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ノア・アーク ― 神々と人が生きる方舟 ―  作者: ヤノチャン
九章 木星宮殿動乱

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晩餐会にて⑤


ー 晩餐会にて⑤ ー


ー 数分前 木星宇宙ドック


警報が鳴り響き渡り艦橋の空気が一変する。


「副司令!木星宮殿が襲撃されました!」


「は?えっ…嘘やろ…?」


シャルル・レン副司令は思わず顔を上げる。


「どこの……誰の攻撃だ?ヒメナさん達は無事か?情報はあるのか?」


「統合司令部の生存は不明…

木星からの断片情報……敵は神格再編機関のユーイ・ロン率いる精鋭部隊です。」


「チッ……!タイミング最悪…神帝を呼べ!」


「既に招集済みです!」


「追加情報!木星軍内部にも協力者あり!」


レンの目が細くなる。


「…ほぉ…クーデターか…」


(木星でクーデター…そんな兆候全くなかった…)


艦橋のドアが開く。


「レンさん?どうかした?」


「実はな…ヒメナさん達がいる木星宮殿が襲撃された。実行犯は神格再編機関ユーイ・ロンだ。タカヤ君とウォンさん、ヒメナさんは顔馴染みみたいだな」


「…あぁ…ロン…」


「モックとノノカ……センドウも一緒やったはずやけど連絡は?」


「大神官センドウとは取れた。彼は晩餐会に出席していた貴族達の護衛にまわったらしい。ヒメナさん達とは別行動…他とは…まだ取れない…」


「あぁ……そぉ……」


「あのさ…メイン…ギフト貸してよ!」


「貸してってさぁ…物じゃないんだからね?まぁいいや…早く行くよ!」


「俺はノアに残るよ‥誰かは護らないとね…」


「うん、じゃあアイズ…頼んだよ!司令のことは任せて」


その言葉を言い終わる前に二人はもう走り出していた。


「ちょ、ちょっと待って!!まだ何も指示を――!」


レンは叫ぶ…だがもういない。


「あー…まぁ、いいか、頼んだよ…神帝」


レンはマイクに向かい話始める。


「あ、あー…ノア第三航空隊に告ぐ戦闘機全機、木星へ迎え…神帝のバックアップだ…急げ」


「了解!!」


航空隊員が一斉に動き出す。


窓の外、無数の機体が、木星へと向かう。


(…司令って大変だなぁ…副でよかったよ)


「……死なないでくださいよ、ヒメナさん…」


ー 木星宮殿


「あなたに…殺せるかしら?」


「まぁ…今や敵……やからな

本部からは“生捕り”命令も出てたけど断ってきたよ」


「ふーん…じゃあ…皆まとめて死んで」


(タカヤ君にはわかってほしかった…)


ロンの手が上がる。


「射撃部隊に告ぐ!光速弾道を用意……撃て!」


ドンッ!!!


それは光速…目に見えない弾丸の雨が降り注ぐ。


「ハハハ!」


タカヤが前に出、剣が閃く。


ギィンッ!!ギギギギッ!!


光速の弾道を、斬り刻む。


「今のうちです!!退避を!!」


「メイン、ヒメナが負傷者を抱え、後退。


「ヒメナさん……!」


弱々しい声がする…


「モック…生きててよかった……」


「木星王…お父様は……?」


「無事よ、傷ひとつない、バルサルナと共に退避した、あのエルフ凄いわ!」


モックが安心したように目を閉じる。


「…よかった」


「無理せんでええ…寝とき」


「うん…ありがとね…ヒメナさん…」


ー 前線


「…は?全部…防いだの?光速弾道よ…?光の速さよ…?意味が分からない…」


「…ハハハ…確かに早かったよ。けどこれぐらい防げんと…神帝にはなれんよなぁ」


ピピピー タカヤの端末が鳴る。


(おぉ…第三航空隊が来たか)


「ロン…今の射撃で、スナイパーの位置は全部割れた。君の部隊は優秀だ、だがあと三秒で、皆んな死ぬ。」


「な……」


「三」「二」「一」


ドドォンッッッ!!!!


遠方…六つのビルが同時に爆ぜる。


「こちら第三航空隊作戦成功空母へと帰投する。」


スナイパー部隊は第三航空隊の爆撃により

壊滅した。


「…そんな…バカな」


ロンの声が、初めて揺れる。


「ちなみにさ、君らの船も、もう終わり…」


「……は?」


ー 宇宙空母ノア 木星宇宙ドック


「こちら副司令、シャルル・レンだ、第一砲塔部隊、仕事だ、木星王都外縁、海上、次元輸送用潜水艇を確認」


「……あれを一発で沈めろ」


オペレーターが即答する。


「可能です」


「衛星画像にてロック完了や船底遠距離砲、展開します」


「撃てるか?」


「楽勝です。問題ありません」


レンは短く頷く。


「撃て」


ー 二分後


「ターゲット、爆散確認」


静かな報告だった。


「……ありがとう、よくやった」


ー 木星宮殿


タカヤが笑う。


「ターゲット爆撃成功だってさ」


「……ってことでさ…降参する?」


ロンの指が、わずかに震える。


(続)

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