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竹取物語”裏”  作者: やすひこ
第1章 脱走編
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3/24

観光

カップヌードルは麵職人一択ですよね!

 

「次、そこの2人!身分証を提示しろ!」


 門番が私たち2人にそう叫ぶ。いつの間にか私たちの番がきていたようだ。


「はいはい、わかってますよっと。」


 コウがそう言って身分証を出した時、門番の表情が固まった。


「あ、貴方が!いえ、お二人での入国ですね。ではパタパタウサギはここで預からせていただきます。では、ゆっくりとお過ごし下さい」


「ああっ、私のうさちゃん!連れてかないで〜!」


 悲痛な面持ちでかぐやは叫ぶ。


「姫様、このウサギは地球に行ける国宝級の希少種だよ?個人で所有できるわけないでしょ?」


 コウはそう諭すように言う。


「はあ〜、それもそうね。じゃあ中に入りましょう!」


 そう言って門をくぐると、そこには月とは思えないほど賑わった街がそこにあった。見上げれば、薄暗い空に巨大な青い地球が浮かんでいる。なのに頭上を覆う透明なドームのせいで、街の中はまるで真昼のように明るく暖かかった。


「ウサギ饅頭売ってるよ〜ぜひ買っていってね〜」


「いらっしゃい!うちのアクセサリーは最高級よ!」


「うわ〜すごい!どこを見ても気になるものばかりだわ!」


「姫様、一旦落ち着いてくれ〜!」


「はいはい。ところでコウ、さっき門番に驚かれてたけど、あなたって何者なのよ…なんか犯罪でもしたの〜?」


 そう冗談めかしてかぐやは聞く。


「やだなーただのしがない騎士だよ。本当に、ね。」


 そう言ったコウの横顔はどこか寂しそうだった。


「何か…」


 何かあったの、かぐやはそう聞こうとしてやめた。


(今の私にはきっと答えてくれないでしょうね)


「よし、コウ!気を取り直して、腹ごしらえといきましょう!」


 〜〜〜〜


 しばらく歩いていると、美味しそうな香りの串焼き肉のお店を見つけた。


「コウ、これってまさかウサギ肉じゃないでしょうね?」


「姫様、そのまさかだよ〜。食用のウサギも月にはいるんだよ」


「ひどい!ウサギを食べるなんて最低よ!たった今、私がウサギ保護協会を設立することを決めたわ!」


「まあまあいいから早く食べてみなよ、美味しいから」


 何故かドヤ顔をしているコウを横目に、かぐやはウサギ肉にかぶりついた。


「こ、これは…!」


 ウサギなのに臭みが全くなく、それでいてとろけるような肉の柔らかさ!そして絡みついてくるこの甘辛ソース――!


「ねえコウ!これすごい!メチャクチャ美味しいわ!」


「でしょでしょ〜人気なんだよね、これ。」


「ウサギ保護協会は来週からにするわ!それで、次は何を紹介してくれるの!?」


 かぐやはもう待ち切れない様子でコウに詰め寄る。


「それはもちろんご飯を食べたら次はデザートでしょ!」


「はやく、早く行きましょう!」


 〜〜〜〜


「姫様、買ってきたよ〜」


 コウの手の中にあったのは不思議な色をした球だった。


「これは…飴?まあ一旦食べてみましょう!」


 そう言ってかぐやは口に放り込んだ。


「ん!抹茶の味がするわ!美味しいのは美味しいけどうーん、なんか普通ね。」


「まあまあ姫様、そのまま待ってて」


「?そりゃそのまま食べるけど…って、ん!?口の中で飴が弾けて味が変わったわ!黒糖の味がする!」


 パチパチと口の中で跳ねる感覚に、かぐやは思わず「んぐっ」と目を丸くして口を押さえた。


「ふっふっふ〜、実はこれ、味が3種類に変化するんだよね。どう、驚いたでしょ〜?」


「ええ!ということはもう1段階変化するのね!次は何かしら!」


「あ、次は地球でいうとこのみかんだよ〜」


「なんで言っちゃうのよバカ!あんた絶対モテないでしょうね!」


「それ言うのはひどいって姫様!」


「はいはい、あ、みかんになった。サッパリ終われていいわねこれ。」


「結構食べたし、あとはのんびり街を観光して帰りましょうか」


「…目的忘れてるよね姫様?今から王城行くんだよ?遊ぶのはもう終わり〜」


 かぐやはものすごく嫌そうな顔をした。


「…やだ、行かない」


「そんなこと言っても、引きずってでも連れて行くから」


 かぐやはどこか冗談に見えない本気の目を向けられ、諦めざるを得なかった。


「わかったわよ、城に行くからまた明日来させてよね。」


「はいはい、まあ姫様が無事だったらね〜」


「…?」


 何処か不穏なことを言うコウにかぐやは少し不安を覚えるのが、コウはすでに「ほら、お城はあっちだよー」といつものヘラヘラ顔に戻っていたのだった


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