22:00
花火大会の余韻に浸りながら近くの居酒屋で少し呑み、空いたバスに乗っていたらもうこんな時間だ。
少しほろ酔い気分な愛海と永海は肩を組んでスキップをしながら少し先にホテルに向かっている。
永海は少し前まで悠とお揃いのヘアセットが崩れて落ち込んでいたとは思えないし、愛海は転びかけた子どもに手を差し伸べた代償にお腹へジュースをぶちまけられたけど気にしてない様子。
その2人の波長が合っていて、とても仲のいいカップルのように見えてしまう。
沙樹「…2人ってお似合いだよね。」
と、沙樹は俺が思ったことを口に出した。
夏「俺も思った。」
悠「そう?」
悠が不思議そうあの2人を見つめる。
あの様子を見て思わないのが不思議に感じるけどな。
沙樹「だってあんなに仲良いんだよ?」
悠「友達だからでしょ?」
沙樹「友達からの恋人かなって思うんだけど、どう思う?」
悠「んー…。」
悠は少し思考を巡らせ、沙樹との目線をバチっと合わせて
「ない。」
と、きっぱり答えた。
沙樹「なんで?」
悠「永海はもっと大人しい人が好き。」
沙樹「え?そうなの?」
悠「私の予想ね。」
と、悠は自慢げに言って顔で納得させようとしてくる。
沙樹が悠の推理を詳しく聞こうとしていると、先を歩いていた愛海と永海が声を上げる。
なんだかとても賑やかな会話が聞こえて少し駆け足で2人に追いつくと、ホテル前にたくさんの酒を買い物袋に入れている栄美先生とワイン瓶片手に明くんと将くんの肩を組む海阪先生。
その後を一くん、奏くん、海斗くんが歩いていた。
海阪「わぁっ!永海ちんだ!その浴衣どうした!?」
開口一番、クールで落ち着いている印象だった海阪先生が大声でそう言った。
愛海「みんなで花火大会行ってきたー!」
愛海は酒で気分が良かったのか、正直に花火大会のことを言った。
海阪「はぁっ!?なんで私を連れてかねぇーんだ!」
海阪先生は不安定なヒールを脱ぎ散らかして、愛海の首を腕で締め上げる。
栄美「恵美さん、靴履いてください。」
栄美先生は慣れた手つきでパンプスを拾い上げ、こっちに歩いてくる。
愛海「せんせぇ…、死ぬぅ。」
海坂「一回死んで詫びろ!…おぁっ?!沙樹ちゃんいるじゃん!」
と、後ろにいた俺たちに気づいたのか海阪先生は愛海の首から離れて沙樹に飛びつく。
沙樹「…えっと。どう…すれば…?」
栄美「間宮!恵美さんから離れろ!」
栄美先生が急にキレて沙樹に怒る。
どうやら2人して酔ってるらしい。
栄美先生は重い荷物を持ちながら必死に海阪先生を沙樹から離そうとするが、海阪先生は一向に沙樹から離れようとしない。
一「先生、酒乱パーティーは?」
と、ホテル前で一くんたちが少し呆れながら立ち尽くしていた。
海阪「そうだった!お前らも来い!酒は鈴人の奢りだ!」
栄美「やだ!間宮に呑ませる酒はない!」
俺たちは半ば強制的に海阪先生に連れられて栄美先生の部屋で呑み会することになった。
その呑み会はひどいもので隣の部屋から苦情がくるのではないかと思うほど騒ぎに騒ぎ、急に枕投げや栄美先生が発案したピンポンちゃんぽんと言うゲームをさせられて呑む量が増える。
俺はトイレに行くふりをしてこっそりと部屋を抜け出し、少し休憩をするためにその階にあるリラクゼーションルームで一息つく。
そういえば1番奥のマッサージチェアでカエデさんに育乳マッサージをしたなと思い出していると、俺を迎えに悠が来た。
悠「ずるい。私もマッサージしよ。」
と言って、俺の隣に座りマッサージチェアのリモコンを操作をし始める。
悠「分かんないや。」
と言って、リモコンを置き脚を抱える悠。
俺は代わりにリモコン操作をしようと悠の向こう側にあるリモコンに手を伸ばし、体を悠に覆い被さるような形になる。
若干酒臭い息を止めながら操作しようとしていると俺の唇に悠の唇が触れ、そのまま悠は腕で俺の頭を抱えて離さない。
俺は吸われる舌を引き抜こうとしたけど、頭を抱えられて思うように抜け出せない。
俺はその力に屈服して悠の口に舌を入れ込み、驚かせて離してもらう作戦に出ると悠は動じもせずにゆっくりと頭を離してくれた。
夏「…なに?」
俺はそんな悠に若干腹を立てながら聞く。
悠「ちゅーもだめ?」
潤んだ目でこちらを見てくる悠の言葉に呆れてると、悠は俺の首を腕で掴み顔を近づけてきた。
悠「自分でするからちゅーだけ。お願い。」
夏「1人でしなよ。」
悠「お昼もしたもん。」
夏「じゃあいいじゃん。」
悠「だめなの。」
悠が自分の体重を腕に込めて俺の体を寄せる。
お金をもない、恋愛感情もない相手にする意味が見つからない。
悠「舌だけ貸して。」
と、またお願いしてくる悠。
夏「なんで俺なの?」
悠「こんなの誰にも言えないよ。」
夏「俺にも言わないでよ。」
悠「無理。私のこと知ってるんだもん。」
勝手に自分でバラしたんじゃん。
この前までなにも知らない子だったのに…。
夏「…バレるよ?」
悠「すぐ終わるから。」
夏「…、1分ね。」
しかたなく俺が悠の口の中に舌を入れ込むと、悠は自分の体を触れ漏れる声を必死に抑える。
夏「じゅうぅ…、きゅうぅ…」
俺はキスしながらカウントダウンをすると悠は声を抑えるのを忘れ、自分の快楽に溺れる。
夏「はぁちぃ…、なぁなぁ…、ろぉくぅ…」
あの夜と同じように俺の首を力強く締め付け始める悠。
悠「…ぁはあ、…すきぃ。」
と、悠は潤ついた目で俺の目を見ながら吐息混じりに言葉を吐く。
夏「ごぉお…、よぉん…、さぁん…」
俺が無感情で数を数える顔を見ながら、悠は体を波打たせ自分で触れるのをやめると最後の2秒でキスを全力で味わいやっと離してくれる。
悠「どうしよ…。びちょびちょ…。」
悠は軽く手で隠しながら掬いあげるけれど、意味をなさない。
夏「知らないよ。自分でなんとかしな。」
俺は立ち上がり、部屋を戻ろうとすると湿った手が俺の手を掴んできた。
悠「…待って。立てないから。」
夏「…早く。」
悠が立ち上がるまで、俺はその場で待たされる。
なんで合宿でこんなことしないといけないんだろう。
俺がこうなってしまった経緯を考えていると悠は息を整えながら少し乱れた浴衣を直して、ふらつきながら立ち上がる。
悠「…ティッシュ。」
夏「部屋戻ってトイレ借りなよ。」
悠「んんー…、気持ち悪い…。」
夏「自分のせいでしょ?」
俺は悠のわがままに呆れながら栄美先生の部屋に戻り、1番強い酒を一気呑みしてみんなの歓声を浴びた後そのままベッドに倒れ眠りについた。
→ 夜風とハヤブサ




