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継承者誓約譚  作者: 冬泉アオイ
《氷花の詩》第六章:誓いの森防衛戦
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第一話:現状

柊夜たち四人を乗せた列車が国都に入った瞬間、轟音と共に体が宙へ浮いた。

「っつ、、、!」

柊夜が咄嗟に氷の魔術を展開し、四人の身体を座席へ固定しようとしたが、

それでも凄まじい衝撃が車内を駆け抜けた。

バリバリと不気味な残響を残しながら列車の揺れが収まり、周囲を見渡す。

車両の天井を突き破り、床深くへと突き刺さっていたのは

──激しく火花を散らす、巨大な雷でできた槍だった。

「これは……迅の……!」

柊夜が割れた窓から外の夜空を見上げる。

すると数百メートル先の上空で、雷堂迅と風見凪の二人が、

無数の飛行型『反・術式兵装』を相手に激しい空中戦を繰り広げているのが見えた。

味方の雷槍が誤認、あるいは流れ弾として列車に直撃するほど、

上空の戦況は混沌を極めている。

四人は大破した列車から即座に脱出。

地面へと着地し、最短距離で『誓いの森』を目指して走り出した。

目に飛び込んできた国都のビル群は、あるものは無残に倒壊し、

あるものは激しく破損して骨組みを晒している。

すでに厳たちの誘導で避難が済んでいるのか、人間の悲鳴こそ聞こえなかったが

──代わりに、街を焼き尽くす不気味な炎の爆ぜる音と、

鳴り止まないサイレンの音だけが、地獄の環境音のように国都に鳴り響いていた。

「急ぐぞ。街の防衛線はもう限界だ!」

柊夜の鋭い声に、絢芽、氷雨、鏡花が表情を引き締め、

それぞれの目的地へと向かって速度を上げる。 敷島の命運を懸けた、

誓いの森防衛戦が今、始まった──。



次回から色々な視点でお送りします

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