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おとな女性の魔術教室

ある都市の魔術教室で講師をしている女性魔術士ソムナリアは、ときどき「とりあえず呼ばれる魔術士」として外の仕事に同行することになる。


首都まで呼ばれたソムナリア。「三色の光の矢」を放ちたいとの相談をうける。魔術は熱と光は出せるが色は出せないはず。解決できるか?


※勢いがおかしくて本編は第2エピソード以降となります(すみません)


魔術教室にはおとなの女性らが集まっていた。


「これでウェラを出してみてください」


ソムナリアが言う。


女性が机の上のマナバッグに、ごつごつした手を差し出した。そして、眉間にしわを寄せた。他の女性が周りを囲んで、全員がじっとマナバッグを見つめる。


しばらくたっても何も起きない。周りの女性の一人が息を吐いた。


「ちょっと待ってね」


ウェラが出なかった女性は、自らの手を下ろした。周りの女性の視線も離れた。しかしソムナリアは、うなずいた。


「いいですよ。ウェラは少し出てましたよ。落ち着いて、もう一度やってみましょう」


再び女性がマナバッグに手を差し出した。また眉間にしわが寄る。


「だめかな……」


女性が呟く。


「ウェラは出ます。さっき出たのですから」


ソムナリアが女性に言う。そして、低い声でさらに言う。


「自分を信じて」


そこから一拍おいたあとで、小さな音を立ててマナバッグが炎を上げた。


「そうです。ウェラ出ましたね。その調子です」


女性は笑顔でソムナリアを見た。ソムナリアは拍手をして見せた。周りの女性らも拍手を送る。


真ん中の女性は、笑顔で皆の拍手に手で応えていた。


「ウェラを出す感覚を忘れないようにしてくださいね」


ソムナリアが言うと、ウェラを出した女性はうなずいた。


「はい!」


机の上の炎がすこしずつ小さくなり、最後に消えた。


ゴーン、ゴーン。


「お昼ですね。ではおとなの魔術入門コース、今日はここまでです」


ソムナリアが言うと、女性たちは「ありがとうね」と言って帰っていった。


全員が帰ったのを見届けてから、大きく長く息を吐いた。


「はあ」


そのあと、首を回して、背伸びをした。


「ふう…」


女性らと入れ替わりにベルンハルトが入ってきた。


「ああいうのもやるんだね」


ソムナリアは顔をベルンハルトに向けた。


「そうだよ。子どもからおとなまで、いろんな生徒さんがいるのよ」


「拍手までしてたよね」


ソムナリアは髪を後ろ手で束ねながら口を開いた。


「そうよ。その方が喜ぶでしょう?初心者はみんなそう。私もそうだった」


ベルンハルトは一度外に目を遣ってから戻した。


「でも、ああいう人たちが魔術を習ってどうするの?」


「火を着けるのがとても楽になるよ」


ベルンハルトはうなずいた。


「そうだね。俺たちも野宿するときに火を着けるのが大変だもんね。魔術士がいると本当に楽になるね」


「でしょ?」


ソムナリアが口角を上げた。


「それに身を護れるよ。夜道を女一人で歩けないのが歩けるようになる」


「そういうものなの?」


ベルンハルトは首をかしげる。


「そういうものだよ」


ソムナリアが袖をまくる。


「これだけ細い腕だよ?ベルンハルトは大丈夫だろうけど、夜盗に勝てると思う?」


「確かにそうか……」


ベルンハルトは腕を組みながら言った。


「で、用件は?」


ソムナリアが尋ねた。


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