軍生会
ー 軍生会 ー
入学から数ヶ月。
春は過ぎ、夏の気配が濃くなる。
Aクラスの二十名は日々削られていた。
早朝五時起床でラジオ体操からの十キロマラソン
基礎体力訓練、戦術座学に模擬戦…
射撃ももちろん…夜間講義は自由参加だが皆んな参加している…
(あー、しんど…ロンちゃんは頑張るね〜)
タカヤは心の中で思いゼンと目が合い微笑みあう。
誰一人、余裕はない。
昼休みに食堂にて…
タカヤはトレーを持ち、席に座る。
向かいにロンで隣にはゼン。
「今日の模擬戦きつかったな……」
タカヤが呟く。
ゼンは軽い調子で笑う。
「そりゃ、Aクラスだからね〜」
その時。
食堂の空気が変わる。
ざわざわざわざわ…
視線が一方向に集まる。
入ってきたのは神軍学校三年主席"キドウ・ヒメナ"
長い髪を後ろでまとめ、鋭い眼差し。
立っているだけで圧があるその女性がタカヤ達の前で止まる。
ゼンが手を振る。
「あ、ねーちゃん、久しぶり」
周囲が凍る。
ヒメナは無言でゼンの額を軽く小突く。
「こら、学校では先輩と呼びなさいと言ったでしょ!」
だが目はどこか優しい。
タカヤが姿勢を正す。
「先輩…何の用ですか?」
ヒメナは三人を順番に見る。
タカヤ、ユーイ、ゼン…
「あなた達は神軍学校軍生会に入りなさい!これは軍生会司令命令です!それだけ…」
ヒメナは満面の笑みでこちらに指をさす。
周囲がざわつく。
軍生会は―
学生の統制、行事運営、教官との橋渡し、規律監督。
そして有事の際は即応部隊指揮。
「普通の奴じゃ続かないの…だからお願い!今なんてメンバーはたった二人…しかもか弱い女子二人よ!」
(どこが…)
三年一人、二年一人。
つまり猫の手でも借りたいほど人手不足。
ヒメナは続ける。
「Aクラス上位者は例年、候補に挙がるんよ。」
ユーイが静かに問う。
「理由は?」
ヒメナは即答。
「なんか知らんけど辞めなさそう!」
タカヤは戸惑う。
「俺たち、まだ一年ですよ…大丈夫ですか?」
「大丈夫!多分!」
視線が鋭くなる。
「軍生会はエリートよ!最後までいればどの軍からもスカウトがくる!」
ヒメナはヒソヒソと話し始める。
沈黙。
ゼンが肩をすくめる。
「断ったら?」
ヒメナは微笑む。
「絶対に後悔するわよ!」
冗談ではなく事実。
タカヤはユーイを見る。
ユーイは静かに頷く。
挑戦を拒まない目。
タカヤは深呼吸する。
「はい、先輩……やります…(やるって言うまでうるさそう…)」
ヒメナは小さく笑う。
「決まりね」
去り際、振り返る。
「明日から来なさい、軍生室へ」
食堂のざわめきが戻る。
ゼンがぼそっと言う。
「はぁ…面倒なことになったね」
こうして。
Aクラスの三人は軍生会の仲間入りとなった…
(続)
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公開情報
・軍生会
学生の統制、行事運営、教官との橋渡し、
規律監督、有事の際の即応部隊指揮
軍生会司令は三年キドウ・ヒメナ




