死神三姉妹
ー 死神三姉妹 ー
木星宇宙ドックを出航して十日。
宇宙空母"ノア"はまだ木星宙域にいた…
その内部ではある問題が迫っていた。
度重なる戦闘により弾薬、ミサイル、機動装甲車のストックが少しずつだが減ってきている…
ー ノア 中央会議室
「ヒメナさん…今のままじゃ弾薬が足りません、ミサイルや装甲車も補充したい…決して無駄遣いはしてません…最近は使用頻度が…」
戦争司令マッカーサーが、静かに告げる。
「わかってるよ!そーやな…補充か…とりあえずあの子に電話してみるわ…」
ヒメナは頭を押さえる。
(気が進まんけど…)
「あ、あの…あの子って?」
参謀の一人が聞く。
「ヘリオス・アーセナル社やで…あそこが一番早いし信用できるからね…高いけど…」
「あー…あのお嬢様…」
空気が、わずかに重くなる。
「そーそー」
ヒメナは苦笑した。
だがその笑みは、どこか引きつっていた。
ー ノア 統合司令室
通信回線が開く。
「お久しぶり、聞こえますか?宇宙空母ノア統合司令のキドウです。」
「これはこれは…いつもお世話になっております。ヘリオス・アーセナル社のリリア・ヘリオスでございます。」
まるでAIのように無機質で整った声。
「こちらこそです…リリアさんに少し相談が…」
「えぇ…ヒメナさんの相談ならなんでも…ですが電話は嫌いです。打ち合わせの日程を決めましょう…ちなみに…今はどちらに?」
「今は木星宙域よ…座標は後で暗号メールで飛ばすわ。」
「了解です。では今より二十四時間後に宇宙戦闘輸送艦でお邪魔させていただきますね。」
「了解…待ってるね…」
通信が切れる。
(はぁ…明日くるのか…ちょっとめんどう…)
ヒメナは深く息を吐いた。
ピピピー
「タカヤ?いま大丈夫?」
「うん、大丈夫だけど、どーかした?」
「いや、二十四時間後にリリアがくるよ。」
一瞬の沈黙。
「げっ!リリア様が!ハハ…隠れとこ…」
"リリア・ヘリオス"
ヘリオス・アーセナル社の三女にして、
戦場すら商談の場に変える女… 二十八歳…
ヒメナとは同い年…
世間では彼女達三姉妹をこう呼ぶ"死神三姉妹"と…
リリアはノア就航当時からの担当である…
「タカヤ…やめときな…どこに逃げても見つかるで…」
「いやいやいや!今回は本気で!」
「無駄や、どうせ呼ばれる…探す私らの身にもなってみ!最初から来といて…」
「わかった…よ…」
リリアはタカヤの事がお気に入りだ。
詳しい理由は誰も知らない…
「前なんてなさ…三日間ずっと追いかけ回されとったやろ」
「やめてその話!あれはしんどかった…」
「今回は艦ごと来るらしいよ。」
「はぁ…終わった…神帝ならあと三人いるのになんで俺だけ…」
二十四時間後に彼女はここにやって来る…
(続)
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公開情報
・ヘリオス・アーセナル社
太陽系最大の軍需企業 いろいろな"お客"がいる
・リリア・ヘリオス 二十八歳 女性 from月
ヘリオス・アーセナル社 ヘリオス家三女
"死神三姉妹"の一角
ヒメナと同い年
・宇宙戦闘輸送艦"フレイト"
リリア・ヘリオス所有の宇宙戦闘艦
乗組員は百名、内七十名は戦闘員
リリアの私設軍




