7:00
少し肌寒さを感じて目が冷めると公園にいたはずの俺は、いつの間にか家に帰ってきていたらしい。
何故か服は着ていないまま布団の中で寝ていたらしいけど、よく熱だけで済んだなと思う。
俺は起き上がって辺りを見渡すと飲みかけの水と解熱剤が机の上に置いてあった。
こんなに覚えてないことが多いのに薬はちゃんと飲んだんだと自分に関心していると、人の寝息が聞こえてそちらに顔を向けると俺のお気に入りのシャツとズボンを着ている一くんがうつ伏せになって床の上で寝ていた。
…もしかして一くんが全部やってくれたの?
俺は立ち上がり、軽くなった体で寝てる一くんに薄手の毛布をかけて枕を顔の下に入れる。
俺はそのままボサボサになった髪の毛を一気に直すためにシャワーを浴びて、部屋に戻ると一くんは起きていた。
夏「あ、一くん。俺のこと送ってくれてありがとう。」
一「熱、引いたのか?」
夏「うん。薬、買ってくれたんだよね?」
一「ここら辺周りに何もなさすぎだろ。」
…え?
まさかあの遠いドラックストアまで行ってくれたの?
俺、全く覚えてない。
夏「もしかして、遠いあのドラックストアまで行ってくれたの?」
一「1番近いのがそこしかなかったから。」
眠そうに立ち上がり、俺の方に近づいてくる一くん。
もしかしたら公園で寝てる間に一くんが俺を家に連れ帰ってくれたのか。
夏「本当、ありがとう。」
俺がお礼を言うと一くんは俺の後ろを指した。
一「俺もシャワー浴びていい?」
俺はタオルを用意しようとしたけど、一くんは昨日で俺の家の物の把握をしたらしく、自分でタオルを取ってシャワーに入った。
今度お礼しないと。
俺は空っぽのお腹に食べかけのバナナを入れよう
と思い、冷蔵庫を開けると自分で買った覚えがないフルーツゼリーとスポーツドリンクが大量に入っていた。
これも一くんが用意してくれたものなんだろう。
しかも冷蔵庫の横にはレトルトのお粥も数個置いてあり、俺のためを思って買ってくれたの感じる。
この間は喧嘩しちゃったけど、そんなこと気にせずに俺のこと助けてくれるなんてどんだけいい人なんだろう。
俺はありがたく冷えたゼリーを食べているとシャワーを浴びた一くんが急に俺に謝ってきた。
一 「この間はごめん。」
夏「…なんのこと?」
一「姐さんの事。」
マサキさんのことを気にしてても、ただのクラスメイトにこんなこと出来ちゃうのか。
夏「…俺もごめん。言葉、間違えた。」
一「お前は悪くない。俺が八つ当たりしただけだから。」
ただ自分の思いを必死にぶつける人ばかりなのに一くんは自分気持ちを抑えて俺を悪くないという。
一くん、俺は悪いんだよ。
自分の仕事にどこか引け目を感じてなければきっと本当のことを言えたはずなんだ。
一くんは今いい人なんだって理解したけど、やっぱり俺をさらけ出すのは難しいっぽい。
夏「俺があの時、機嫌が悪かったから当たっちゃった。」
少しの沈黙が流れ、どうしても謝罪の言葉を言いたくなり言葉にすると一くんと同時に同じ言葉を発した。
「「ごめん。」」
一「…これでおしまい。俺、特別授業に出るから。」
と言って、一くんはハンガーにかけていた自分の服を着て学校に向かう準備をしてあっという間に外に出るので、俺は急いで準備をして一くんの後を追う。
俺はなんとかお礼をしたくて1ヶ月に1度、自分へのご褒美として食べている青果店のフルーツボールを一くんにご馳走する。
一くんは目を輝かせながら1つ1つ綺麗に飾られたフルーツを美味しそうに食べてくれる。
俺もこんな風に素直に顔に出せていたら周りの人たちは優しくしてくれたのかな。
俺は少し寂しい思い出をふと思い出しながら一くんと一緒に学校に向かった。
→ Wake up Where You Are




