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ノア・アーク ― 神々と人が生きる方舟 ―  作者: ヤノチャン
十章 死の商人

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笑う商人


ー 笑う商人 ー


ガチャ…ドアが開く。


「タカヤ!いてよかったよ!」


「はぁ… だってさヒメナさんが怖い顔で絶対にいろと…」


「どうせ呼ばれる…あとで探しに行くのがめんどうだからね…」


「タカヤくん!会いたかったよ…」


満面の笑みで一直線に駆け寄る影。


リリア・ヘリオスだ…


「久しぶりね!元気だった?この前話した件…考えてくれたかしら?いい返事が聞きたいわ!」


「お、お久しぶりです。あ、え〜、んー…」


タカヤは一歩引く。


だがその距離は一瞬で詰められた。


「まっ、この話は後よ!」


リリアはくるりと振り返る。


「じゃ…ヒメナ…始めましょう…」


「そやね…始めよか…」



「それで、どれだけ欲しいの?」


リリアの声は柔らかい。


まるで友達とカフェでお話ししてるような…


一枚の紙がマッカーサーよりヒメナに手渡される。


「ありがと、ん…そだね…」


ヒメナは軽く指を折る。


「とりあえず弾薬は…いつものを五百万発ほど…種類は均等に割っといて」


「後、対艦ミサイル、迎撃ミサイル、トマホークを三千発ずつ」


「対神ミサイルを三十発」


「機動装甲車を二十台、戦闘機を二十機…ぐらいかな…」


ほんの一瞬だけ部屋が静寂に包まれる。


「ヒメナさん…あのね」


リリアが微笑む。


「我が社の倉庫を空にする気?」


誰かが息を飲む。


「……まぁ、いいわ、用意しましょう」


「そのかわり高いわよ…この量を短時間で用意するのよ…」


「承知してますよ、ちなみにいくらぐらい?」


「通貨は何で支払う?」


「じゃ…円で。」


リリアは電卓を弾く…ただの電卓ではない…桁が違う


「なら六千三百億よ…」


「リリア?端数は切れん?」


ヒメナの言葉にリリアの動きが止まる。


「端数とは?」


「三百億……」


ヒメナはニヤリと笑う。


数秒の沈黙。


「はぁ…あなたは馬鹿なの?

三百億が端数ですって?本気で言ってるの?

大丈夫?頭おかしいんじゃないの?」


「ハハハ、やっぱりダメか…」


「まぁ…ダメ!と言いたいところだけども…」


リリアは小さく肩をすくめる。


「今回はいいわよ…」


「えっ!何で!ほんまにいいの?」


「お父様からいつも言われてるのよ…相手が喜び次に繋がるなら…数百億など安いってね…まぁ…いつもうちで買ってくれてるからね…サービスよ!」


「ほんまありがとう!リリア!」


ヒメナが笑う。


「たぁだ!!料金は今日先払い…あとウチ以外から買うんじゃないわよ!」


「わかってるよ!」


「そんじゃこれからもご贔屓に…」


―契約成立。


リリアはにこやかに頭を下げた。


(続)




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