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そんなに好きなら、もうその世界に転生してしまいなさい。  作者: 葉山麻代


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20 オムライス弁当

光明(みつあき)君、明日朝から来れたりしない?」


 土曜日の仕事上がりに声をかけられた。


「大丈夫です。何時から来ましょうか?」

「ありがとう! パートさん都合付かなくて。お弁当の特注が入ったのよ。9時から11時くらい大丈夫そう?」

「はい。9時に作業できるように来ますね」

「助かったわぁ。よろしくね」



 翌日8:50頃に店に着くと、社長の奥さんがフライパンで何か薄いものを焼いていた。クレープかな?薄焼き卵かな?


「おはようございます」

「おはよう。光明(みつあき)君、今日は急な要請なのにありがとうね」

「いえいえ、アルバイト代が入るので、お気になさらないでください」


 エプロンと手袋をして戻ってくると、社長の奥さんは、炊飯器を開け、少し色の付いたご飯をボールに移してから何かを混ぜていた。


「僕でも出来そうなら、代わります」

「チキンライスに、隣に置いてあるミックスベジタブルと鶏肉の炒めたのを混ぜておいて貰える?」

「はい」


 炊き込みのチキンライスは、炊飯器3台分有るようだ。鶏肉は入っていなくて、チキンブイヨンを入れて炊いた味付けごはんらしい、。とりあえず1台の炊飯器のご飯をボールに移し、指示通りミックスベジタブルと鶏肉をケチャップで炒めたものを混ぜた。


「混ぜました」

「そしたら、この器にこの薄焼き卵を敷いて、チキンライスを玉子込みで400g量って中に入れてください」


 半球型のお椀のような型が5つある。そっと薄焼き卵を敷き、量りながらチキンライスを入れていく。便宜上 薄焼き卵と呼んでいるけど、割と厚みがある。


「5個出来たらどうしますか?」

「玉子を閉じるように端をまとめてから、積んである容器にパカッとひっくり返してください」


 お弁当用のどんぶり型の空容器も積んであるので、5つを容器に移した。そしてまた薄焼き卵を敷き、量りながらチキンライスを入れていく。


 30個くらい作ったところで、社長の奥さんも玉子を焼き終えたらしく、ボール2つを持ってこちらにきた。


「46個出来たら、この唐揚げ2つ、ブロッコリー1つを添えて、蓋をします。蓋の横には、ケチャップと使い捨てスプーンをセロハンテープで貼り付けてください」

「はい」


 張り付けるのが蓋の横部分なのは、上に貼り付けたら、お弁当が重ねられなくなるからだ。


 唐揚げは不公平にならないように、大きさの違いを考慮して2つを選んで詰めた。ブロッコリーは、大きいものは最初から割ってあり、一つずつ詰めれば良いようだった。


「チキンライスのあまり20gくらいね。詰めちゃいましょ」


 社長の奥さんは、46個と言っていたのに47個仕上げていた。最後の1つは、唐揚げ3ことブロッコリーの細かいのがたくさん入っていた。


 チキンライスを3升炊いてオムライス用のミックスベジタブルと鶏肉をまぜると、量り間違えなければ47食分出来るらしい。ご飯1升の炊き上がりは3300gくらいで、オムライス1人前のご飯約210g、玉子焼き約110g、ミックスベジタブルと鶏肉で約80gなのだそうだ。


光明(みつあき)君、これ食べる?」

「ありがとうございます」


 47個目の、少し色々多いオムライスをくれた。


 お弁当を取りに来た人に引き渡し、車まで運ぶのを手伝った。


「急な注文を対応してくれてありがとさん。これ良かったら飲んでよ」


 僕と社長の奥さんに、ペットボトルのドリンクをくれた。


「ありがとうございます。いただきます」

「素直に受け取ってくれると嬉しいねぇ」

「あら、私も素直に受け取るわよ?」

「あははは」


 笑った後小声で、素直な大人は怖いねぇ。と呟いていた。


光明(みつあき)君、この後どうするの? 仮眠するなら休憩室使ってね」

「ありがとうございます。17時までは時間があるので、一旦家に帰ろうと思います」


 まだ6時間もあるのだ。


「そうなのね。気を付けて帰ってね」

「はい。また17時に来ますね」


 家に帰り、貰ったオムライスのお弁当を食べてみた。

 冷めても柔らかい唐揚げと、少し味の付いたブロッコリーがとても美味しかった。オムライスは、美味しいけど冷たいのはなんだか不思議だった。


 このブロッコリーは、どうやって作るんだろう?



 後日作り方を聞いたら、茹でた後、だし汁に漬け込むと教えてくれた。家庭なら、めんつゆで良いらしい。

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