできる最強の防御技と、クリティカルが乗る全体攻撃まであるんだぞ。


 諸君らの攻撃など鼻で笑う程度なのだよ最早!

 さぁ()(たま)え。諸君らに神の光を見せてやろう。


 悠々自適に構えていると、怪物軍団による一斉攻撃が始まった。


 まずはマッスルボア氏による強突進攻撃。

 奴は深紅の巨体で一直線に高速移動してくる生き物だ。


 だが、目線を確認できればどこへ向かってくるかが分かる。


 分かってしまえば対処も容易となる。

 当たる瞬間に回避すればいいのだ。そう闘牛士のようにね。


 奴の力強いタックルをひらりとかわし――……


「がふっ! 痛……くはないけど!」


 残念ながらかわすことはできなかった。

 くそっ。やはりレベル11程度の力と私自身の反応速度ではどうにもならなかった。

 反射は戦闘経験に基づくものらしいので、ここまで命がけの死闘をまともにしていない私にとってはまだまだ発展途上な能力だった。


 1回分の無敵を逃した私に、無慈悲なバッファローの雷鳴咆哮が叩き落ちる。


「ぎゃああああああっ!」


 サンダーバッファローはその名の通り雷を自身の大きくて長いツノに手繰り寄せ、蓄電する習性がある。


 それを集積して解き放ったのが今の『雷魔法(サンダー)』だったのだ。

 ビリビリと全身が痺れる感覚と芯から焦げていくような気分に目眩がしてくる。


 や、やばい……。回復しないとまずいぞ。



 咄嗟にポーションを手に取り、火傷した部分に撒き散らした。


「はぁ〜生き返るわぁ〜」


 傷はたちどころに治り、やがてこちらの反撃が始まった。


 私の頭上に無数の氷の結晶が飛び交う。

 蒼くて壮大な魔法陣が空中で円を描き、そこから更に巨大な氷塊の頭が飛び出る。


「『氷結魔法(ブリザード)』!」


 上級氷魔法がカウンターとして魔物の群れに炸裂した。

 無数の氷塊が魔物たちを押し潰し、その身を凍てつかせていく。

 逃げ惑う空の使者・ウイングホークも氷の余波で翼を失い、うまく飛べずに地に堕ちた。


 だが氷の礫が止むことはなく、逃げ場を失った魔物たちの身を引き裂いていった。

 その様は氷の弾丸――一度狙われた獲物は氷にその身を貫かれるまで追われ続け、ようやく全弾が命中し終え戦闘が終了した。


「ふぅ……こんなところで思わぬ油断が入ってしまいましたね……」


 やはり早々に一人旅に乗り出さなくて正解だった。

 この付近の魔物でこれなんだから、ガルガンドラなんか夢のまた夢だ。

 それにしても雷魔法は痛かった。できる事ならああいう呪文のダメージは極力避けたい。


 などと思っていたら、今の戦闘でスキルを獲得していたようでそれがなんなのか開いてみた。


【スキルを獲得しました】


雷耐性アップ

効果:雷属性の被ダメージが20%カットされる。


取得条件:累計戦闘数5万回以上。かつ無耐性装備で初めて雷属性攻撃を受ける。



「おおお。さっきの今でこれはありがたいスキルですよ」


 スキルの中にはこのようにキャラクターの耐性に関与するものもある。

 確かやろうと思えば全属性100%無効――いや、吸収までできるような装備品が作れたと思う。


 それでもパッシブスキルはお目にかかれないので、貰いうる限り貰っておきたいです。


 さてさて、自分でも驚く程謙虚なウイングホークとグリーンタイガーは攻撃を行う前に綺麗さっぱり無くなってくれた。


 しかしウイングホークからは本来『竜巻魔法(トルネード)』など便利な風属性魔法が覚えられたかもしれないというのに。

 これはなかなかに痛い。またエンカウントする機会はあるだろうか。


 それにしてもブリザードクラスになるとカウンターも遅いな。

 あれではその隙にどうぞ殺してくれと言ってるようなものである。


 やはりカウンターだけでなく最初からぶっぱするしかないか。

 スキル・ジャイアントキリングに加え、クリティカル発動率の高いブリザードを予め準備しておいてぶち込めれば、この上ない爽快感になることが予想できる。



 自分がレベルを上回ってしまうことないように、私は適度にレベル上げをしていきたいと思った。


 ――の矢先である。


【ミランダさんのレベルが上がりました】


 これにて私のレベルは一気に13にまで跳ね上がった。

 これでジャイアントキリング発動の条件は23となってしまった。


 ともあれその程度ならゴロゴロいる。

 あちこち見定めて最適な環境を手に入れたい。


 全てを凪いだ草原で私はステータスを確認してみた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ