笑う商人
ー 笑う商人 ー
ガチャ…ドアが開く。
「タカヤ!いてよかったよ!」
「はぁ… だってさヒメナさんが怖い顔で絶対にいろと…」
「どうせ呼ばれる…あとで探しに行くのがめんどうだからね…」
「タカヤくん!会いたかったよ…」
満面の笑みで一直線に駆け寄る影。
リリア・ヘリオスだ…
「久しぶりね!元気だった?この前話した件…考えてくれたかしら?いい返事が聞きたいわ!」
「お、お久しぶりです。あ、え〜、んー…」
タカヤは一歩引く。
だがその距離は一瞬で詰められた。
「まっ、この話は後よ!」
リリアはくるりと振り返る。
「じゃ…ヒメナ…始めましょう…」
「そやね…始めよか…」
⸻
「それで、どれだけ欲しいの?」
リリアの声は柔らかい。
まるで友達とカフェでお話ししてるような…
一枚の紙がマッカーサーよりヒメナに手渡される。
「ありがと、ん…そだね…」
ヒメナは軽く指を折る。
「とりあえず弾薬は…いつものを五百万発ほど…種類は均等に割っといて」
「後、対艦ミサイル、迎撃ミサイル、トマホークを三千発ずつ」
「対神ミサイルを三十発」
「機動装甲車を二十台、戦闘機を二十機…ぐらいかな…」
ほんの一瞬だけ部屋が静寂に包まれる。
「ヒメナさん…あのね」
リリアが微笑む。
「我が社の倉庫を空にする気?」
誰かが息を飲む。
「……まぁ、いいわ、用意しましょう」
「そのかわり高いわよ…この量を短時間で用意するのよ…」
「承知してますよ、ちなみにいくらぐらい?」
「通貨は何で支払う?」
「じゃ…円で。」
リリアは電卓を弾く…ただの電卓ではない…桁が違う
「なら六千三百億よ…」
「リリア?端数は切れん?」
ヒメナの言葉にリリアの動きが止まる。
「端数とは?」
「三百億……」
ヒメナはニヤリと笑う。
数秒の沈黙。
「はぁ…あなたは馬鹿なの?
三百億が端数ですって?本気で言ってるの?
大丈夫?頭おかしいんじゃないの?」
「ハハハ、やっぱりダメか…」
「まぁ…ダメ!と言いたいところだけども…」
リリアは小さく肩をすくめる。
「今回はいいわよ…」
「えっ!何で!ほんまにいいの?」
「お父様からいつも言われてるのよ…相手が喜び次に繋がるなら…数百億など安いってね…まぁ…いつもうちで買ってくれてるからね…サービスよ!」
「ほんまありがとう!リリア!」
ヒメナが笑う。
「たぁだ!!料金は今日先払い…あとウチ以外から買うんじゃないわよ!」
「わかってるよ!」
「そんじゃこれからもご贔屓に…」
―契約成立。
リリアはにこやかに頭を下げた。
(続)




