表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ノア・アーク ― 神々と人が生きる方舟 ―  作者: ヤノチャン
八章 決戦宙域

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

69/104

星を見上げる者


ー 星を見上げる者 ー


惑星ケプラー

宇宙要塞ポイント・ゼロ


巨大な観測窓の外には、無数の星が静かに瞬いていた。

その光は美しいが、同時にどこか冷たかった。


ユーイ・ロンは腕を組み、宇宙そらを見つめていた。


「タカヤくん……あなたはそこで満足なの?それで宇宙は良くなるの?……平和に多少の犠牲は必要よ、それは一番あなたがわかっているはずよ……」


誰にも聞こえない独り言だった。


背後から重い靴音が響く。


「おい、ロン……何をしている……」


振り向かなくても分かる声だった。


「ん?……ガロンか」


黒い軍装の大男、ガロンは壁にもたれながら笑った。


「もしや…神帝タカヤの事でも考えていたのかな?

奴は軍学の同期だろ…?」


ロンの表情が一瞬だけ曇る。


「無駄な思い入れはよせ……身を滅ぼすよ……」


ロンは視線を宇宙から外さず言った。


「ふっ…そんな事わかっている……黙っておけ……」


ガロンは肩をすくめる。


「ハッハッハッ!それは失礼な事をしたな!」


少し沈黙が流れる。


ガロンは思い出したように言った。


「お〜、そうだ…ロン……そう言えば総督が呼んでいたぞ……」


ロンの眉が動く。


「そーか…了解した…」

(おい……そういう事は早く言え)


数分後…

宇宙要塞ポイント・ゼロ 総督執務室


重厚な扉が開く。


室内は静かで、巨大なホログラム星図が空中に浮かんでいた。


机の向こうに座る男が微笑む。

総督ダヴィンチ


「やぁ、来たね……ロン……」


ロンは敬礼する。


「お待たせ致しました、ダヴィンチ様」


軽く手を振るダヴィンチ。


だがその目は鋭かった。


「今日は聞きたいことがあってね…」


空中の星図が変わる。


ある一つの座標が赤く点滅した。


「ノア統合司令キドウ・ヒメナについて聞きたい……軍学校の先輩だろ?」


ロンの瞳がわずかに揺れる。


ダヴィンチは静かに言った。


「今のお前はどう思う?」


ロンは少し考え、答える。


「…とても…危険な存在…ですかね…」


「ほう?」


「ヒメナ先輩の圧倒的な人望と頭脳……ノア=ヒメナ先輩…神帝達やノアの曲者達をまとめあげるカリスマ性…」


ロンは星図を見つめた。


「聖母…と言ったところでしょうかね?」


ダヴィンチは楽しそうに笑う。


「なるほどね…」


「じゃ…こいつはどうだ…?」


ホログラムに別の顔が映る…神帝タカヤ。


ダヴィンチはゆっくり言った。


「神帝タカヤは神帝の中でも厄介な存在…」


ロンは答えない。


(はぁ…タカヤくん…)


ロンは静かに言った。


「……確かに厄介ではあります…だが創造神へと覚醒を果たしたダヴィンチ様に今の彼では足元にも及ばないでしょう…」


ダヴィンチは満足そうに頷いた。


「ハハハ…そうだろうね…」


そして机の引き出しから一枚のデータチップを取り出した。


「いきなりだけどさ…君に任務を与える…」


ロンの目が細くなる。


「キドウ・ヒメナを…」


ダヴィンチは微笑んだ。


「殺してきてくれ!」


一瞬の沈黙。


ロンは敬礼した。


「了解しました」


だがその胸の奥で、

嫌な予感が静かに広がっていた。


(続)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ