22:00
あれ…。
俺、病院行けてなくない…?
朦朧とする意識の中、周りを見渡すとハイカラ町近くにある病院に行くまでにあった公園のベンチで休んだまま、夜になっていた。
今日は仕事が休みで良かった。
こんなぼやぼやとした意識のまま仕事なんて出来ない。
俺は起き上がろうとしたけど節々が痛くて断念する。
少しだけ体をずらして徐々に起き上がろうとする間に何度も眠りに落ちてしまう。
病院まだ間に合うかな…?
「おい、風邪引くぞ。」
と、若めの男性の声が聞こえて脳みそだけ起きる。
夏「もう、引いてるかも。」
夏の蒸し暑い夜のせいか、乾ききった舌が呂律が上手く回してくれない。
ちゃんと伝わっただろうか…?
俺がそんなことで悩んでいると、男性は俺の手を掴み体を起こして甘い烏龍茶を飲ませてくれる。
夏「おいしい。」
「そんなこと言ってる場合じゃないだろ。家は?」
夏「歩いて帰れる。」
俺はそのまま立ち上がったけど、目が重すぎて全く開かなかったので断念してベンチに座る。
夏「…無理。」
「そりゃ無理だろうよ。目開けないでどう帰るんだ。」
と言い、その男性は俺の肩を担いで住所を聞いてきたので送ってもらうことにした。
すると、目の前に車が止まる音がすると俺は車内に詰められ、男性は俺の住所を運転手に言うと車が動き出す。
夏「お金、ない。」
「俺が勝手に乗ったんだ。出す。」
夏「…えー…、それは申し訳ないぃ…。おれぇが、だぢまぁ…」
呂律が回らなくなり自分でも何を言ってるのか分からなくなったけど、とりあえず伝えようとしているとあっという間に家に着いたらしく降ろされる。
夏「お金…。」
「俺が出したから。」
そのまま男性は階段を登って俺を柔らかい布団の上に置き、服の着替えまでしてくれる。
暑い中、公園のベンチで寝てしまったから汗でベトベトだった服を変えてもらえて、気持ちよくなってしまい俺はそのまま眠ってしまった。
けれど、携帯の通知音ですぐさま目を覚まして少し回復した意識の中、返信をしてついでに風呂に入ることにした。
せっかく着せてもらった服も汗でもうべたついている。
家の中には俺を介抱してくれた人はいなくなっていてお礼も言えなかった。
声だけしか記憶に残ってない人って探せるのかなと思いながら風呂の準備をして向かう。
俺はバスタブに入り座りながらぬるめのシャワーを浴びて、優しい滝行のように汗を流していると玄関が開く音が聞こえる。
こんな時に強盗が来たのか?
俺は戦う気力もなくてそのまま少し冷たくて気持ちいシャワーに打たれながら寝ようとすると、体を持ち上げられた。
どうやらさっきの人が帰ってきたらしい。
俺はお礼を言おうとしたけれど、乱暴に顔を拭かれて言葉がつぶされてしまった。
その人にされるがまま、俺はタオルを巻かれて布団に叩きつけられて薬を飲まされる。
「…疲れた。」
その人の姿を捉えようとしたけれど、全く視点が合わないず人影がぼやけて見えるだけ。
誰か分からないけど俺の面倒を見てくれたらしい。
俺はお礼を言おうと口を動かそうとするが、重くて開かず断念してまた眠りに入ってしまった。
→ Counting Stars




