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ノア・アーク ― 神々と人が生きる方舟 ―  作者: ヤノチャン
十七章 第四次宇宙大戦

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神帝対創造神


― 神帝対創造神 ―


― 惑星デネブ・前線宙域


巨大な戦艦が立ち並ぶ戦場の中央。


炎と爆発が飛び交う中、二人の男が静かに向かい合っていた。一人は神帝マック・ファイヤ。もう一人は創造神レオナルド・ダヴィンチ。


かつて同じ神帝として戦った者同士だが今は敵であった。


ダヴィンチが金色の義手をゆっくり構える。


「お前とこうして向かい合うのは何年ぶりだ?」


ファイヤは拳を握った。


「さぁね。忙しすぎて覚えていない…」


その手の周囲に赤い炎が灯る。


「ただ昔からお前だけは嫌いだ…お前は俺が殺してやる…」


炎が一気に燃え上がる。


「ふっ…変わらんな。」


ダヴィンチが笑った。


次の瞬間ファイヤの姿が消えた。


「――!」


一瞬でダヴィンチの懐へ入り込む。


拳が振り抜かれる。


ダヴィンチは金色の義手で受け止めた。


ドォン!!凄まじい衝撃波が周囲へ広がる。

二人の足元にあった戦艦の甲板が大きくへこむ。


「相変わらず速い。」


「まだまだだよ…」


ファイヤは笑う。


「義手になってから随分強くなったみたいだな。

ちょっと頭が良かっただけの男が力まで手にいれたか…」


ダヴィンチの目が細くなる。


「……右腕を失った代償は大きかった。

後な…勘違いするな…昔から俺は最強だ…今はそれ以上!!お前には負けない…」


「あぁ…そうか。」


ファイヤの表情から笑みが消える。


「神々を殺し、我々を裏切ってまで手に入れた力か。」


「そうだ。」


ダヴィンチは即答した。


「私は私の手でこの宇宙を変える。腐敗した宇宙を作り変える。その為に私に歯向かう者は全て殺す…」


「くだらない。」


ファイヤの身体から炎が噴き上がる。


「なら俺達が止める。」


「やってみろ。」


二人が同時に動いた。


― 宇宙空母ノア・艦橋


大型スクリーンには、戦場の映像が映し出されていた。炎を纏ったファイヤと、金色の義手を持つダヴィンチが激しくぶつかり合っている。


神帝四人も艦橋から戦闘を見守っていた。


タカヤが腕を組む。


「……やっぱりファイヤは強いね。」


アイズも頷く。


「まぁな…けどダヴィンチも…」


モックはスクリーンを見つめたまま呟いた。


「ヒメナさん…私達は?」


メインも呟いた。


「ダヴィンチをぶん殴りたいのは私達四人も同じよ…」


その横では統合司令ヒメナが戦況を確認していた。


「まだや。まだ許可は出せない…

ゴッド・スレイヤー改の準備は?」


「発射準備完了しています。」


兵装管制官が答える。


ヒメナは頷いた。


「なぜ許可が出ないの?」


メインはヒメナに問いかけた。


「神帝ファイヤがダヴィンチを引き付けてくれとるやろ…今の方が狙いやすい…

あとは…敵はダヴィンチだけじゃないからな…」


ヒメナはモニターを見ながら呟いた。


― デネブ前線


ファイヤが両手を広げる。


「行くぞ!」


両手の指先に無数の炎が集まる。赤く燃える小さな球体。その数は十、二十、三十……ダヴィンチが目を細める。


「その技……。」


ファイヤが笑った。


「よく知ってるだろ!ファイア・バレット!!」


ババババババババッ!!指先から無数の火弾が高速で放たれた。それはまるで機関砲のように…

一発一発が戦闘機を吹き飛ばすほどの威力を持つ。


ダヴィンチは義手を前へ出し金色のエネルギー障壁が展開された。


ドドドドドドドドッ!!火弾が次々と障壁へ叩き込まれ爆炎がダヴィンチを包み込む。


「どうだ!」


ファイヤが叫ぶ。


しかし煙の中から金色の腕が伸びてくる。


「まだまだだ。」


ダヴィンチの義手が炎を弾き飛ばす。


ファイヤの目の前へ一瞬で移動。


「なっ――!」


ドン!!義手の拳がファイヤの腹部へ直撃する。


「ぐっ……!」


ファイヤの身体は数百メートル飛ばされるが空中で体勢を立て直す。


「ふぅ…やるね。」


口元の血を拭う。


「なら、これだ。」


両手を前へ突き出すと炎が腕全体を包み込む。


そして


「ボルケーノ!!」


ゴォォォォォォッ!!両手の先から巨大な火炎が噴き出した。


ダヴィンチは横へ飛ぶが火炎は追う。


「くっ…!」


ダヴィンチは義手を前へ構える。


金色の障壁と巨大な炎が正面から激突する。


ゴォォォォォ!!前線にに巨大な光と炎が広がる。

周囲で戦っていた両軍の艦艇さえ二人から距離を取る。


「何だ、あそこで何が起こっている……。」


デネブ兵が呟く。


「神帝と…創造神だ。」


ファイヤは炎を止めない。


「どうしたダヴィンチ!まだ終わっていないぞ!」


ダヴィンチの義手が激しく発光する。


「この程度で私を倒せると思うな!」


バチィ!!義手から金色の衝撃波が放たれファイヤの炎を押し返す。


「ぐっ……!」


ファイヤが後退する。


ダヴィンチはそのまま距離を詰めた。


金色の拳と炎の拳。二人の拳がぶつかる。


ドォォォン!!再び巨大な衝撃波が起き二人は互いに弾き飛ばされる。


互いに一つの傷も負わないままその場所に立ち上がる。


「……。」


「……。」


しばらくの沈黙の後ダヴィンチが口を開く。


「ファイヤ。」


「なんだ?」


「お前は昔から変わらないな。」


ファイヤは眉をひそめる。


「何が?」


「熱い。」


ファイヤの身体から炎が再び燃え上がる。


「当たり前だろ。」


そして拳を握る。


「俺は火の神帝ファイヤだからな。」


ダヴィンチは小さく笑った。


「あぁ…そうだったな。」


その瞬間二人が再び加速する。


― 宇宙空母ノア・艦橋


「接近!」


レーダー員が叫ぶ。


「ファイヤ神帝とダヴィンチ、再び交戦!」


ヒメナはスクリーンを見つめる。


「…まだや。ファイヤ君の次の一撃…二人が離れた瞬間を狙う。一発勝負や。外したら…次はきつい…」


艦橋の空気が張り詰める。


その時。「統合司令!」


兵装管制官が叫ぶ。


「ゴッド・スレイヤー改、発射準備完了!」


ヒメナは正面スクリーンを見つめる。


そこには炎を纏い、ダヴィンチと激突するファイヤの姿が映る。


(続)







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