ポイント・ゼロ奪取
ー ポイント・ゼロ奪取 ー
宙帝艦隊の殲滅後、神格再編機関
ダヴィンチ艦隊は静かに進路を変えた。
目的地はひとつ。
宇宙に浮かぶ巨大廃要塞
“ポイント・ゼロ”
かつて宇宙連合が太陽系外縁に建設した最前線拠点。
だが戦略変更により放棄された宇宙要塞。
現在は無人である。
暗黒の宙域に、その影は現れる。
巨大な輪郭。
朽ちかけた装甲。
だがその構造は、いまだ威圧的。
ポイント・ゼロはただの廃墟ではない。宇宙ドックを保有し中規模居住コロニー区画などなど…
惑星に依存しない“移動式要塞”
それ自体が国家級戦力。
ユニコーン艦橋。
「ゼロの既存AIは書き換えろ!すぐにだ!」
管制官が叫ぶ。
「なぜですか!勿体ない!」
若手が問う。
「そのAIも今や敵だ!」
「あ、そーか…」
その時"ゼロ"が動き出す…
「ポイント・ゼロの無人護衛ドローン群、起動確認!」
ダヴィンチは命じる。
「ふむ…やはり防衛設備は生きていたか!ドローンは全機落とせ!爆撃しろ…」
「撃てぇ!」
容赦はない。
神格再編機関艦隊から放たれる精密砲撃。
ドローン群が次々と爆散。
残骸が静かに流れる。
わずか数分で制空権確保。
その瞬間、地球・宇宙連合本部にて警報が鳴り響く。
ピーピーピー
「ポイント・ゼロ周辺で戦闘反応!」
「護衛ドローンが全滅!」
通信士が震える声で告げる。
「しっ…神格再編機関です!」
かつて宇宙連合が放棄した要塞が今敵の手に渡った…
再び、ユニコーン艦橋。
ポイント・ゼロの巨大ドックがゆっくりと開く。
内部に侵入する神格再編機関の艦隊。
「制御中枢、掌握完了!」
「重力炉、再起動します!」
「自航機関は正常です!」
朽ちた要塞が目を覚ます。
外殻のライトが順に灯る。
ダヴィンチは要塞の全景を見つめる。
「ここを神格再編機関の拠点とする…」
静かな宣言。
「もはや我らは漂流勢力ではない」
ポイント・ゼロはゆっくりと軌道を変える。
近くに惑星はない。
だが問題はない。
この要塞そのものが動く。
補給も、防衛も、拡張も可能。
独立国家級戦力の確立。
遠く地球では。
宇宙連合がようやく事態の重大さに気づく。
放棄したはずの牙が、
今や敵の城となった。
五章・完
六章へと続く




