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ノア・アーク ― 神々と人が生きる方舟 ―  作者: ヤノチャン
七章 神軍学校

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ヒメナの進路


ー ヒメナの進路 ー


一年の冬、冷たい風が校庭を吹き抜ける。


Aクラスは相変わらず上位を独占。


ゼンは一年で三位の成績…意外にも成長していた。


そして軍生会としても彼らは成果を出していた。


行事運営の完遂、規律違反の早期解決、教官との調整。


「はぁ、一年でここまでやるとはね、私でも二年はかかりましたよ!」


ウォンが珍しく素直に褒める。


その横で、三年主席キドウ・ヒメナは腕を組む。


「当然よ。私が選んだんだから」


ヒメナはニヤリと笑う。


卒業式前日。


軍生室。


夕暮れのオレンジが差し込む。


ユーイ・ロンが静かに言う。


「ヒメナさんも明日引退、卒業ですね…わ、私…泣きそうです…」


ヒメナは軽く笑う。


「湿っぽいのは嫌いよ」


「僕も泣きそうでした。」


タカヤが言う。


「何なの!その過去形!」


室内は笑い声で包まれる…


ゼンが椅子を揺らしながら唐突に聞く。


「あ、そーいや、ねーちゃんどこに配属なの?」


ヒメナは振り向き、ニヤリと笑う。


「私はこのまま神軍よ!月に行くの!」


三人が目を見開く。


「月で建造中の巨大宇宙空母、知ってるでしょ?」


もちろん知っている。


極秘計画、人類圏防衛の切り札。

名称も正式発表されていない宇宙空母


「あれの幹部としてスカウトされたのね!ヘッドハンティングってやつよ!私って優秀だからさ!ハハ!」


一瞬、静寂。


タカヤが思わず声を上げる。


「卒業してすぐ幹部⁉︎」


ヒメナは肩をすくめる。


「もちろんよ、何てったって私は軍生会司令だからね!太陽系でもそんなにいない!」


その言葉の重み。


軍生会はただの生徒会ではない未来の神軍幹部候補。


"実地育成機関"


ヒメナはウォンの前に立つ。


「大阪校任せたわよ!ウォン!」


ウォンは一礼する。


「お任せください、ヒメナ先輩」


その目はもう二年生のそれではない。


指揮官の目。


ヒメナは最後に三人を見る。


「タカヤ、これまで通り頑張りなさい…あなたが優秀なら私がヘッドハンティングしてあげる。」


一瞬だけ真剣な顔。


そして背を向ける。


「じゃあね」


去っていく足音。


軍生室に静寂が残る。


ゼンが小さく呟く。


「ほんとに行っちゃうんだね…」


ユーイは窓の外を見る。


タカヤは拳を握る。


(月か…先輩すごいな…)


やがて卒業式。


ヒメナは堂々と壇上を歩き、


そのまま神軍へ。


そして月日が経つ。


二年へ進級。


ウォンが軍生司令に就任。


学内の空気が少し変わる。


(続)



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