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夜の首都

ソムナリアとベルンハルトは、魔術顧問事務所が持つ宿舎に入った。


「夕食はどうする?」


ベルンハルトが尋ねた。


「早く寝たい」


ソムナリアが答えた。彼女の服には石灰の粉末が残っていた。


「お腹は空かないの?」


ベルンハルトが尋ねた。


「……空いてる」


二人は宿舎内の食堂に入った。


「今回は本当に早く終わったね」


ベルンハルトがビールを飲みながら言った。


「まあ知ってたら早いよ」


ソムナリアはパンを食べてから、胡椒が乗った塩漬け肉を口の中に入れた。


「もしソムナリアが来なかったらどうなってたろうね?」


ベルンハルトが尋ねた。ソムナリアは首を横に振った。


「私がいなくても『本所』の誰かが知ってるはずよ。少なくとも付属図書館の本にあると思うよ」


「炎の色の本ってあるの?」


「それだけで本が一冊できてるわけじゃないけど、私は本で知ったの」


ベルンハルトはさらにビールを飲み、ソムナリアはワインを飲んだ。


「そういえば、あの光の矢はきれいだったな。南方で見た……」


「寝そう」


ソムナリアがベルンハルトの話を止めるようなタイミングで言った。


「あ、そうだね。朝からずっと働いてたよね」


ソムナリアはうなずいた。


「でもまだ起きていられそうに見えるけど」


「寝そう」


もう一度ソムナリアが言った。


「そろそろ帰ろうか?」


「うん」


ベルンハルトはテーブルに残っていた食事に手を伸ばした。


「全部食べるつもり?」


ソムナリアが尋ねた。


ベルンハルトは食べながらうなずいた。


「俺は小さい頃から食事を残すのがダメだったんだよ」


「そうなんだね。うん、食べなよ」


しばらくしてソムナリアが口を開いた。


「明日のことだけど、市内散策できる?」


ベルンハルトは動きを止めてソムナリアを見た。


「もちろん。約束通り、夕方まで付き合うよ」


「ありがとう。助かる」


ソムナリアが言った。ベルンハルトは食事を再開した。


ソムナリアが座ったまま目を閉じていた。すぐにベルンハルトが勢いよく立ち上がる衝撃を感じて、目を覚ました。


「ごめん、食べ終わったよ。帰ろう」


ソムナリアも立ち上がった。


宿舎に戻り自分の部屋に入ると、靴を脱ぐ前にベッドに倒れこんだ。


月の光が背中を照らした。石灰の粉が白く光り、ソムナリアの顔はシーツに沈んだ。


第三話はここまでです。


最後までお読みいただきありがとうございました。


次は、(作中の)時間が空いたので首都で一日過ごします。魔術が出てこないです。

よろしければお付き合いください。

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