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ノア・アーク ― 神々と人が生きる方舟 ―  作者: ヤノチャン
九章 木星宮殿動乱

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晩餐会にて②


ー 晩餐会にて② ー


ー 木星宮殿 大広間


「ヒメナ司令……よく来られた」


穏やかな声が、静かに響く。


玉座の前に立つのは木星王モク・ゼノス。


「モックちゃんも……おかえり」


「ただいま!パパ」


モックは少し照れくさそうに笑う。


「お招きいただきありがとうございます」


キドウ・ヒメナは軽く頭を下げる。


堅苦しさのないその態度に、周囲の貴族がざわめいがゼノスは気にせず優しく微笑む。


「堅くならなくてよい今日はただの晩餐だ」


「パパ?お兄様はどこに?」


モックが首を傾げる。


「さぁな……こんな大事な時にどこへ行ったのか」


ゼノスは肩をすくめる。


「まぁ、気にせず楽しんでいきなさい…」


木星王がバルサルナを見る。


「あっ、あなたが……バルサルナ様ですか…」


「うん、そーだけど…なに?」


「お会いできて光栄でございます。冥王より話は聞いております…“衛の英雄”」


ゼノスは一歩だけ近づき、穏やかに言う。


「どうか、ゆっくりなさってください」


「うん、ありがとね」


バルサルナは素直に笑った。


ー 同時刻 木星宮殿外縁


巨大な影が宇宙から静かに降りてくる…


「貴様がユーイ・ロンか……よろしく」


現れたのは、長身の男。


モク・ゼルヴァイン。


「えぇ……ゼルヴァイン王子」


ロンは微かに笑う。


「いい宇宙を作りましょう」


ゼルヴァインも笑うが目は笑っていない。


「我が部隊はすでに展開済みだ、今回の“護衛任務”は我の管轄、木星王は我の裏切りなど気づいておらん…すんなり受け入れよったわ!」


「だが…宮殿内部は別だ、木星正規軍が固めている、神帝は我が妹一人……護衛も少数、他の神帝は宇宙ドック急いでも二時間は来られん」


「外が味方なだけでも十分よ…」


ロンの目が細くなる。


「……本当にいいの?」


「ハハハ…実行犯は君たちだ、我々は“支援”するだけ…全てが終わった頃には…」


その目に、狂気が宿る。


「木星は、我のものだ」


ロンは何も言わずただ静かに聞いている。


「木星王は殺すな、生け捕りだ…後々、木星の民をまとめるのに使える…」


「あなたは相当な悪ね…」


ロンの表情がわずかに揺れる。


「……了解、わかったわ…」


振り返り宮殿を見据える。


(先輩……)


「…さぁ…始めましょう」


その声にもう迷いは見られなかった…


ゼルヴァインが手を上げる。


「ゼルヴァイン部隊よ…任務開始だ」


「門を制圧、開放せよ」


「了解!!」


無数の影が動き出す。


(続)





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