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ノア・アーク ― 神々と人が生きる方舟 ―  作者: ヤノチャン
十章 死の商人

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商談のその後に


ー 商談のその後に ー


「はい!次の話!」


空気を切り替えるようにリリアが言う。


そして自然な動作で、タカヤの肩に手を置いた。


「私はいつでもできますよ…結婚…」


リリアは微笑む。


「はぁ…やっぱり…」


ヒメナはニヤリと笑い、腕を組む。


「ほら来た、見ものだ…」


「リリアさん…ごめんなさい…まだ結婚する気が…」


タカヤはなんとか言葉を絞り出す。


「なに?心に決めた人でもいるの?」


リリアの距離がさらに近くなる。


「私じゃダメなの?」


「いや…そう言う訳じゃ…」


完全に押されていて逃げ場はない。


「私はね…数年前に命を救われてから

あなたに心底惚れ込んでいるの…」


リリアの声が少しだけ柔らかくなり部屋の空気が変わった。


先ほどまでの“商人”ではない…一人の“女”の声だった。


「何も婿養子に来いと言ってる訳じゃないのよ?

お父様もあなたになら…

ヘリオス・アーセナル社を任せられると

言っていました。」


「お!いいやん!社長やん!結婚しや!」


ヒメナが即ツッコミを入れる。


「タカヤくんが私を貰ってくれたら…

ノアと会社の関係はもっとよくなるはずよ!」


リリアは一歩も引かない。


「ノアに支社を作っちゃったりして!」


「それはいい案ですね…」


アーセナル社の社員も頷き出す。


「ハハ…」


乾いた笑い……タカヤのHPはゼロに近い。


「お姉様達も私の相手はタカヤくんならと言ってくれている…」


その一言で空気がさらに重くなる。


(姉も賛成って……これは逃げ場ないね…)


「ハハ…ハハハ…ハハ…」


笑うしかなかった。


ドサッ


「タカヤ!?」


ヒメナが驚く。


タカヤはその場に倒れ込んでいた。


「…あーあ…気絶…」


リリアは冷静に言い小さく笑った。


「あぁ…やっぱり、かわいい…」


ピピピー


鋭い電子音が、空気を切り裂く。


ヒメナの端末が震えた。


「ん?どーした?」


「ヒメナさん…宙帝艦が六艦接近中です。」


中央管制室長の声。


「はぁ…今か…」


ヒメナの表情が変わる。


「各砲塔部隊に警戒命令。いつでも撃てる準備を整えといて…」


「了解!」


空気が張り詰める。


「リリア!」


「ん?どうしたの?」


相変わらず穏やかな笑み。


「あなた…付けられてなかった?

宙帝艦が接近中みたいなんだけど…」


「あっ…」


リリアは軽く手を打つ。


「実はね…この前、無人のコンテナ船を拿捕されてね…宙帝艦もろとも爆破してやったんだよね!」


「ハハハ!」


「ハハハじゃないよ!!」


ヒメナのツッコミが炸裂する。


「はぁ…報復か…

まぁ…来るとは思ってたけど」


リリアは肩をすくめる。


「……あんたさぁ…」


ヒメナは額を押さえる。


その間にも状況は進んでいた。


「敵艦、距離詰めてきます!もう少しで射程圏内」


ヒメナはゆっくりと息を吐いた。


「……しゃーないな、迎撃や…」


「リリア!迎撃料って事で気持ちの値下げをお願いね。」


その一言で、全てが動き出す。


「……ん」


タカヤがわずかに目を覚ます。


(あったかい……?)


視界に入るのはリリア・ヘリオス


「なぜリリアさんの膝の上で…」


「まだ寝てていいわよ」


優しく頭を撫でる。


リリアはタカヤを膝に乗せたまま窓の外のコロニー街を見ていた。


(続)






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