第12話 診療所の手伝い(病気はチンプンカンプンだ)
学校から帰ってきたら、家の診療所の手伝いだ。お母さんの助手をやっている。
お母さんの指示で、薬とか包帯とかを準備したり、治療道具を消毒したり、それを渡したり、傷口を押さえたりとか、いろいろだ。
最近、簡単なケガの治療はさせてもらっている。
でも、僕がやると治療費はタダだ。
これは、少し悔しいと思っている。
仕方ないけど、頑張らなくちゃと思っている。
今やっている練習は、縫合針に糸を付けて持針器を使って布を縫っている。
これは裂けた皮膚や血管を想定して縫い合わせるという練習だ。
ほかには、細い糸の先を電気魔法で少し焦がす練習もしている。
これは手術や大きなケガなんかで細い血管からの血が止まらないときに、その血管を焼いて血を止めるための練習だ。
血管を焼くのになぜ火魔法を使わないのかというと、火魔法を使うと血管だけでなく周りも焼いてしまうからだ。
電気魔法の方がピンポイントで焼くのに都合がいいからだ。
そうそう、裂けた皮膚や血管を縫い合わせる事や、血を止める事も治療魔法でやればいいと思うかもしれない。
でも、そんなに簡単にいかない。
もともと治療魔法の効きにくい人がいるし、治療魔法を掛ける人と受ける人との相性もあるからだ。
そういう人には物理的な治療をするしかない。
それに大きなケガで出血がひどい時は、治療魔法より、物理的に直接縫った方が速くて確実なこともあるからだ。
いい医者になるには、魔法的な治療と物理的な治療の両方を覚えなくちゃいけないのだ。
お母さんは、僕がやりたいと言ったことは、大体やらせてくれる。
やらせてくれないときは、基礎ができていないときだ。
それが分かっているから、やらせてもらえるように頑張っている。
今は病気よりもケガに対する治療の練習の方が圧倒的に多い。
病気についての勉強はかなり難しそうだ。
今のところ全くのチンプンカンプンだ。
「ケガの治療の練習」について――
『小説家になろう版』:うんちく、説明が「少なめ」です。(第12話:約700字)
『カクヨム版』 :うんちく、説明が「多め」です。(第12話:約1100字)




