表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ノア・アーク ― 神々と人が生きる方舟 ―  作者: ヤノチャン
九章 木星宮殿動乱

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

86/103

晩餐会にて⑧

 

ー 晩餐会にて⑧ ー


ー 木星宮殿 謁見の間


「おい……いつまで寝ておる」


低く、重い声。


「この愚息が!!」


その怒号でゼルヴァインは目を覚ました。


視界に入るのは木星王の玉座…


木星王"モク・ゼノス"


ゼルヴァインの体は鎖に繋がれている。


「…ちっ…父上……!違うのです!!

神格再編機関に騙されて……!こんなことになるとは……!」


鎖を鳴らす。


「外してください!!」


ゼノスは、ゆっくりと目を閉じる。


「……はぁ」


深い失望のため息…


「この期に及んで……まだ言い訳か」


王のその瞳に情はない。


「醜い、お前は、もう息子ではない……父と呼ぶな」


「……っ!!」


ゼルヴァインの顔が歪む。


「父上ぇぇぇぇ!!」


「お許しを!!父上ぇぇ!!」


「私はあなたに認めてもらいたかった!

それだけなのです!」


だが、王は動かない。


「早く連れて行け…顔も見たく無い…」


冷たい命令…ゼルヴァインは外に引き摺られていく。


絶望の叫び声が宮殿内に響いた。


ー 数時間後


王より下された判決。それは「星流し」


木星王家管理下の無人衛星"ガニメデ"


そこへ身一つで放逐、帰還の術はない。


事実上の"終身追放"


ゼルヴァイン以外…クーデターに関わった全ての軍人は絞首刑、星流しは父としての最後の情であった。


ー ポイント・ゼロ


「ダヴィンチ様、報告です」


「どうした」


男は振り返らない。


「参謀ユーイ・ロン、戦死」


「キドウ・ヒメナ暗殺作戦は失敗に終わりました」


「……あぁ、そーかい…」


興味なさげに呟く。


「ロンは死んだのか…」


ゆっくりと椅子にもたれる。


「少しはやると思ったが……見当違いだったかな…」


「死因は?」


「神帝タカヤの神器により……心臓部を貫かれ…」


「……そうか…タカヤ君が…かつての仲間を殺せる覚悟があったのか…」


「下がっていいよ、報告ご苦労様」


部下が去る。


(やはり…神帝は一味違う…俺が直接出向いてやるべきか…)


「…いや…まだいい」


目を閉じる。


「時期向こうから来るでしょう…」


ー 木星宇宙ドック 宇宙空母ノア


修復を終えた艦が静かに佇む。


「統合司令、帰還されました!」


声が響く。


乗組員たちが一斉に敬礼。


「はぁ……」


シャルル・レン副司令は息を吐く。


「あぁ…よかった……」


タカヤの腕の中にユーイ・ロンが静かに眠って


「……ロンちゃん……?」


声が震える。


神帝付秘書官ヤマモト・ウォン、彼女はロンと同じ軍学校卒業、一歳上の先輩である。


ウォンは駆け寄り崩れ落ちる。


「なんで…なんでなの……ロンちゃん…?」


誰も何も言えずにその光景を静かに見守るだけ…


タカヤが口を開く。


「…なぁ、ヒメナさん?コロニーの墓地区間

ひと区画…もらっていい?」


返事はいらなかった。


ー 数日後


ロンは埋葬された。


コロニー外縁の墓地区で静かで暖かい場所…


その一角の新しい墓標。


そこは数年ぶりに彼女が帰ってきた"友のいる場所”だった。


「……ただいま」


誰にも聞こえない声…風が、静かに吹いた。


九章・完

十章へと続く…




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ