第20話 鍛冶師の仕事(ついでを付けるなよ)
「あと、もう一つ良い?」
「なんだい?」
「熱感知魔法ってどうやったら使えるようになるの?」
「うーん……」
腕を組んで考えている。
「説明しにくいね。ナナも熱感知魔法使えるだろ。なんて言っていた?」
「シルバと似たようなことを言っていた。よく分からなかった」
「だろうね。もし、見えたと思ったら、その感覚を大切にしないといけないよ。
そして、しつこくその感覚を探求しないといけないだろうね。
でも、チャンスがあれば、頑張ってみな」
「うん、頑張ってみるよ」
そうは言ってみたけど、どうすればいいのか分からないな……
「そうだ、来月の春祭りが終わったら、鉄を作るよ。良ければ見に来な」
「良いの?」
「十二歳だから、そろそろ良いだろう。ただし、邪魔するんじゃないよ。危険だからね」
「蒸気機関ってのも、使うの?」
蒸気機関は、水を水蒸気にして、その水蒸気の圧力を動力にした機械の事だ。
シルバとゴルドが共同研究している装置だ。
最近、この話をよくしてくれる。
「蒸気機関は使わない。ここには、良い水車があるからね。
それに、あれにはいろいろと問題があるんだよ。
でも、あれが完成すれば、水車の設置できない所でも、強い動力源を設置できるようになる。
それから、もっと小さくして車輪を付けて、馬車を馬なしで引かせられないか考えているんだ。
ただね、機関を小さくすると熱効率が悪くなるんだ――
まだまだ、いろいろ考えないといけない所があるんだよ」
シルバは眼を輝かせている。
「すごく面白そうだね」
「そうだろ、そうだろ。鍛冶師になりたくなっただろ。
うちはいつでも歓迎するよ。
ついでにティルも付けるよ。お得だろ」
「ならないよ! 僕は医者になるんだよ! それについでを付けるなよ!」
「わっはっはっ―― そうだ、家で何か食べてくかい? さっきは悪いことをしたからね」
そうだった。朝ごはんを逆噴射させたんだった。
でも、まだちょっと胸のあたりが変だ。
「いや、いいよ。そろそろ行くよ。
それから、魔法の話ありがとう。頑張ってみるよ」
「そうかい。今は成長期だからね。体も心も、そして魔法もね。
今、頑張らないといけない時期だよ。
だから、頑張りな。あんたならきっとできるよ」
「ありがとう」
僕は手を振りながら、シルバと別れた。
よし、次はエナ爺の所だ。
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