第02話 うんち穴(落っこちると大事件だ!)
トイレもしたし、外に出る。
そして、外からトイレのある所に回り込み、扉を開ける。
ぷぅーん、と鼻につく匂いがしてくる。臭い。
「これは、僕の物が臭いのか、お母さんの物が臭いのか、どっちだろう」と、前にお母さんに言ったら、すっごく嫌な顔をされた。
あんな顔をするのは、かなり珍しかったので、面白かった。
また同じことを言ったら、次は長々とうんちとおしっこの話を聞かされてしまった。
さすが医者だと思った。よほど嫌だったのか、対策を考えていたに違いない。
話は面白かった。
トイレの中には長い取っ手の付いた桶が入っていて、桶の中に例の排泄物が入っている。
取っ手をつかんで持ち上げて引き出す。
そして、家の横の畑に持っていくのだ。
その畑の隅の日当たりの良い所に排泄物を入れるうんち穴がある。
間違って落っこちると大事件だ……
小さいときに落ちた事があるのだが、あまり覚えていない…… 事にしている。
顏から突っ込んだ事もある…… らしい。
あくまでも小さいときの話だ。
十二歳になってからは一度も落ちたことがない。
特に注意しないといけないのは、両手に物を持っていて、地面が濡れていて滑るときだ。
うんち穴の仕事は、その穴の中に排泄物を入れて、そこに大きめの木片、木の枝、おがくず、木の皮、枯れ葉なんかも一緒に入れて土魔法でごちゃ混ぜにするだけだ。
この仕事は毎日じゃないけど、放っておいてトイレの桶が溢れてしまうと大変なことになってしまう……
掃除がイヤなのだ。臭くて、汚くて、悲しくなってくる。
うんち穴はいくつかあって、その穴の上に板で蓋をして、風で飛ばないように石を置いている。
そして、嫌な臭いのなくなった古いものから畑の肥料にしている。
その次は畑の見まわり。
畑では野菜と薬草を作っている。
薬草はまだ上手くいってなくて、どうするか考えているところだ。
仕事は水やりと雑草取りだ。
家の畑は農家のエナ爺が見てくれている。
すっごく歳を取っているけど、びっくりするくらい元気だ。
そして、ダメ出しがひどい。
昨年から、僕が自由にしていい場所を少しもらって野菜を作っているけど、まったく容赦がない。
大人げないと思う。
ちなみに、うんち穴もエナ爺に習った物だ。
エナ爺は野菜作り以外の事についても詳しくて、話していると楽しい。謎ジェスチャーも見ていて面白い。
見まわりのメインは雑草取りで、見つけると魔法でやっつけている。
火で焼いたり、土ですり潰したり、水で凍らせてねじり切ったり、とできるだけたくさんのやり方で一撃を食らわしている。
これも魔法の練習だ。今日も片っ端から根絶やしにしてやった。僕の圧勝だ。
今は、キャベツが食べごろで、いくつか良さそうなのがある。夕方に取ることにしよう。
葉っぱを食べる野菜は夕方、実を食べる野菜は朝に収穫する方がおいしいのだ。
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