計画
お久しぶりです、また二日ごとに更新します!今回少し短めです。許して…
「状況はわかったわ。それで、これからどうするつもりなの? 私が王になるにしても、今のままじゃ何もできないわよね?」
かぐやが腕を組み、真剣な眼差しで尋ねると、コウは顎に手を当てて思考を巡らせた。
「そうだね。手っ取り早いのは、俺たちが裏でクーデターを起こしてオルグを王座から引きずり下ろすことかな。宰相様の計画も基本はそこにある。……ただ問題は、今の俺たちの戦力じゃ圧倒的に足りないってことだ」
「戦力不足、ね……。『白濁ノ塔』を突破したとはいえ、相手は帝国の正規軍だものね。塔にいたヨルゲンと同等かそれ以上の強者もいるってことかしら?」
「ええ。ですので、まずは態勢を整える必要があります」
セリーヌが静かに言葉を引き継ぎ、人差し指を立てて順を追うように説明を始めた。
「計画の第一段階は、一度地球へ戻り、現地に隠れ潜んでいる前皇帝派の重臣——ゴート様たちを説得して味方に引き入れることです。あの方々の戦力と影響力があれば、オルグに対抗できる大きな陣形が組めます」
「地球に戻れる……! でも、どうやって? ここへ来るときはあのモフモフしたウサギに乗ってきたけど……あれ、街への入り口で預けたけど、結局どこに行ったの?」
「地球と月を行き来できるあの『パタパタウサギ』だけどさ、普段は王城の最奥——皇帝直轄の巨大飼育エリアで厳重に管理されてるんだよ。つまり地球に戻るには、城に忍び込んであのウサギを盗み出すしかないってわけ」
「な、なんですって!? あのもふもふでかわいいウサギを……自分のものにできちゃうわけ!?」
地球へ来るときにあのウサギに飛びつき、急速に巨大化されて吹き飛ばされた恐怖と、首を撫でた瞬間に宇宙まで吹っ飛ばされたことも忘れて、かぐやの脳内ではウサギたちをどうかわいがるか以外の考えはなくなっていた。
「そう。しかもあいつら、人見知りだから知らない奴が力ずくで捕まえようとすると、一瞬で人の倍くらいの大きさに巨大化して暴れ出すからね。警備兵に見つからずに、あのモフモフのデカブツをおとなしく連れ出すのは至難の業だよ」
「うぐぐ……でもでも、私名前は自分で決めたいわ……!」
「話聞いてなかったんだね姫様……」
あきれてコウは顔を覆う。
「聞いてたわよ!とりあえず盗み出せばいいのね!」
「はい。ですから、私たちの旅のロードマップはこうなります」
セリーヌが優しく微笑みながら、かぐやに向けて頭の中を整理するように指を折っていく。
「1. 準備と戦力増強:宰相様からの連絡を待ちつつ、月脈の研究を進めて私たちの戦力を底上げする。もし帝都内で頼れる協力者が見つかればスカウトする。
2. 王城潜入・ウサギ奪還:警備の網をかいくぐり、王城の最奥から『パタパタウサギ』を盗み出す。
3. 地球への脱出:ウサギに乗って地球へ跳躍し、ゴート様たち穏健派の勢力を結集させる!」
「なるほどね……! 完璧な計画じゃない!」
かぐやはぽんと手を叩き、ニッと頼もしく笑ってみせた。
「よし! 目標が決まれば話は早いわ! 城への潜入ルートや警備の穴については、宰相様が裏で手を回してくれるんでしょ? 頼んだわよコウ!」
「へいへい。城の警備情報に関しては宰相様がうまくやってくれるはずだから、俺たちはそれまでにしっかりと準備を進めておくとしますか」
「ええ! 私も『月脈』のこと、もっと勉強して足を引っ張らないようにするわ! ……あ、でもコウ。今度騙したら普通にじいちゃんにチクるからね! 訓練と称してボコボコにしてもらいましょう!」
「ははは! 善処しまーす」
胸を張って宣言するかぐやと、ヘラヘラと笑うコウ。
二人のやり取りを、セリーヌは温かな眼差しで見守りながら、これから始まる困難から二人を守るため、決意を新たにするのだった。




