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ひと夏の恋  作者: 環流 虹向
7/30
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7:00

目を覚ましてリビングにいくと瑠愛くんはかっちりスーツを着て外に出かけようとしていた所だった。


夏「瑠愛くん、おはよう。」


瑠愛「おはよー。寝れた?」


夏「ぐっすり寝れたよ。ありがとうね。今から仕事?」


瑠愛「良かった♡そうそう!サリさんに会ってちょこっと作業して美容室行ってくるー。」


そう言って瑠愛くんは足早に外に出ていった。


忙しい中、俺の部屋候補を用意してくれたことに感謝しながら、瑠愛くんが家を出る前に渡してくれた物件の資料を見ながらいつも見ないニュースを流し見する。


店長が紹介してくれた物件よりは少し高いけれど、しっかりプライベートが守られるなら払う価値がある。


俺は今日までに決める覚悟で部屋を選んでいると一昨日あった俺たちのことがニュースで流れ始めた。


救助された夜、警察に色々聞かれたり家の中を調べてもらったらミサさんが仕掛けた盗聴器や隠しカメラが多数見つかった。


大家さんも俺が学校行っている時間帯のはずなのに足音がするから不思議だなと思ったことが何度かあったらしくて気づけずに申し訳ないと、家族旅行中だったのにも関わらず昨日話に来てくれた。


貯め買いしたはずの日用品はミサさんが自分の存在に気づいてほしいため、何度も盗んだりしていたらしいが俺が鈍かったせいで全く気づけなかった。


自分で気づけたことはたくさんあったはずなのに、ただその状況だけを受け入れ続けてしまったから最悪な結果1歩手前まで進んでしまったんだろう。


俺は昨日の朝に話した以来連絡を取っていない悠に電話をしてみることにした。


悠『もしもし。』


まだ起きていないと思っていたから俺は少し驚いてしまった。


夏「お、おはよう。お腹の傷、大丈夫?」


悠『固定してるテープがかゆいだけで後は何ともないよ。』


夏「そっか。良かった。」


俺は悠の傷の様子だけ聞いて電話を終わらせようとすると悠に呼び止められた。


悠『…お店は辞めるの?』


と、悠は心配そうな声で聞いてきた。


夏「瑠愛くんの店で働くことにするからだんだんとフェードアウトしていこうと思ってるよ。」


悠『そっか。でもまた似たようなことするんだよね?』


夏「まあ、デートが主体だけどどうなんだろうね。」


悠『夏くんボヤっとしてるから心配。』


夏「悠もボヤっとしてるよ。」


悠『心配?』


夏「ちょっとね。」


悠『ありがと。』


悠が言わせた感はあるが本心ではあるから否定はしない。


夏「そういえば、今週からいっぱい旅行するつもりなんだよね?大丈夫?」


悠『家族旅行?』


夏「あと、俺と永海。」


悠『親には永海と4泊5日旅行するってことになってる。』


さすがに俺と一緒とは言えないもんな。


夏「永海とはどこ行くの?」


悠『内緒。バラされたら嫌だもん。』


夏「そっか。永海すごい楽しみにしてたから気になってたんだ。」


悠『現地調査もするからバッチリだよ。』


永海との旅行にはとても気合を入れてるらしい。


夏「気合入ってるね。」


悠『永海の誕生日だからね。気合入れちゃうよ。』


夏「誕生日…?永海の誕生日っていつなの?」


悠『8月8日だよ。』


俺と同じだ。


今まで聞くタイミングがあったはずだったけれど、1歩踏み出せない俺だから聞けずじまいで去年は終わってしまった。


夏「だから来週末なのか。悠の誕生日は?」


悠『9月9日だよー。』


夏「2人ともゾロ目だね。」


悠『そうそう。夏くんは?』


俺の誕生日を正直に言っても少し気まずくなるだけだから言わなくてもいいか。


夏「年取ったら教える。」


悠『えー…?0時ぴったりで教えてね。』


夏「覚えてたら教える。」


なんとなく続けてしまった電話は家を出る10分前まで長引いてしまい、悠に時間を取ってしまったことを謝りつつ電話を切り外に出る準備を始めた。





→ イノチミジカシコイセヨオトメ

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