金星の王、進軍
ー 金星の王、進軍 ー
海王星宙域 ノア艦橋。
地の国崩落の報せが艦橋を包み込む。
大神官エンマ、重傷。
首謀者はガランとユーイ・ロン。
外宇宙へ離脱。
重い空気の中、ひときわ強い存在感が動いた。
金星の王――神帝キング。
黄金のマントを翻し、静かに前へ出る。
「……エンマが刺された、か」
その声には怒りよりも、深い懸念があった。
ヒメナが状況を補足する。
「一命は取り留めています。しかしまだこれからどうなるか…」
「分かっている」
キングは短く言う。
「裁きの柱が揺らげば、地上にも波及する」
タカヤと視線が交わる。
数秒。
キングが口を開く。
「俺は地球へ向かう」
決断は早い。
「キング艦隊を動かす」
ヒメナが即座に艦隊規模を確認する。
「総艦数……数千艦規模ですね」
「ああ」
金星王直属、キング艦隊。
重戦艦、航宙母艦、守護艦、霊装巡洋艦
黄金に輝く太陽系屈指の大艦隊。
キングはタカヤに向き直る。
「久しぶりに顔を合わせられてよかった」
少しだけ笑う。
「神々の集いでな」
「無事で何よりだ」
それは戦友への、素直な言葉。
そして続ける。
「神格再編機関は任せる」
「ダヴィンチはお前達の戦場だ」
タカヤは頷く。
「太陽系内は頼むな」
キングは軽く拳を合わせる仕草をし、踵を返す。
⸻
数時間後。
海王星外縁。
金星王の旗を掲げた巨大艦隊が展開。
視界を埋め尽くす数千隻。
主砲列が光を帯び、ワープフィールドが次々に起動する。
「全艦、地球圏航路を設定」
キングの声が全艦へ伝達される。
「目的は閻魔の守護」
艦隊が動き出す。
その航路上――
空間が歪む。
紫紺と蒼銀の装甲を持つ艦隊がワープアウト。
木星皇女――神帝ジュウ率いるサターン艦隊。
荘厳な旗艦が中央に位置する。
通信回線が開く。
ジュウの姿が映る。
「キング。地の国の件は承知している」
凛とした声。
「エンマの元へ向かうのであろう?」
キングは頷く。
「裁きは揺らがせない」
ジュウは静かに微笑む。
「ならば共に」
「木星皇女の名において、太陽系の均衡を守る」
サターン艦隊が横列に展開。
数百隻規模の精鋭部隊。
キング艦隊と並ぶことで、その規模は圧倒的な“大艦隊”へと変貌する。
キングが宣言する。
「両艦隊、地球へ!」
数千隻が同時にワープフィールドを展開。
光の奔流が宙域を包み込む。
海王星。
ノア艦橋。
ヒメナが報告をまとめる。
「キング艦隊およびサターン艦隊、地球方面へ合流、離脱完了」
ルシファーが腕を組む。
「盤面が割れたな」
タカヤは外宇宙を見つめる。
太陽系内を守る大艦隊。
外宇宙で牙を研ぐ神格再編機関。
戦線は完全に二極化した。
神帝達の本格的な動きが始まる。
(続)
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公開情報
・キング艦隊
金星の大艦隊 司令は神帝キング
数千艦を保有する大艦隊
神帝キングは金星王で大富豪
潤沢な資金で艦隊は黄金に輝く
太陽系最強艦隊
・サターン艦隊
木星皇女神帝ジュウが司令
数は数百艦だが精鋭が集まるエリート艦隊




