22:00
俺はまだ拘留中のミサさんの存在がまだ側にあるように感じ、永海を家まで送り帰そうとこの間来た永海の家がある最寄り駅まで一緒に帰った。
永海「こんなところまで送ってくれなくても大丈夫なのに。」
永海は俺の様子が変で心配そうな顔をする。
全部終わったことだけれどミサさんと知り合って1年近い間、出かけるたびにストーキングされていたんだと思うと永海が今まで無事だったのが奇跡に近い。
夏「…結構暗いし、1人で歩くの怖いでしょ。」
永海「うーん…、いつも1人で帰ってるけどねー。」
と、永海は何も気にせず気の重い俺の遅い歩幅に合わせて歩いてくれる。
そういう永海の優しさが1年の頃から俺を支えてくれたから、悩みも少し軽くなるんだ。
永海「そうだ!勝が夏と遊びたいってうるさいんだけど、いつ空いてる?」
ふと思い出したのか、空を見上げていた永海が俺を見て聞いてきた。
夏「あー…、来週末は多分空いてる。」
永海「結構仕事忙しいんだ?」
夏「ううん。引っ越しすることにしたからゴタゴタしてるだけ。」
永海「え?今の時期?」
夏「老朽化がすごくて虫が湧いてきたんだ。だからきついなって。」
俺は本当のことは言えず、嘘をついた。
永海「虫はきついね…。でも、私土日に悠と旅行に行くんだ。」
夏「え?悠と旅行に行くの?」
悠は今週来週合わせて3回も旅行に行くハードスケジュールらしい。
永海「うん。サプライズ旅行だから場所は聞いてないけど楽しみなんだー。」
永海は嬉しそうに旅行先を予想していく。
夏「じゃあ再来週?」
永海「んー…。勝、待てるかな?」
永海は携帯を取り出し、お兄さんと電話し始める。
永海「…私はいるでしょ!んー…、じゃあ金曜日とかどう?」
永海が俺を見て答えを求めてくる。
仕事は俺の心境が落ち着いてまだ続けたいと思うならシフトを入れると、店長が言ってくれたので今はフリーみたいなもんだ。
元から予約してくれた人たちやいつも指名してくれるお客さんにしばらくの間、シフトに入れないことはメッセージで伝えたから少しの間だったら待っててくれそう。
だから、今週と来週で仕事をゆっくり休んで学生生活最後の夏休みを楽しんでもいいかな。
夏「俺は大丈夫。」
永海「夏は大丈夫だって!…うん、うん。もうすぐで家着く。」
永海がそういうと少し向こうに見えた青い紅葉がある印象的な家のすりガラスの玄関から明かりが漏れて、誰かが外に出てくるのが見える。
「門限18時だぞー。」
と、明かりがついた携帯を振りながらお兄さんの勝さんが俺たちに駆け寄ってくる。
永海「もう中学生じゃないんだけど。」
勝「にしても、てっぺん上るだろ。」
夏「すみません。俺の足が遅くて。」
勝「歩幅で時間稼ぎするな。」
永海「うるさいなぁ。ここまで送ってきてくれたんだからお礼しかないよ?」
勝「俺に勝てない男が永海を守れるか?」
永海「私よりは強いよ。体育祭で200m3本指に入ったからね。」
勝「それは逃げ足だろ。」
勝さんは本当に俺と遊びたいのか不思議なくらい俺を毛嫌いしてるような気がする。
なんで俺と遊びたいのか聞こうか迷っているとあっという間に永海たちの家についてしまった。
永海「送ってくれてありがとね。じゃあ来週の金曜日に引っ越し祝いしよ。 」
勝「…引っ越し祝い?」
夏「え!?いいよ…。」
お祝いとは縁遠い理由で引っ越すなんて言えない。
永海「夏の好きなご飯、一緒に作ろう?」
永海はお願いと顔でねだってくる。
夏「…分かった。楽しみにしてる。」
永海「うん!買い物も一緒に行こうね。」
勝「俺も行く。」
永海「うん!荷物係よろしくー。」
勝「車出す。」
夏「ありがとうございます。じゃあまたね。おやすみ。」
「「おやすみー。」」
と、2人に手を振って俺は急いで瑠愛くんの家に戻る電車に乗り込んだ。
→ ジャスティスインザボックス




