晩餐会にて⑦
ー 晩餐会にて⑦ ー
ー 木星宮殿外縁区
「あぁ…やばい……やばいやばいやばい!」
「ロンのやつ……しくじりやがった!死にやがった!
計画は失敗だ……父にもバレた……!」
ひとり取り乱す男…
彼の名は木星王家長男モク・ゼルヴァイン。
「ちくしょう…!」
「ゼルヴァイン様!落ち着いてください!」
側近が駆け寄る。
「この状況で落ち着いついられるか!」
「一時的に木星から離脱を!」
分隊長が割り込む。
「……いや、ダメだ、モック王女は重傷のはずだ
今しかない…ゼルヴァイン様!」
前線部隊より無線が入る
「報告です!こちら前線部隊、木星正規軍と交戦中!戦力差が大きく勝ち目無し!持ちません!
やめろ!ワァーー!」
……ブチッ
「…おい!どーした?返信しろ!おい!
……あぁ…そうだな、逃げよう…」
ゼルヴァインは後ずさる。
「早く…今すぐ逃げよう…」
その瞬間。
バァァァンッ!!!
二本の雷が走る。
「がっ――!!」
側近二人が、同時に撃ち抜かれる。
「ゼ……ゼルヴァイン……さま……」
ゼルヴァインの顔が引きつる。
「はぁ?な…なんだ…この…ギフト…まさか……」
(そんなはずはない、奴は…重傷のはず…)
「…お兄様探しましたよ…」
神帝モク・モック、その瞳は、冷たい。
「お前…重傷だったんじゃ…」
モックは首を傾げる。
「そんなこと…今はどうでもいいんですよ」
雷が弾ける。
「あなたなんて一瞬で無力化できます。」
「でもね…それじゃ、つまらないので少し、話をしましょう。」
ゼルヴァインは足が震えて動けない。
「どーして…クーデターなんてことを?」
「私は…王になりたかった。
長男なのに……継承順位は二位
一位のお前が邪魔だった。」
「その時にロンと出会った…だから利用したし利用された。」
「……はぁ、それだけ?それだけで
どれだけの人が死んだと思ってるの?
本当にいつまでも子供ね…あなたには王家としての自覚、プライドはないの?馬鹿なの?ねぇ…馬鹿なの⁈
だから二位なんだよ、クソ兄貴…」
モックは早口で返す。
ゼルヴァインが叫ぶ。
「うるさい!!」
「うるさいうるさいうるさい!!」
「お前さえいなければ!!俺は!!」
その言葉をモックは遮る。
「…はぁ、ほんとに馬鹿ね…」
完全に失望した目。
「あーあ、はぁ…最悪…」
バァァァンッ!!!
雷撃が直撃しゼルヴァインの体が吹き飛ぶ。
「がぁぁぁぁっ!!」
モックはゆっくりと近づき見下ろす。
「…あなたは木星のハジよ…さてお父様の所に行きましょう。」
その表情に感情はない。
(続)




