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継承者誓約譚  作者: 冬泉アオイ
《氷花の詩》第五章:過去との会合、そして決別
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第四話:国都襲撃

「共鳴奇術」の理をその身に刻み、雪松氷柱に真の力を認めさせた冷泉柊夜と花菱絢芽。

二人は未だに互いの手をぎゅっと繋いだまま、

全ての謎が眠っていた『氷の隠れ里』を後にした。

──だが、強固な隠れ里の結界を跨ぎ、再び北海洲の白銀の荒野へと足を踏み出した、

まさにその瞬間だった。

ビィーーーッ! ビィーーーッ! ビィーーーッ!

ビィーーーッ! ビィーーーッ! ビィーーーッ!

静寂な雪原に、不気味なほどの音量で、二人の携帯電話の着信音が同時に鳴り響いた。

「……?」

柊夜と絢芽は顔を見合わせ、繋いでいた手を離してそれぞれの端末を素早く取り出す。

液晶画面に表示された発信者の名を見た瞬間、二人の表情が同時に強張った。

宗星と日奈からだった。

「宗星か。……俺だ、今しがた里を出た──」

『おい、柊夜!! 聞こえるかッ、柊夜!!』

端末の向こうから聞こえてきたのは、

普段の冷静沈着な彼からは想像もつかないような、

怒号と激しい爆発音、そして刃がぶつかり合う凄惨な金属音だった。

「宗星? どうした、その音は」

『国都だ……ッ! 灰燼の奴ら、防衛線を完全にすり抜けて、

森に直接現れやがった……!!』

「な──」

同じ頃、絢芽の端末からも、日奈の悲痛な叫びが漏れ聞こえていた。

『絢芽ちゃん!? 大丈夫!? 国都が、国都が火の海なの!

大地さんの救護室にも敵の手が迫ってて──きゃあぁぁあッ!!』

「日奈!? 日奈、しっかりして!!」

絢芽が悲鳴のような声をあげる。背後に控えていた氷雨と鏡花も、

ただ事ではない気配を察して一歩前に進み出た。

柊夜は端末を耳に強く押し当て、地を這うような声で状況を問い詰める。

「状況を言え、宗星。九条冥はそこにいるのか」

『分からん、前線は新兵装を持った別働隊の物量でメチャクチャだ!

──いいか、よく聞け! 現在、療養中の磐木大地、

そして北海洲にいるお前たち四人──柊夜、絢芽、氷雨、鏡花を除いた、

継承者・守護官の全員が、今、迎撃中だ!』

背後で激しい炎の爆発音が響き、宗星の通信が酷いノイズで歪む。

『ぐっ……クソがッ! 敵の数が多すぎる……!

おい柊夜、お前らが戻るまで国都が持つか分からない!

──だが、絶対に死守してやる、早く来い!!!』

ツーーー、ツーーー……。

そこで通信は無残にも途切れた。

「宗星! 宗星……ッ!」

柊夜が呼びかけるが、もう応答はない。

「柊夜様……日奈ちゃんの方も、繋がらなくなっちゃいました……。

みんな、みんな国都で戦ってます……!」

絢芽の手が、恐怖と焦燥で小さく震える。

大地の命を狙い、さらに敷島の心臓部である国都を壊滅させようとする九条冥の、

これが真の総攻撃。

「氷雨、鏡花」 柊夜が振り返る。

「直ちに最寄りの駅へ走る。

ここから国都行きの特急列車を貸し切りにしろ、全速力で引き返すぞ」

「御意。限界以上の速度を出させましょう」

「大地様たちのところへは、絶対に指一本触れさせません……!」

氷雨と鏡花が即座に頷き、雪原を蹴って走り出す。

「絢芽、行くぞ」

「はい……ッ!」

新しき力『共鳴奇術』を手に入れた二人は、

大切な仲間たちが血を流して戦う戦場──崩壊寸前の国都へと向かうため、

白銀の雪山を全速力で駆け下りるのだった。



てえてえ、からの襲撃ね

もっといちゃつかせてもよかったか

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