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ノア・アーク ― 神々と人が生きる方舟 ―  作者: ヤノチャン
十章 死の商人

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新たなる風


ー 新たなる風 ー


二週間後


アーセナル・ノア支社は、完成していた。


巨大な支社ビルと整然と並ぶ工場群。


その全てがノアの一部として機能し始めていた。


「おぉ!ここか!うわぁ…すごい…ほぼできてるじゃん。」


タカヤは支社ビルを見上げて呟いた。


「うわ!ほんとすごい!入ってみたいね!」


モックは目を輝かせる。


「あのぉ…おーい… こら!神帝様方…

工事の邪魔ですよ!帰りましょう。」


ウォンが呆れ顔で声をかける。


「はぁーい」


名残惜しそうに二人はその場を後にする。


ー 翌日


工事は無事完工。


アーセナル社の社員とその家族が総勢五百名。


彼らは整列し順番に検問を待っていた。


「へぇ〜…一人ずつ検問を通るのね…」


セレネが静かに呟く。


「まぁね、一応"国"やからね。」


ヒメナが答える。


「まぁね…疑ってるわけじゃないけど…色々確認してからその後、住民IDの発行…って流れがうちのやり方よ。」


「うん。私はそれが正しいと思うわ。」


セレネは頷きゆっくりとヒメナを見る。


「あの…キドウ司令?私の妹と、大切な社員とその家族達をこれからよろしくね。」


「うん、任せて、しっかり働いてもらうよ。」


ヒメナはセレネは目を合わせ笑い合う。


「……リリアちゃん、しっかりね。期待してるわよ。」


短い言葉だがその一言に全てが込められていた。


セレネはその一言を残し艦橋を後にする。


ー 第六港岸壁


「みんな!今回の仕事は終了よ。

今回は長かったわね!さぁ、月に帰りましょう。

家族が待ってる。」


セレネの部下達は一斉に動き出す。


「お姉様…また会いましょう…」


リリアが声をかける。


「えぇ…またすぐに…」


それ以上の言葉は必要なかった。


セレネの船が静かに浮上する。


無駄のない美しい出航そのまま静かに宇宙へと消えていった。


「はぁ…」


リリアは小さく息を吐く。


(ついに私も…ノアの住民か…)


そのため息にはわずかな戸惑いとほんの少しの期待が混じっていた。


彼女は振り返り一歩踏み出す、

その場所はもう“訪問先”ではない。


「……ま、社命だしね…やるしかないか!」


彼女は小さく笑い、


ノアの中へと戻っていった。


ー 数時間後


「キドウ司令!ノアに訪問者――

天王星星竜王、テンオオ殿下です!」


「テンオオ様か…」


ヒメナはすぐに立ち上がる。


「丁重にお出迎えして。私もすぐ行く。

あっ、あとさ神帝四人、全員呼んどいて!」


ー 第六港岸壁


黒塗りの車列が静かに並んでいた。


「おぉ…やっぱり大きいな!」


テンオオはノアを見上げる。


「立派じゃ、立派!」


その声には、純粋な感嘆が混じっていた。


「殿下…キドウ司令が到着されました」


その隣に立つのは天王軍部最高司令官"レイ・ヴァルディア"


ヒメナは小走りでテンオオの元へ駆け寄る。


「これはこれは、テンオオ様…お久しぶりです。お待たせしました。」


ヒメナが軽く頭を下げる。


「ようこそ、ノアへ」


「おぉ!ヒメナちゃん!」


テンオオが笑顔を見せる。


「久しいな!木星での件、聞いたぞ。

大変だったな…無事で何よりだ。」


「まぁ…大変でした…二度とごめんです。」


「それよりテンオオ様何か相談があると聞きましたが?」


「うん、あるよ…」


テンオオは周囲を見渡す。


「ここじゃなんですね…中で話しましょう。」


ー ノア 貴賓室


「キドウ司令、星竜王テンオオ殿下、竜将ヴァルディア様、入られます」


重厚な扉が開く。


室内には、すでにノアの神帝達が揃っていた。


「おぉ!みんな!」


テンオオが手を広げる。


「久しぶりだね!会いたかったよ!メイン!其方は相変わらず可愛いね!」


「ハハ!ありがとね!テンさん!お久しぶりです!

お子様達は元気ですか?また会いたいな!」


「近いうちにね!」


メインが笑顔で返し場の空気が少し和らぐ。


全員が席に着きテンオオは話を始める。


「まず時間をくれてありがとう。相談って言ってもこっちの事情なんだけどね」


表情がわずかに引き締まる。


「ここ最近ね…“神格再編機関”の動きが活発でさ…

うちは太陽系の端だし、宙帝の出現も多いんよ…

正直捌ききれなくなってきてるんだ。」


「軍部も、そろそろ限界でね。

ヴァルディア君もほぼ出ずっぱり…

ずっと交戦してるんだ…

少し休ませてやりたい。」


「殿下…私はまだまだやれますよ!」


「はぁ…少し黙っておきなさい。」


「……御意」


テンオオはヒメナを見る。


「そこでだ!ここからが相談…

ノアに少し手伝ってもらえないか?

神帝を派遣してほしい…」


「神帝仲間の頼みだ…頼まれてくれないか?」


(テンオオは十一神帝の一角)


神帝達の視線が一気にヒメナに集まる。


「……ん〜…」


(神帝四人を派遣ならノアの戦力は半減…

だがまだ大神官もルシファー様もいる…

神帝の完全派遣では無く待機場をノアにするならもしもの時の神帝の稼働も可能…)


ヒメナは腕を組む。


「ん〜!いいやろ!とりあえず一ヶ月

神帝を派遣しましょう…」


「ありがとう!ヒメナちゃん!」


「ただし…」


ヒメナが軽く笑う。


「今日から第六港は無償で使わせてもらいますね!」


テンオオの顔が綻ぶ。


「ははっ!それくらい安いものだ!好きなだけ使え!」


「じゃー交渉成立だね!」


ヒメナとテンオオが立ち上がり固く握手を交わす。


その瞬間ノアと天王星の二つの勢力の連携が正式に結ばれた。


「って事で…」


ヒメナが小さく呟く。


「四人共とりあえず戦闘準備ね!艦橋にて待機。バックアップはするよ。よろしくね…」


「えっ?い、今からですか?」


「うん。今から…いつ来るかわからんやろ!」


「あっ、はい…」


神帝達の顔は引きつっていたがテンオオとヴァルディアは笑みで溢れていた。


十章・完

十一章へと続く…


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