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ノア・アーク ― 神々と人が生きる方舟 ―  作者: ヤノチャン
十章 死の商人

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商人の流儀


ー 商人の流儀 ー


「こちら神軍所属宇宙空母ノア、天王星軍部第六港に入港します。」


「了解した。門を開ける。ゆっくりと入港お願いします。」


軍部第六港オペレーターは静かに言う。


巨大なゲートがゆっくりと開いていく。


ー 第六港


それは超大型艦すら余裕で受け入れる規格外の港だった。


宇宙空母ノアはその巨体を滑らせるように進入する。


ー 数分後。


ノアは無事に着岸。


岸壁はすでに準備が整っていた、山のように積まれた物資、整然と並ぶコンテナ。


そして無駄のない動きで配置されたヘリオス・アーセナル社の作業員達。


その中心に一人の女性が立っていた。


彼女の名は"セレネ・ヘリオス"


ヘリオス家次女でリリアの二つ上の姉。


長い髪を風に揺らし、


静かにノアを見上げている。


その視線に感情はほとんどなく“仕事”を見ている目だった。


「上陸許可」


スピーカーを通してノア全体に響き渡る。


ー 数分後


ヒメナは大神官二名を護衛に付けリリアと共に船を降りる。


「あら…リリア、遅かったわね…」


「申し訳ありません…セレネお姉様…

少しですが宙帝といろいろありまして…」


「あー、知ってるわ…

荷物を取られたんだってね。」


セレネは興味なさそうに頷く。


「まぁ…無事で何よりよ」


一歩前に出る。


「で、あなたが…キドウ司令?」


セレネは名刺をヒメナに手渡す。


「はい、お初にお目に掛かります」


ヒメナは軽く頭を下げる。


「ノア統合司令、キドウ・ヒメナと申します。この度は…」


「こちらこそ」


セレネが遮る。


「いつもありがとうね。リリアがお世話になってます。これからもよろしくね。」


その言葉は柔らかい。


だがそこに感情はほとんど乗っていない。


ただの“優良顧客への対応”である。


誰が見ても一瞬で分かる。この女は完全に“利益損益で動いている”。


「それでは、積み込み致しましょう」


セレネが軽く手を上げるとその一動作で全作業員が一斉に動き出す。


無駄も迷いもない。まるで働き蟻のような統制。


「では、手伝いを…」


ヒメナが言いかける。


「いえ、結構よ…船に載せるまでは我々の仕事です」


セレネは淡々と続ける。


「その代金も、すでにお支払いいただいていますから」


その言葉に一切の揺らぎはない。


「…ハハハ…そうかい」


ヒメナは小さく笑う。


「お姉様はそう言う人間よ…」


リリアは小さく呟く。


「積み込みは三十分で終わらせろ、

それまでに最終確認だけ済ませておいて不備は許さない。怪我だけはするな…お前達は我が社の大切な資産だ…さぁ、働け…"時は金なり"…」


「はいっ!」


現場がさらに加速する。


リリアが小さく笑う。


「あぁ…怖い…部下じゃなくてよかったわ…

お姉様は完璧主義だからな…」


ヒメナは腕を組みながら呟く。


「……なるほどな」


現代の戦争の裏には必ず彼女達がいる。


戦争を裏で回す"死神"である。


(続)


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公開情報


・セレネ・ヘリオス 二十九歳 女性 from月

 ヘリオス家次女でリリアの二つ上の姉。

 






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