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ミノタウロスじゃありません!  作者: name


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34/45

オモスvsチーホー

「わかった、正々堂々勝負しよう」

「「?」」


「モォォー!!!」



「ミノワさんも楽しそうですね」

 闘技場に響き渡る咆哮にカイトたちは状況を理解した。

「さすがはアニキ。オモス、サクヤ」

「「うむ(ええ)」」

 

 返事をするとオモスとサクヤは前に出る。


「二対二、それもホプライトとソーサラーよ。これで満足でしょ」

「……正々堂々……勝負」

 まさかの行動に、テンホーとチーホーは驚きを隠せない。

「やるの? やらないの?」


「や、やってやるよ、なあチーホー」

「うん、やってやろうテンホー」

 ダメージが残っており、まともに戦えない双子だったが、自分たちが言い出した手前、逃げるわけにもいかず勝負を受けた。


「リーヴお願い」

「了解ですサクヤ」

 返事をすると、リーヴはテンホーとチーホーのもとへ歩き出した。

「な、なんだよ」

「や、やる気か」

 警戒する二人にリーヴは「危害は加えませんよ」と優しく言い、二人に向って手を翳す。


「ヒール」


 なんと、リーヴは敵であるテンホーとチーホーを回復した。これには当人はおろか観衆も驚き、会場が騒めいた。

「な、なんで?」

「わたしたち箕輪家は正々堂々がモットーなの」

 ウインクしながら答えるサクヤに、呆れるテンホーだったが心の奥がムズムズした。それはチーホーも同じだ。何かはわからないが、二人ともその感覚が嫌ではなかった。


「ワクワクするねテンホー」

「ワクワクするよチーホー」

 二人はオモスとサクヤに笑顔を向けた。

 サクヤとテンホー、オモスとチーホーが互いに向かい合う。


「……正々堂々」

「いざ尋常に」

「「「「勝負!」」」」


 第二ラウンド、同じ天職どうしのシングルマッチが開始された。


「えい!」

「ふん!」

 金属のぶつかる音が響く。

 オモスとチーホー、お互い相手の攻撃を盾で防ぐと反撃、を繰り返す。防御に特化したホプライト同士の戦いは、互いに相手の防御をかいくぐることが難しかった。

 永遠に続くのかと思われた攻防だったが、時間がたつにつれ二人に差が出始める。

「ふん!」

「くっ!」

 チーホーは攻撃を盾で防ぐも、踏みとどまることができず後退し反撃することができなかった。


「はぁ、はぁ、はぁ……」

「……」

 肩で息をするチーホー。それに対してオモスは息を切らしてはいない。

 体力の差、攻撃を続けるのも体力がいる。ミノワに鍛えられたオモスの体力はチーホーを凌駕していた。


「……終わりか?」

「くっそー」

 気力を振り絞りチーホーは突きを繰り出す。

「ふん!」

 オモスは突きを盾ではなくメイスで弾くと、体力が減り力の入らないチーホーの手からハルバードが離れ、後方へ飛んでいく。


「「シールドアタック」」


 すかさずオモスがシールドアタックで追撃すると、チーホーも咄嗟に同じスキルを繰り出した。

 盾と盾が激しくぶつかる、ホプライトとして互いの意地を懸けた絶対に引けない戦い。


「うわぁー」


 その戦いに勝ったのはオモスだった。

 オモスのパワーに耐えきれずチーホーは吹っ飛んだ。

 同じ技でも使用者によって威力は異なる。まして体力切れのチーホーと、体力に余力があるオモスとではその差は歴然である。

 基礎体力の差が勝敗を分けたのだ。


「まだだ!」

 気力で立ち上がるチーホーだが、両手を膝に前屈みのチーホーは、立っているのがやっとといった様子だった。

 チーホーの後には飛ばされた盾が見える。武器も盾も失ったチーホーに、戦う術は残されていない。 

 それでも立ち上がったのはホプライトとして、いやワーカーの先輩としての意地だった。


「……その気力に敬意を」

 オモスはメイスと盾を手放すとチーホーの元へ歩み寄り前屈みのチーホーの体に両腕を回しクラッチすると、一気に持ち上げる。

 物凄い力で上下逆さまに持ち上げられたチーホーに抗う術はなく、その力に身を任せるしかなかった。


「ふん!」

 オモスはチーホーの体を地面に叩きつける。


『パワーボム』


 受け身の取れないチーホーはパワーボムの威力をまともに受けそのまま失神した。

お読みいただきありがとうございます。

次話もご一読いただければ幸いです。

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