12:00
ああ、なんだか頭がクラクラする。
少し体も熱っぽい。…なんかもらっちゃったかな。
俺は冷えた水を額に当てながら机の上に突っ伏していると肩を誰かに叩かれる。
愛海「大丈夫か?」
俺は体を起こし、乱れた前髪を整えて作り笑顔をする。
夏「うん。少し熱っぽいだけ。学校終わったら病院行ってみる。」
愛海「ほっぺた赤いぞ?本当に大丈夫なのか?」
夏「授業は受けられるよ。」
愛海「そうか…?無理するなよ?」
夏「うん。ありがとう。」
愛海と話していると栄美先生と沙樹が一緒に教室に入ってきて教壇に立った。
栄美「みんな、おはよう。出席とったら来週にある合宿の話するからメモの準備しとけ。」
栄美先生は出席をとって合宿のしおりを配り、自分の用意したメモを沙樹に読ませる。
沙樹の声はいつも聞くものより気だるくに聞こえる。
俺はその間、体を起こしたまま目を瞑り少しでも頭の靄と熱を晴らすために眠ることにした。
「…夏。」
俺の名前を呼ばれ、おでこに冷たいものが当たったことに気づいて目を覚ますと、永海が俺のおでこに缶のオレンジジュースを優しく当てていた。
俺の目の前で心配そうに笑いかけてくれる永海があの日のことを思い出させて少し目が潤んだ。
夏「…あれ?みんなは?」
俺は潤んだ目を見られないように周りに顔を背けると教室は電気が消されていて、周りを見ると俺と永海しかいない。
永海「愛海は沙樹の手伝いで職員室行って、みんなは次の授業の教室に移動した。」
夏「…悠さんも?」
永海「先に行って私たちの道具準備してくれてる。」
夏「そっか…。行かないとね。」
俺が立ち上がろうとすると永海は俺の肩を掴み、そのまま座らせる。
永海「熱っぽいでしょ?帰ればいいじゃん。」
夏「授業あるし、学校終わったら病院行くつもり。」
永海「なんでそんなに授業に出たいの?」
永海は俺の行動が不思議なのか首を傾げながら、心配そうに眉間にシワを寄せる。
夏「払ってる分は回収しないと。」
永海「…それだけ?」
夏「他にあるの?」
永海「…分かんない。あげる。」
と言って、永海は俺の前にオレンジジュースを置いた。
夏「ありがとう。」
永海「水分取って。」
夏「うん。」
俺は貰ったオレンジジュースを飲んだ。
いつもよりも酸味と甘みがとても強く感じる。
しかもこのオレンジジュース、果肉が入ってるいいやつだ。
夏「授業あと何分で始まる?」
永海「3分。」
夏「教室は?」
永海「南棟4A。」
夏「…間に合わないじゃん。」
俺は重い体を動かして立つが思っていたより体が動かない。
永海「沙樹たちより先に行けばOK。」
と、永海は俺の手を取ってふらつく足元を支えてくれる。
夏「重いでしょ。大丈夫だから。」
永海「愛海に頼まれたから。」
そう言って永海は俺の体をずっと支えたまま、4Aの教室まで連れてってくれた。
教室を見ると栄美先生の手伝いに行った沙樹たちは来てない様子。
クラスの人たちはその自由時間に楽しそうにおしゃべりしているけど、それが頭に響いてクラクラする。
その様子を見て永海は俺たちの班まで手を引いて席に座らせてくれる。
悠「大丈夫?」
悠さんが俺の顔を覗き込んで心配そうな顔をする。
夏「うん。永海から貰ったオレンジジュースで元気出た。」
悠「私も飲みたい。」
永海「授業終わったら買いに行こ。」
2人の会話を耳にしながら机に手をかけて体を支える。
朝はそんなに体がだるくなかったから断らなかったけど、瑠愛くんに移してないかな。
俺は瑠愛くんにごめんなさいメッセージを送り、そのまま授業が始まるのを待ちながら少しの間眠りについた。
→ 瞬間ドラマチック




